風不死岳 (1102m)

道央   2012.7.10(火)   曇り

 

風不死岳
風不死岳山頂から支笏湖を望む

 


 

2012.7.10(火)
樽前7合目ヒュッテ 0725
風不死岳登山口 0815
鎖場 0835
風不死岳山頂 0925〜1015
風不死岳登山口 1125
7合目ヒュッテ 1205

風不死岳

支笏火山が大噴火を繰り返して陥没し、支笏湖が誕生したのは約4万年前。
その後今から約2万年前の噴火で風不死岳が誕生し、次いで恵庭岳、樽前山の順に噴火形成され現在の形に至っていると言う。

今は活火山の面影は無く、深いトドマツの森に覆われた静かな佇まいを見せている風不死岳。
最近は北尾根ルートからばかり訪れ、樽前山の7合目ヒュッテからのルートはご無沙汰していた。
そこで今回は久々に7合目ヒュッテから伸びる本来の風不死岳登山ルートから訪れてみた。

 

リハビリ

6月から開始した膝と首〜肩の痛みからのリハビリ登山、今回で5回目。

概ね順調な回復振りと思っているのだが、目標は7月末の知床岬縦断なのだ。
それまでには軽量日帰りの山行のみならず縦走装備での2泊程度の慣らしが必要である。
間に合うかいささか不安でもあるが、やってみなくては何事も始まらない。
今回が何事も無く済めば、次回から縦走装備での山歩きにチャレンジしようと考えているのだ。

 

花の移ろい

樽前山7合目駐車場で準備を整え樽前山の中腹を巻くようにお花畑を進み風不死岳の登山口へ足を運ぶ。
お花畑は約1ヶ月前とは様相を異にしている、イワヒゲは姿を消し、イソツツジとウコンウツギも大半の花を落として、マルバシモツケが残っている程度。
その代わりタルマイソウが我が世の春とばかりに咲き競って美しい。

タルマイソウ
タルマイソウが咲き競っている

お天気はやや雲が多めだが、視界は良好で晴れれば大展望が期待できそうな予感がする。
支笏湖も深い青に染まり紋別岳なども端正な姿を見せている。

支笏湖
樽前山中腹からの支笏湖

 

核心部

お花畑から続く岩尾根と932m峰、風不死岳が一望だ。
登山ルートは932m峰の奥側へと進んで左手から風不死岳へ取り付いてゆく。
風不死岳名物でもある偽ピークが点々と連なっているのも確認できる。

932m峰
932m峰(左)と風不死岳

7合目ヒュッテから小1時間歩くと、風不死岳登山口。
この辺りはシラタマノキの群落が至る所にあり、今の時期あまり目立たない花が満開である。
8月の中旬には白い球形の実が眼を引くのだ。

シラタマノキ
シラタマノキ

登山口付近から風不死岳を見上げると、偽ピークの連らりが良く分かる。
初めての方が良く騙されるピーク達なのだ。
概ねのルートは写真の中央右の下から一番右のピーク横へと登り、後は稜線伝いに左へ進み、一番左に見えている偽ピークの右奥にある本当のピーク(写真では見えない)を目指す事になる。

風不死岳
登山口付近からの風不死岳

風不死岳登山の核心部は登山口を出て20分位から始まる標高800mから960mの急な岩場の登り区間であろう。
危険な所は無いが、足場を慎重に決めて急がず慌てず登る事が肝要である。
途中鎖場があり平行に並んで2つのルートがあるが、今は右手のルートを利用するようになっている。

鎖場
鎖場

 

偽ピーク

核心部を登り終えたら後は概ね稜線伝いに緩やかなアップダウンを繰り返しつつ、幾つかの偽ピークを越えて行く。
偽ピークはいずれも立ち寄る事が出来、狭いながらも休憩するスペースもある。

