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函館山
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当別丸山を下山して、函館山を目指す。
日曜日のせいもあるだろうが、北斗市から函館市に入ると急に車が混んでくる。
登山口がロープウェイ乗り場近くのふれあいセンターであることは調べてきたが、道が複雑でよく分からない。
ウロウロしているとクラクションを鳴らされ早く行けと叱られる、函館山麓の坂道を行ったり来たり3回ほどグルグル走り回ってしまった。
ようやくふれあいセンターの駐車場に着くと満車、丁度下山してきたご夫婦に尋ねるとロープウェイ乗り場横にある駐車場が良いと教えて頂く。やれやれと駐車場へ行き、準備をしていると先ほどのご夫婦が隣の車にやってきた。
乗せてきて差し上げれば良かった。失礼しました。
旅の恥はかき捨てとばかり、登山コースについてもお尋ねする。
いくつもコースはあるが案内看板や表示があるので迷うことはない。
旧道コースか汐見山コースで登って山頂周辺を歩くのが良いと教えていただいた。
ありがとうとざいました。
ふれあいセンターに立ち寄り情報を得る。
初めてでもあるので、代表的な旧道コースから千畳敷展望台〜つつじ山〜御殿山砲台跡〜御殿山へのコースを選択した。歩き始めると幅広い整備された道である。
さすが函館市民の散策路、と思っているうちに気がついた。
旧道とは旧軍が山頂周辺の砲台などへの連絡補給のために作った道ではないかと・・・。
旧登山道の意味ではないらしい。立派な杉林の中をゆったりと登っていく。
野鳥観察小屋や薬師山への分岐を過ぎると5合目、二股に道が分かれている。
ここを左にとり、千畳敷展望台へと向かう。
5合目からトラバース気味に歩くと千畳敷とつつじ山を結ぶ道に出会う。
この道は山道ではなく車の通る道、少々味気ないが仕方がない。やがて樹林が切れ、見通しが良くなった。
立待岬が眼下に見えている。
歌から思い浮かべていたのはロマンチックな岬のイメージなのだが、実際に見るとすぐ横に墓地があり函館山から延びている尾根の先端と言うだけで、何ともそっけない。
立待岬 歌とは裏腹にそっけないイメージだ
視界は更に広がり、函館から恵山に続く海岸線が午後の日差しを受け輝いている。
思わず見とれてしまう光景だ。
さすがに展望の函館山である。
函館の町並みと恵山へ続く海岸線
そして間もなく千畳敷展望台、きちんとした展望台兼休憩所が作られていた。
そこからの眺望も素晴らしいものであった。
千畳敷展望台から
良くTVなどで見る函館の函館らしい風景が広がり、後ろには横津岳・袴腰岳・蝦夷松山・三森山などが並んでいる。
同じく千畳敷から御殿山を背景に
そして駒ケ岳も姿を現した。
御殿山と駒ケ岳
全てが夕日を受けて今日最後の輝きを見せているかのようだ。
市街地も夜とは違う印象を見せている。
函館市街地
明日登る予定の蝦夷松山と雁皮山を探す。
定かではないが、多分あれだろうと目星をつけた。
千畳敷からつつじ山と足を進める。
道の傍らに黄色いものが・・・、なんと花である。こんな時期に。
どうやら山の花ではなく、栽培・観賞用の菊らしいが何故こんなところに咲いているのだろう?
道路脇に咲いていた菊
時折工事用のトラックが走り、そのたび右往左往だ。
北の対岸には午前中に登った当別丸山がポッコリした丸い山容を見せている。つつじ山の東屋からは御殿山の人影も見える。
夕日や夜景見物の人達が集まりだしているのだろう。
つつじ山から御殿山
つつじ山から歩道を通り、御殿山第二砲台跡へ。
野砲が2門備え付けられる陣地が3つ、地下には砲弾庫らしき物も。
「兵どもが夢のあと」少々やるせない思いを感じつつ砲台跡を後にした。
砲台跡 丸い所に1門づつ野砲を設置したようだ
御殿山へ登ろうとすると、今日のお仕事を終えたのかカラスの大集団が空を真っ黒にして集まってきた。
そして私達がこれから登ろうとする階段付近に真っ黒に見えるほど止まり、大合唱。
異様な光景、怖ささえ感じる。
カミさんは気味悪がって、このまま降りようと言う。すでに1530を回っている。
グズグズしていたら日が暮れるかもしれない。
カラス軍団に恐れをなし、そのまま旧道沿いに下山した。函館山は色々な散策コースが整備されている。
春には花も多いそうだ、いつかのんびり再訪したい場所である。
函館山を下山し、近くの谷地頭温泉へ。
公共の温泉らしく、安いが混み合っている。
地元の方が大半のようだ。熱めの鉄分を多く含んだ茶色の湯だ。
かなり塩辛い。地元の方々に負けるかと同じぐらい浸かっていたら、いささかのぼせてきた。
ここのお湯はとても温まりなかなか冷めない、お陰でぐっすり眠ることが出来た。
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