C600m付近から見上げるルチシ山
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ルチシ山
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ルチシ山登山口は襟裳方面からはR-336を追分峠方向へ走り、「上歌別生活館」の標識で左折し神社の前を通り道なりに大きく右に曲がって進むとT字路にでる。
ここを左折し道なりに右に曲がりながら進むと再びT字路(左は通行止め)、ここを右折して道なりに進めば二股となり、正面にチェーンのゲートがある。
ここが実質上の登山口だが標識などはない、駐車場も無いので道路脇に停めさせてもらう。
右手に川の流れを見ながら林道を5分強歩くと、左後へ逆戻りするようにゆるやかに上っていく古い林道がある。
この林道を時折現れる岳樺の大木などを眺めながらのんびり歩くこと約30分、ルチシ山南東尾根のC350m付近に出る。
林道跡をのんびり登っていく
数本の樹の幹に赤テープが巻かれており、ここから尾根に取り付く。
樹林の下草は高さ2〜30cmのミヤコザサ、ゆるやかな傾斜に薄い踏み跡が続いている。C450m位から樹林が薄くなり周囲の景観が開け出した。
真後ろには襟裳岬や百人浜が見え、大景観に気持も大きくなるようだ。
視界が開け始め、大景観を楽しみつつ登る
ルチシ山の北東尾根にはツツジがとても多い。季節にはさぞ見事で美しいことだろう。
緩やかだった尾根はC500m位からグンと斜度を増し、C600mからは更に斜度が急になる。
小さくてもさすがは日高だと思わせる急登だ。
まさに三段ロケット並の急上昇ぶり、思わぬ展開に驚きつつ一歩一歩を踏みしめる。やがて雪が出始め、僅かだが積雪状態になり始めた。
雪が少ない襟裳地方だが、前日の雨が中腹以上では雪に変わっていたようだ。
うっすら雪の急斜面を慎重に登る
大岩を抱いたルチシ山の姿が次第に大きくなってくる。
カミさんは靴にへばりつく雪をストックで払い落としながら慎重に岩混じりの急斜面と格闘だ。
山頂がはっきり見え出した
ルチシ山から稜線続きに無名峰が並び、その向こうに豊似岳がどっしりした山容を見せている。
豊似岳もオキシマップ山も山頂部を白く染め、冬の装いに改めつつあるようだ。
無名峰を挟んで、豊似岳がどっしりした姿を見せている
小ピーク(C620m)に登り着き一息、冬らしい雰囲気と素晴らしい景観に大満足。
温かいお茶とおやつを口にしながら、カミさんも満足そう。
小ピークから襟裳岬を眺め一息
見あげれば山頂はもうすぐだ、遠くからは優しそうな姿なのに近くからは以外に男性的なゴツゴツした姿をしている。
山頂へは後少し
素晴らしいお天気、急登と岩、予想外の雪化粧、初登頂に色を添えてくれるルチシ山だ。
「お疲れ様〜!」最後の岩を乗り越え山頂に足跡を記す。
山頂に到着
ゴツゴツした岩の山頂、雪で滑らないよう注意しながら大景観を満喫する。
やはり近く大きい豊似岳が目を引く。
山頂から延びる稜線と豊似岳(右)
日高主稜線の楽古岳と十勝岳が真っ白な姿を神々しく見せていて、美しい。
楽古岳(右)と十勝岳(中央)など日高主稜線の山々
風は弱いが立ち止まっていると寒い、パーカーを羽織り暖かい飲み物で体を温める。
林檎の冷たさが歯に沁みる。
ルチシ山山頂で
襟裳岬がしっかり見えている。
日高山脈が幅を狭め細くなり、最後は鼠の尻尾のようになって太平洋に沈み込んでいく。
とても印象的な景観だ。
岬の手前には航空自衛隊のレーダーが頼もしく空を睨んでいる。
山頂から見る、襟裳岬
少し休んでいる内に南西の海上に背の低い黒雲が湧き出してきた。
これが掛かってきたらヤバイと早めに下山することに。
洋上に怪しい黒い雲が・・・
下山もC550m付近までは急な下り、おまけに雪で滑る。
更に左側はかなり切れ落ちていて滑ったら少々の怪我では済まない。
声を掛けあって慎重かつ確実に下山する。
慎重に行こうぜ〜!
尾根の斜度が緩んで正直ホッとする。
後はよもやま話をしながら登山口へと戻った。
下山後、久しぶりに襟裳岬へ。
襟裳岬はこの日も強烈な冷たい風が吹き荒れ、寒さに震え僅か数分で退散だ。夜はアポイ山荘で入浴、沸かし湯だけれど大きな湯船で気持良い。
ただ休憩室やロビーが分煙になっておらず煙と臭いが充満していたのには参った。
せっかくの施設なのだから、皆が気持ちよく利用できるよう配慮してもらいたいものだ。明日はハートの型で有名になった豊似湖から観音岳へ、海風の唸るような風音に何度か起こされながら眠りについた。
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