山のカメラ

 

 

11月中旬から12月下旬は北国の山歩きで最も寂しくつまらない時期。
寒さが増し雪も降る季節の歩みに体が慣れずついていけないし、肝心の山も秋と冬の狭間でぼやけた魅力に欠ける風情しか見せてくれないのだ。
結果、山歩きを楽しむ気持ちになれないのである。

新雪輝く冬山シーズンまで約1ヶ月、それまで山歩きはお預けでHPの更新も出来そうにも無い。
山歩きはお預けで暇を持て余し気味なので、山の写真を撮るカメラについてお話ししようと思う。(もちろん何時もの独善と偏見ですが・・・)

 

山カメラ

山でのカメラと言うと、プロのカメラマンやハイアマチュアの方々が使っている大判や中判カメラを思い浮かべる方も多いと思う。
大型カメラや交換レンズ・三脚などの重い機材を運び上げ、寒さも厭わず何時間でも時によっては何日もチャンスを待ち続けるカメラマン、腕は勿論だが根性の方もさすがに凄いものだと感服してしまう。 
ですが私にはとても真似は出来ない。写真を撮る事より、山を楽しむ方が大事だからである。

山好きには何故かカメラ好きが多い。
山での感動をいつまでも味わいたい、切り取っておきたいと思うからだろうか?

そして一人一人、愛用のカメラは違う。
曰く「レンズだよ!」 曰く「解像度だろう!」 曰く「何と言っても軽さだ!」 曰く「防水衝撃性だ!」・・・・

全くその通りだと思うのだが、そのすべてを満足するカメラは無いのである。
実は私、山登りを始める前からカメラをいじくっていた。
高校時代にオリンパス・ペンと言うハーフサイズのカメラを買ってもらい写真を撮る楽しみを知ってしまったのだ。
それから30年以上何台かのフイルムカメラを愛用し、デジカメ時代になってからも数台のカメラと十数年付き合って来た。

そんな私が現在使っているカメラ機材やこれまでのカメラ変遷をこの場を借りてご紹介しようと思うのだ。

 

デジタルカメラ

私が現在、主に使っているのはオリンパスE-5とE-3。
そして沢や岩を登る時には、オリンパスμ-720。
E-5とE-3はいわゆるデジタル一眼で、レンズは、

標準レンズ:ED 12〜60mm F2.8〜4.0 SWD (35mm換算 24〜120mm)
広角レンズ:ED 7〜14mm F4.0 (35mm換算 14〜28mm)
望遠レンズ:ED 50〜200mm F2.8〜3.5 SWD (35mm換算 100〜400mm)
接写レンズ:ED 50mm F2.0 Macro (35mm換算 100mm)
拡大リング:1.4× Teleconverter EC-14  である。

 

標準レンズ

 

広角レンズ


望遠レンズ


接写レンズ



1.4倍コンバーター

 

オリンパスE-3はいわゆるデジ一眼で、これに決める時は仲間たちや雑誌・ネットなどから可能な限りの情報を集め、N社のカメラとどちらにしようかそれこそ悩みに悩んだ末に選んだ。
何故なら交換レンズを含めてカメラシステムとして一度整えると、それが足かせとなってそのメーカーから離れがたくなるからだ。
E-3は大きく重いという欠点がある、その他は特に不満も無く映し出される写真も私の腕以上の絵だと重宝し愛用している。

E-3
オリンパスE-3 レンズは広角ズーム

E-5はE-3のバージョンアップ版、発売当初はE-3と変わる所が無いように思え魅力を感じなかったのだが、時間とともに高まる使っている人達の評判の良さを信じて買い求めた。
自分の腕が上がったようにさえ感じる出来映えや意外性のある絵に出合う度に信じられない思いと嬉しさが交錯するカメラ、E-3と相まって当分一緒に山へ行く事になるカメラである。

E-5
オリンパスE-5  レンズは標準ズーム

私はE-3やE-5をザックのショルダーハーネスに取り付けた胸のバックに入れて持ち歩いている。

バックカメラ用バック


ザックに収納していると撮影の度にザックを降ろさなくてはならず面倒極まりないのとシャッターチャンスを逃がしてしまう事に繋がるからだ。
ただ沢や岩を登る時には胸に付けたバックは邪魔なだけでなく危険でもある。
そこで沢登りの時などはポケットに入れられる小さくて軽い防水耐震のμ-720を使っている。
記録だけで良い、写真のレベルは二の次と腹を括っているのだ。

