美笛の滝

道央  2012.1.20(金)  晴れ

 

美笛

 

美笛の滝

美笛の滝は支笏湖の西側、美笛川の上流標高500mにある滝。
岩肌を落差50m程流れ落ちる滝は優美で美しく新緑や紅葉に映え、訪れる人々を喜ばせ堪能させる。
冬は一転して堅く凍りつき青氷が陽光に照り輝く姿は、優美さを捨て恐ろしさを内包する凄みのある美しさである。
冬は訪れる人もなく、アイスクライミー達がその美しさを独占しているようだ。

そんな世界を覗き見てみようと久しぶりで冬の美笛の滝を訪れてみた。

 

肩こりと歯痛

お正月早々、今まで縁のなかった肩こりに悩まされるようになった。
右の首筋から肩、背中にかけての筋がコリコリ・ゴリゴリし、何とも鬱陶しく何をする気にもなれない、お天気が良くても山に行く気すら起きないのだ。
何をした訳でもなく、思い当たる節もない。仕方なく湿布薬を貼ったり、温泉通いで対処していたが何の効果もなく途方に暮れた。

その内、右の歯が痛くなり歯茎が腫れてきた。
右下のブリッジ辺りが痛み、物を噛むのにも支障がある。
肩こりから歯が痛くなる事はあるそうなので我慢していたら、今度は右あごのリンパ腺が腫れてきた。

放置していたらますます悪化しそうな感じなので取りあえず原因を一つずつ探り排除するしかないと、歯科医院を訪れた。
レントゲンを撮りそれを見た歯医者さん「アレ〜!」ブリッジを支えている前側の歯が折れてブリッジが宙に浮いていると言うのだ。
ブリッジを外してみると、前側の4番の歯が根元から無くなっている。

「これが全ての原因ですね〜。噛み合わせが悪くなって肩こりが起きたのでしょうが、その原因はブリッジが壊れた事にあります。昨年の検診の時、見つけてあげられれば良かったのですがわからなかった。無くなった4番の歯の根が使えるかを確認して今後の処置を決めましょう。」

一本の歯の大切さを痛感されられた数週間ではあった。

 

ラッキー!

歯の痛みからも肩こりの憂鬱さからも解放され、快晴のお天気の中、支笏湖西側の美笛鉱山へと車を走らせる。
樽前山と風不死岳が真っ白に化粧した姿をスックと見せている。
支笏湖の対岸には恵庭岳や丹鳴岳などの山々が美しく端座し美しい。

恵庭岳
支笏湖畔から見る恵庭岳と丹鳴岳(左)

美笛鉱山跡の駐車帯に車を停め、美笛の滝へと歩き出す。
3年前に訪れた時は深雪で滝まで1時間半位要した記憶があり、今回も一人ラッセルを覚悟していたが、少し前にアイスクライミングをした人達がいたようでしっかりしたトレースがついている。
ラッキー! と喜びつつありがたく利用させてもらう。
柔らかい朝の光りを浴びてミズナラの大木が佇んでいるのが印象的だった。

みずなら
朝日を浴びながら屹立するミズナラの大木

沢音を聞きながらしばらく行くと見慣れたV字型の谷間の向こうに目指す美笛の滝が垣間見えるようになってきた。

V字谷
V字谷の奥に滝はある

 

静寂の滝

美笛の滝に着いた、3年振りの冬の凍った滝との再会である。
抜けるような青空に凍てついた滝が音もなく姿を見せている。
轟々たる水音が無い凍りついた滝、美しくも妖しく輝く青い姿、何か恐ろしい何ものかを内に秘めているようでもある。

美笛
凍てついた美笛の滝

滝全体が姿を見せている訳ではなく、半分以上は雪に覆われ青氷は一部しか見る事は出来ない。
それでも迫力満点の姿ではある。

下の段の氷の滝まで登ってみた。

氷の滝
これで約10mの高さがある

 

氷
堅い青氷の滝の一部

下の段の氷まではアイゼンなしで登ることができるが、それから先はアイゼンやアックスなしではとても登れないし、何とか登れても降りることができそうにない。
これから先はアイスクライミングの技術を持った人達の世界なのである。

夏は草付きの岩である部分は大きな氷柱状態になって青氷部分とは違う表情を見せている。

つらら
水の流れない岩からは巨大な氷柱が

慎重に滝壺の下まで降り、暖かいコーヒーをのんびり飲みながら改めて美笛の滝全体を眺め、堪能する。
静かで心洗われるひと時だ。

美笛の滝
少し下から美笛の滝全体を眺める

 

鶴?

数年ぶりの凍った美笛に滝を満喫し、のんびり下っていく。
無音であった滝から降りてくると、控えめな沢音が聞こえだしこんもり盛り上がった雪の間を小さな流れが見え隠れしている。

ふと気付くと丹頂鶴かと思う造形があり、思わず一枚。
自然は面白い事もそれとなくやってのける。
感性が試されているような感じがした。

そんな事を思いつつ、次の予定である「七条の大滝」へ向かった。

鶴
それらしく見えませんか?

 

 

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