光りと彩りに包まれた富良野の夏

十勝  2012.7.23(月)  晴れ


 

丘と芦別岳

 

富良野の夏

カミさんのお姉さんが1週間ほどの短い期間であったが、千葉から遊びにきてくれた。
カミさんも張り切り、何十年振りの北国を満喫してもらおうと2泊3日で知床に姉妹二人で小旅行。
大自然を満喫してもらおうと言う趣向だったが、あいにくオホーツク高気圧が張り出し4月並みの低温と濃霧の3日間であったらしい。
可哀想にと気を揉んでいたら、意外と楽しそうな表情で帰ってきた。
豪華ホテルでの温泉と食事、気の済むまでのおしゃべりで大景観や壮大な夕焼けショーは二の次で良かったみたいだ。

日を置いて晴れた一日、今が盛りのラベンダーを見に富良野へ行く事になった。私はアッシー君兼、専属カメラマンである。
せっかくだから、ラベンダーばかりでなく富良野の丘からの眺望やニングルの森など富良野の夏を味わってもらう算段だ。

富良野のラベンダーと言えば「ファーム富田」が有名、まずはそこを目指す。
混雑を予想して早めに着いたら広い駐車場はまだガラガラ、ラベンダーが咲く丘には手入れをする何人もの人達の姿が・・・ありがたい。
ラベンダーはまさに真っ盛り、紫の絨毯が惹きつめられたような斜面が広がっていて、遊歩道や展望台、リフトまで整備されている。

ラベンダー園
中富良野町営ラベンダー園

聞くとここはファーム富田ではなく、中富良野町営ラベンダー園との事、リフトは9時からだが見物は何時でも良いとの事。
膝を痛めているお姉さんにはリフトがある方が良いと、ここでゆっくり見物する事に。

 

中富良野町営ラベンダー園

このラベンダー園は北星山と呼ばれる一帯で冬はスキー場になると言う、立派なレストハウスやリフトがあるのも納得である。
カミさんたちはリフトが動くまでレストハウスでおしゃべりしながら待つ。
私は歩いて登りながらゆっくりラベンダー園を見て回る。

園の下段にはブルーサルビアやポピーなどの花々が植えられ華やかな織物が敷き詰められているようだ。

お花畑
ブルーサルビアやポピーなどが鮮やかな色彩で植えられている

スキー場のゲレンデ一面に植えられているラベンダー、何種類もあるらしいが今がまさに旬、いずれも満開だ。
埋め尽くされる紫・紫・紫に圧倒されてしまう。
色だけではなく香りも凄い。最初は良い匂いだなと深呼吸でもしたくなるが、長くいると頭がクラクラしてくる。

斜面の中程から中富良野の町並みを見下ろすと、紫の斜面を滑って行きたい気分になる。
写真の上と下がぼやけているように見えますが、これは意図したものでカメラが香りに酔ってぼやけたのではありませんよ。

ラベンダー園
ラベンダー園から中富良野の町並みを見下ろす

ラベンダー園の最上部からは芦別岳や富良野西岳の端正な姿を眺める事が出来た。
山好きの私にとっては嬉しい限りでしばらく見とれてしまう。両山ともしばらく訪れていない、早く体を治してまた登りたいものだ。

芦別岳
ラベンダーと芦別岳(左)、富良野西岳

ラベンダーの花は群生して咲く姿や花束となった姿で見る事が多く、一本一本をじっくり見る事は少ない。
良く見ると小さな花が沢山付いている一本一本の花も可憐である。
だけど私の経験上、大きめに花をUPにした写真を撮ると、紫が鼻につくようなどぎつい写真になり易い。
そこで優しい感じにしようと少々フォーカスをかけた写真にしてみた。

ラベンダー
優しい感じのラベンダーになったかな?