登山口から約1時間、急斜面を一登りするとまさに頂上を思わせる一角に飛び出る。
何種類もの花が咲き羊蹄山や恵庭岳、札幌周辺の山々などが見渡せるホッとする場所なのだ、ここが最後の偽ピーク、本当の山頂は5分ほど先にある。

山頂
最後の偽ピークから本物の山頂を見る

初めて風不死岳を訪れた時、私もご多分に漏れずこれら偽ピークに騙され気持ち的に落ち込んだ記憶がある。
まあ、騙されてみようと言うおおらかな気持ちで歩くのが正解のようである。

なお、例年稜線歩きの所々に笹が茂り歩きにくく見通しが利かない場所が数カ所あるのが普通なのだが、今回は丁寧に笹刈りが行われていて有り難かった。

 

晴れて〜!

7合目ヒュッテから丁度2時間、風不死岳山頂へ着いた。
久々の樽前山側からのルート、一気に登り詰める北尾根ルートと違い、深いトドマツの森と稜線歩きを楽しめた。

山頂からは視界は素晴らしく良いものの、雲が多く顕著な山々はその頭を雲に隠してしまっている。

支笏湖
支笏湖はとても美しいけれど、恵庭岳などは頭を雲に隠して・・・

「お願いだから、晴れて〜!」
樽前山だけが何とか雲から逃れて全容を見せている。

樽前山
風不死岳山頂からの樽前山

しばらく待って雲の切れ間から景観を覗き見れるのを期待しようと、山頂部の花を見て回る。
と言っても元々花が豊富な所ではない、エゾノヨロイグサやオオバセンキュウ、ヤマブキショウマ、ヨツバヒヨドリ、ハナニガナ、ミヤマハンショウヅル位のものである。

ヨツバヒヨドリヨツバヒヨドリ

 


ハナニガナハナニガナ

 


ハナニガナ
シロバナハナニガナ

北尾根ルート側にも行ってみるが支笏湖付近が見えるだけ、日高や夕張の山は雲に覆われていて見る事は出来なかった。
最近北尾根ルート側の50mほどが笹に覆われ歩きにくくなっていたが、ここも奇麗に笹狩りがされていた。有り難うございます。

1時間ほど簡単な昼食をとりながら雲の切れ間を待ち続けたが、いっこうに良くなる気配は無い。
逆に低い雲が流れ始めてきている。
残念ながら大展望は諦めよう。
「次来るときはよろしくね!」と風不死岳に別れを告げた。

 

慎重に!

膝のサポーターを巻き直し、下りにかかる。
膝を痛めるのはたいていが下山時である。慎重に足の置き場を考えつつ確実に降りる。
足の置き方が悪いと時々ピリッ!と痛みが走る。
ゆっくり降りながら時計を見ると、登りより時間がかかっている。
これでは仲間達と一緒に行動するのは迷惑をかけるので無理かも知れない。
一抹の不安と寂しさを感じつつも慎重の上にも慎重に降りてきた。

まだ時間も早いので、樽前山にも立ち寄ろうかと思ったが低い雲が山頂部を覆い始めている。
諦めて素直に7合目ヒュッテの駐車場へ向かった。

樽前山
樽前山の山頂は雲に覆われ始めた

 

不安

家に戻りシャワーを浴びて昼寝から目覚めたら、左膝に痛みと腫れが・・・。
この数回のリハビリ登山や日頃のウォーキングでは痛みなどは出なかったので少し安心していたので、チョッピリ ショックである。

僅か半日の荷物もほとんど無いお手軽登山なのに痛みや腫れが出ては、知床縦断は大丈夫だろうか?
他のメンバー達に迷惑だけはかけたくない。
そろそろ最終判断を決めねばならない時期である、行きたいと言う気持ちは強いが私のせいで迷惑をかけたり途中で山行を断念するなどはごめん被りたい。
それを最重要要素として参加するか否かを判断するしかないだろう。

僅かな期待や不安が入り乱れるが、冷静に判断し決断しよう。

 

 

 

 

 

 

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