μ-720μ-720

愛用しているこれら三台のカメラ、その前はデジカメが一般的になった十数年前に初めて持った135万画素コンパクトデジカメ(名称は忘れた)、このカメラを岩角にぶつけてレンズを壊して替えたのが大メーカーの横暴さを知る事になったC社の28〜200mmの欠陥デジカメ、C社のカメラを投げ捨て買い替えたのが描写性能と発色の良かったオリンパスC8080であった。

C8080C8080

デジカメ時代に入って気付くのは目まぐるしいほどモデルチェンジが激しいことだ。
良いものがいち早く店頭に並ぶのは悪い事ではないが、ユーザーとしては迷うばかり。
しっかりと自分にあった一台を選び、惑わされず末永く使いたいものである。

 

フィルムカメラ

前述したように私のカメラ遍歴の第一歩は、高校時代に父から買ってもらったオリンパス・ペン。
玩具のようなカメラだったが、嬉しくて乏しいお小遣いの大半をフィルムや現像代に注ぎ込んだ記憶が残っている。
自分で初めて買い求めたのは学生時代、オリンパスペンFという小さいながらも一眼レフ。
スタイルも性能も気に入り、十数年使い続けた懐かしくも思い出深い一品である。

ペンF
オリンパス・ペンF

社会人となって持ったのは、名機オリンパスOM-1。
実に素晴らしいカメラで使い易く、傷だらけになったが十数年使い続けた。
いまでも私が使ったカメラの中の最高峰だと思っているカメラである。

ニコマート

その後、父が使っていたニコマートを貰い受けたり、浮気をしてペンタックスZ-1を使ったりした。

デジタル時代になって、しばらくはフィルムスキャナーからデジダルに変換して使っていたが面倒になり、HPを開設するのを機会にフィルムカメラとさよならをし、デジタルカメラへ移行したのだ。

Z-1




山のカメラ

私の現在使っているカメラ、これまで使って来たカメラについてお話しして来た。

それぞれ思い出深いカメラばかりだが、振り返ってみるとオリンパスが圧倒的に多いのに気付く。
最初に手にしたカメラであるオリンパスペンの印象が深く、心に刷り込まれてしまっているのだろうか?
人から見れば紛れも無いオリンパス党の一員だろう。

オリンパスは現在、巨額の損失隠しから企業としての屋台骨が揺らぎその存続すら危ぶまれている。
責任感の欠如した保身に走るような経営陣は糾弾されて当然だし、その結果として企業がつぶれても仕方が無い。
ただ、コツコツと育成して来た素晴らしい技術が水泡に帰してしまうのは残念極まりない。

オリンパスというメーカーは内視鏡カメラなどの医療分野では世界的なシュアを占めているし、カメラ分野でもレンズは評判だ。
ズイコー(瑞光)レンズは描写力・キレ共に他社に引けを取らない優れものである。
カメラはレンズさえ良ければ、後はただの暗箱。
山歩きをすると雨も降り沢も歩く、岩場を歩いてぶつけたりもする。
ただの箱だと濡れて使い物にならなくなるので濡れても大丈夫な箱であることが望ましいし、ちょっと位ぶつけても壊れないものが重宝する。

欲を言えば山歩きには重さや大きさも大事な要素、同じ性能なら軽くて小さい方が良いに決まっている。
描写力の善し悪しも大事な要素だ、こればかりは何枚も撮ってみなければ分からない。
私のE--3とE-5は同じように見えるのに、実力はかなり違う。

色々述べて来たが一番大事なのは、どのような使い方をするのかだろう。
記念にしたり記録するだけで良いのなら小さく軽いコンパクトカメラで十分だし、作品として残しコンテストなどにも応募したいと考えるならデジ一眼では力不足かも知れない。
どのような使い方をするのかによって、違って来るのだと思う。

私自身は自分のカメラ遍歴も終わりに近いと思っている。
車も今のが最後の車と決めているように、カメラもE-5が最後の愛機になりそうな気配である。
でも心の何処かでは、私の心を浮き立たせ掻き乱すような素敵な一台が出て来る事を待ち望んでいる。


私のパソコンデスク周り
左が主用のiMac、右はWinのノートPC
上段左はA4サイズプリンター、右はA3ノビサイズのプリンター

 

 

 




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