9時になりリフトが動き出してお客さん達が続々と上がってきた。
韓国語が飛び交っている、WelComeではあるが少々傍若無人な態度が気にかかる。

カミさん姉妹も到着である、ラベンダーの香りに包まれ歓声を上げ、十勝連山の姿に息を呑んでいる。
見つけておいた記念写真ポイントで旅行客よろしく一枚パチり。

記念写真
十勝連山をバックにラベンダーに囲まれて

 

丘巡り

2時間以上ラベンダー園での一時を楽しみ、緩やかに綿々と連なる富良野の丘を巡ってみることに。
観光名所から離れて、何気ない一角からの景観を楽しもうと思ったのだ。

最初に出合ったのは一面のジャガイモ畑、メークインなのか薄紫の花が咲いている。
ラベンダーと比べるとおとなしく清楚な印象である。
そのジャガイモ畑の向こうには、十勝連山がどっしりとした姿を見せていた。広々とした北国らしい風景だ。

ジャガイモ畑
ジャガイモ畑と十勝連山、中央が富良野岳・雲から頭を出しているのが十勝岳

次に出合ったのも何の変哲もない牧草地の一角。
緩やかに続く黄色い野草咲く丘、切り裂くように伸びる一本の道、その先には芦別岳が堂々と端座していたのだった。
観光名所で無くとも感動できる場所が何処にでもある。それが富良野、そして美瑛なのだ。

芦別岳
黄色い野草咲く牧草地と山々が織りなす景観は気持ちを大きくする

次に見つけたのは千望峠近くに広がる一面の麦畑。
まさに麦秋の頃合いか、黄金色に輝く麦穂の波は何故か安らぎを与えてくれる。
遠くにはパッチワークの丘が広がり、その奥には大雪の山々がどっしりと構えている。
なんとも希有壮大な気持ちにさせてくれる景観である。

麦畑
黄金色に輝く麦畑とパッチワークの丘、雄大に聳える大雪の山々

カミさん姉妹は景観もさることながら、おしゃべりに夢中。
良くこんなに話題がつきないな! と思うほどしゃべり続けている。
男と女の本質的な違いなのか?

同じ麦畑を玩具のピンホールカメラで撮ったような感じにしてみると、なんとも昔懐かしい子供の頃に見たような風景が現われた。
皆様にはこんな感じの所で遊んだ思い出はありませんか?

記憶の風景
子供の頃に遊んだような記憶が・・・

 

ニングルの森

一般的に「ニングルの森」とは富良野岳の麓・原始が原にある森のことである。
森の散策、川を遡行しての滝巡り、富良野岳登山の基地となっている所だ。
倉本聰さんの小説「ニングルの森」の舞台になっている所。
しかし一般の人には縁遠い所の為か商売の為か、新プリンスホテル脇に「ニングルの森」が作られ観光客用として提供され始めた。
(本物のニングルの森はこんな所です。

歩くのが苦手なお姉さんにその雰囲気だけでも味わってもらおうと、作られたニングルの森にお連れした。
さすがにそれらしき雰囲気を醸し出しており、商売用の小さなログハウスも景観に溶け込んでいる。
この中に、倉本聰さん原作のTVドラマ「優しい時間」の中で使われた「森の時計」と言う喫茶店が実際に設置されており営業されている。

森の時計
ニングルの森の中にある、喫茶店「森の時計」

ここではドラマの中と同様に、自分でコーヒーミルを挽きそのコーヒーを味わうと言う趣向になっている。
ドラマの主人公を演じた寺尾 聰さんが淹れてくれているかのような雰囲気に酔いながら、ケーキセット(¥ 1200)を楽しんだ。

最後に訪れたのは南富良野にある「かなやま湖」。
ダム建設に寄って造られた静かな人造湖だ、キャンプ場やロッジ、保養施設などが点在するだけの殺風景な所だ。
だが今の時期、ラベンダーと青い湖面、緑の山と青い空、澄み切った空気と、まさに北国の夏を味わう場所の一つである。

かなやま湖
かなやま湖

静かな景観を満喫し、帰りに保養施設のレストランで胡麻蕎麦を食べた。
期待以上の味とボリュームに大満足の一品、次に富良野岳や芦別岳に登るときはここをベースにしようと密かに決めた位である。

 

もし、このページが皆様のご参考となって富良野の夏を堪能できるのなら、望外の喜びです。

 

 

 

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