早池峰山 (1914m)

2011.10.1(土)  曇り・烈風

 

 

2011.10.1(土)
河原坊登山口 0600
頭垢離 0700
打石 0725
早池峰山山頂 0755〜0830
鎖場 0840
お金蔵 0900
小田越登山口 0935

早池峰山

早池峰山はエーデルワイスの仲間であるハヤチネウスユキソウの咲く山として名を馳せている。
花の名山としてシーズンは多くの人が訪れ混雑し、交通規制が行われシャトルバスも運行されている。

私が訪れたこの日は今期一番という寒波に北日本は覆われ、北海道の山々は勿論、東北でも岩手山・飯豊・朝日などは初冠雪を見た。

 

恐恐!

宮古から早池峰山登山口へ至る道は細く曲がりくねっていて運転しにくく難しくて、いわゆる車の難所が連続する。
それも夜に通過したものだから恐ろしいことこの上なく、緊張の連続であった。
登山口近くに適当な宿が無いので道の駅「早池峰」で車中泊。
岩泉で調達した地元食材で夕食、久しぶりに家庭の味を味わった感じで運転での緊張をほぐすことが出来た。

 

エイヤッ!

目覚めると周りの木々がざわめき揺れている、風が強いようだ。
登山口へ登る道には風で折れたのか枝が散乱し、車を降りて片付けねばならないほどだった。
河原坊の駐車場でしばらく様子を見る。風は強いが雨は降っていない。
予報は雨であるが、今日登るのは私一人であるし雨が強くなったら諦めて下山すれば良いとエイヤッ!と登ってみることにした。

カミさんには車でお留守番をしてもらう。
「ネズミに引かれないよう注意してね」と言い残し車を後にする。

 

雲中

入山届を提出し歩き出すと直ぐに沢を渡ってコメガモリ沢沿いを遡っていく。
樹林帯の中は風はさほどではなく安心するが、霧の中と言うか雲の中に入ってしまったようで視界は利かない。

沢沿い
沢沿いの道を進む

小1時間も歩くと草木の紅葉が目立ちだす。
雲で上方は見えないが静寂の中の紅葉は落ち着いた雰囲気で美しい。

紅葉
色付いた中を淡々と登る

 

岩場

道は沢から離れ次第にゴツゴツした岩が多くなってきた。
コースを示すマークがこれでもかというぐらい付けられ、それを辿りながら高度を上げていく。


岩場にコースマークが点々と

黙々と登っていると小さなピンクが目に飛び込んできた。
ナンブトラノオである、時期的に見られるはずはないと思い込んでいただけに、ただただ嬉しい。

とらのお
ナンブトラノオ

思ったより小さいが鮮やかなピンクで何とも可憐である。
注意していると僅かであるが何株か見つけることが出来た。

また花の時期は過ぎようとしているがナンブトウチクソウも幾つか見ることが出来た。


ナンブトウチクソウ

道はゴロゴロした岩から大きな岩へと変わりだし、ロープや鎖が付けられた大岩が現れだした。
御座走りと言われる所らしい。幸い岩は濡れていないのでさほど不安は感じないが慎重に通過する。

大岩
御座走りの一枚岩

 

烈風!

御座走り辺りから風がもろに当たるようになってきた。
強いだけでなく寒い、堪らずパーカーを着込むとホッとする。

千丈岩
打石

打石と表示された大岩を通過、千丈岩付近まで来ると山頂間近の雰囲気が強くなる。


山頂は近い?

 

早池峰山山頂

岩の斜面を登り切ったようで斜度がゆるみ右上に斜上すると、そこが山頂であった。
立派な早池峰神社の祠が立ち、何本もの鉾が天を突いて立っている。

祠
山頂の祠

待っていたかのように雲が切れ青空が広がった、ああ嬉しい!
だが雲の流れは早く同じ状態が1分も保てない。次々に雲の塊が襲いかかってくる。
風は遮るものが無くなったせいか一段と強くなり、耐風姿勢をとってストックで支えていないとたたらを踏んでしまう。

青空が広がっているときに写真を数枚撮る。じっくり構図など選んでいられない。
単独男性が小田越方向からやってきた、言葉を交わすが言葉さえ風で吹き飛ばされる感じで会話にならない。
彼は防寒手袋と目出帽を被ると岩陰に避難してしまった。


山頂にて

 

小田越コース

のんびりする気分にはならない。岩陰で暖かいものをお腹に入れて下山にかかる。
それにしてもパーカーを持ってきて良かった、雨具の上着だけだったらかなり厳しかったかも知れないとつくづく思う。

下山を開始して10分ほどで有名な2段に連なった鉄梯子、飛ばされないようしっかり掴まり下降する。

梯子
鉄梯子を慎重に降りる

地形の影響なのか、河原坊コースより小田越コースのほうが風当たりが強いようだ。
何度もストックで体を支え耐風姿勢をとって風をやり過ごし、風の息の間に降りていく。

途中、何組ものパーティが大きな岩陰に避難しているのと出会った。
皆さん、山頂部の状況を聞いてくる。
感じたままをお話しし、参考にしてもらう。


大岩の影に避難しているパーティが何組も

日差しが差すと薬師岳が大きく立派である。
何時もなら時間があれば行ってみようかと思う近さであるが、この日ばかりは早く降りることばかり考え、駆け降りた。


薬師岳

0935に小田越登山口へ降り、車道を下って河原坊登山口には10時前に帰ってきた。
カミさんに聞くと駐車場でも風が強く、車が揺れるほどであったという。
今日ばかりはカミさんを連れていかなくて良かったと思った。

 

オジロワシ歌壇

 

・迷いつつ往く残生にどこか似て
        染まらぬままに散りゆく落葉

・地に触れてふたたび宙に舞い上がり
           落葉一枚空に消えゆく

 

 

 

 

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