紋別岳 (866m)

道央   2011.12.13(火)   曇り・小雪

 

紋別岳

 

 

2011.12.13(火)
登山口 0930
C600m 1035
山頂 1120〜1210
登山口 1330

根雪

私が住む千歳は例年12月下旬頃、根雪になる。
だが今年は雪が多いのか気温が低いのか、すでに根雪状態になっている。

目覚めて外を見ると日の出で南東の空がオレンジに染まっている。
今日は移動性高気圧が張り出して来て晴れる予報である。
小春日和に光り輝く支笏湖や樽前山などを眺めながら紋別岳でも散歩気分で歩いてみようと急遽ザックを引っ張りだした。

 

意外

支笏湖へ向かう通称「支笏湖街道」、道の半分は乾いているが半分は凍結していて油断していると車は思わぬ方向へスリップする。
行く手の支笏湖方向は暗く雲に覆われ寒々しい雰囲気、気温もどんどん低下している。
登山口では-14℃、予想外の寒さに出ばなをくじかれる感じである。
積雪は15cm程、スノーシューをザックにくくり付けスパイク長靴のつぼ足で歩き始める。

 

送電線尾根

5・600mほど行くと山頂へ走っている送電線が管理道路から離れていく。
送電線尾根コースはここから忠実に送電線が伸びる一直線に山頂へ続く尾根を直登するルートである。

最初コースは緩く下り、小沢を渡って直登に移る。
この小沢に架かっている丸木橋を渡るのがこのコース最大の難所と言っても過言ではない。
雪を被ったいかにも滑りそうな丸木橋を慎重に渡る。
危険を感じたら、無理して渡らず沢に降り渡った方が安全だ。

後は送電線の下を淡々と登る。
例年1月初めまで笹が雪に埋まらずフカフカで笹の落とし穴に嵌り苦労するのだが、今回はしっかり埋まっていて順調に高度を稼げる。
歩き始めは寒い位だったのに30分も歩けば体も温まり快適そのものだ。

ただ、空模様は一向に良くならず時折小雪が舞い、辺り一面夕方のような薄暗さで写真を撮る気にもなれない。

 

ラッセル!

C720mで管理道路に出る。
ここから管理道路を辿り山頂を一周巻くように登っても良いし、そのまま送電線を辿っても良い。
この辺りで樹林帯が終わり見晴らしが開け、南西に支笏湖を前景にした恵庭岳が格好よく見えるのだが、今日は真っ黒な雲に覆い隠され気配を感じる事も出来ない。
それではと送電線ルートを選択したが、ここから意外な苦戦を強いられた。

樹林帯を過ぎたせいか軟雪で深く臑〜膝位までだったのが膝〜太腿になり、軽い雪とは言え結構辛い一人ラッセルとなった。
おまけに気温が下がっているのだろう、指先が寒さで痛くなり顔もゴワゴワしてきた。
顔はネックウオーマーを引き上げれば何とかなるが、深雪でストックをフル活用の指先は如何ともしがたい。
出し惜しみせず新しい手袋をして来るのだったと思うが後悔先に立たずである。

 

凍れるモノトーン

誰も居ない山頂は一頭の鹿の足跡があるだけ、何をしに山頂まで来たのだろう?
もしかしたら鹿も同じ事を思っているのかも知れない。

取りあえず電波塔保守の建物の風下に入って指先を暖める。
凍りついたように冷たかった指先に血が通い始めるのがわかり、痛さから解放される。

支笏湖の湖上には時折日が差し込んでいるが、全体は暗く凍えるようなモノトーンの世界である。
想像していた小春日和の散歩気分とは180度異なる別世界。
そんな表情を切り取ってみたいと設定を色々変えて写し取ってみた。

支笏湖
山頂から支笏湖と風不死岳

奇麗に晴れた時の写真と比べてみよう。
全く異質な世界、それを如実に感じられるのも山歩きの楽しみだ。

紋別岳
晴れた2009.1の紋別岳山頂からの支笏湖と樽前山・風不死岳

指先を暖めながら熱いコーヒーを飲み、半分凍ったリンゴを食べる。
南東に苫小牧市が見え、製紙工場から白煙が立ち上っている。

苫小牧
山頂から南東の苫小牧市

寒さの中、恵庭岳や樽前山の勇姿をしばらく待ったがとても期待に応えてくれそうな気配ではない。
諦めて下山する事に。

 

山好きな人達

自分の事は棚に上げて、こんなコンディションの日に登って来る人は居ないだろうと勝手に思っていたら、何人かの人が登ってくる。
単独男性、犬連れのご夫婦、スキーの人、つぼ足の人、スノーシューの人、私を含めて7人。
夫々に思いがあるのだろうが、皆さん山好きなのだな〜と思った。

下りは違う雰囲気を味わおうと管理道路を下る、谷を挟んで登った送電線尾根が姿を見せていた。


管理道路からの送電線尾根と山頂

 

 

2009.1の紋別岳へ
2010.1の紋別岳へ

 

 

 

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