蔵王お釜
私の蔵王に対するイメージといえばザンゲ坂にテントを張り地蔵岳からスキーを走らせて熊野岳・刈田岳まで歩くというものである。もちろん30年以上昔の話であるから蔵王エコーラインとか蔵王ハイラインとかの道路は開通していない時代である。
山寺を参拝してその足で蔵王にやってきた。
車で刈田岳山頂真下まで来れるなんて正直想像もできなかった。
蔵王山頂駐車場についてもそこが何処だか判らない。
大きなレストハウスが立ち観光客が行き来している、いや観光客しかいない。ここは山なのか。風が強く観光客が逃げ惑っている。
車外温度計は1℃を示している、第1級の寒波が入ってきているのだ。
薄手のダウンを着込み私は雨着の上着、カミさんには私のパーカーを着せる。外に出ると風は予想以上に強く女性などはよろけている。
観光客の人達はレストハウスからお釜の見える所まで行って走って帰ってきている。私達も登山の心づもりはないので、熊野岳まで行くつもりもなく、せっかく来たのだから少し楽しんでいきたいと思っている程度なのだ。
駐車場から3分も歩けば、何とかお釜の見える刈田岳と熊野岳を結ぶ馬の背に出る。
せっかく来たのだからと馬の背沿いにしばし散策。
曇だが時折晴れ間がのぞく、お釜はやはり日差しがあるときのほうが美しい。カミさんが私の大きすぎるパーカーを着ているのためか、ペンギンを連想して笑ってしまう。
ペンギンさん
熊野岳よりに少し登るとお釜の表情も変わってくる。
手軽に来れるようになったが、やはり美しくなかなかのものだ。
蔵王 お釜
風に乗ってあられが舞い始めた。
風は依然として強く10mは吹いているだろう、だとすれば体感温度は−10℃にもなる。
熊野岳ぐらいまで歩くつもりだったが寒くなってきた。
私達も退散だ。レストハウスに戻るとそこは外の嵐や自然とは無縁の世界、これで良いのだろうか?
ちなみに私達が帰ってから間もなく蔵王エコーラインは雪のため閉鎖になったというニュースが流れていた。
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上杉神社
米沢市にある上杉神社。
この日は朝日連峰にある祝瓶山を登る予定だったが天気予報は雨、朝C'Kすると朝日連峰は分厚い雲にすっかり覆われ、とても登る気分になれず朝寝坊して米沢の観光でもして過ごそうと思った。上杉神社は上杉謙信を祀る神社。
越後春日山に祀られていたが上杉藩が会津を経て米沢に移封され松岬城に遷された。
その後米沢藩中興の祖である上杉鷹山を合祀したりしたが、鷹山は松岬神社に祀られ、現在は謙信を祀る神社になっている。
平日にもかかわらず上杉神社は参拝の人が多い。
もちろん謙信公の人気が高いのだろうが、NHKの大河ドラマ「天地人」の影響が大なのであろう。
謙信や鷹山と並んで兼続に関する展示が多い。
上杉神社参道
「なせば成る なさねば成らぬ 何事も・・・」や「米百俵」で一躍有名になった上杉鷹山公。
上杉神社に隣接する松岬神社に祀られ、参拝する人が絶えない。
貧しい藩を再興させた実力者、どの時代にだって崇拝される人物だろう。
鷹山公
同じ敷地内に鷹山公が公明正大な政策を行うことを誓った誓詞を奉納したという春日神社もある。
春日神社
米沢といえばやはり牛。
天下に名高い米沢牛、今回の旅の楽しみの一つにしていた。
上杉神社の周辺には観光客目当てのお店がたくさんある。私達もその一軒へ。
お値段もそれなりのものだが、たしかに美味しい。
脂が何時も口にしているもののとは明らかに違う、滑らかで味があるのだ。
滅多に口にできない代物だけにゆっくりと味わって頂いたつもりだったが、あっという間に無くなった。
天候待ちで訪れた上杉神社、所が日差しもありお天気は良い。
南の吾妻連山方面を見ると、やや雲は多めながら山は見えている。
にわかに心が落ち着かなくなる。
今から行けば天元台から西吾妻山ぐらいなら楽しめるのでは・・・。急遽、天元台へ向かうことにしたのである。
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