有珠山 (733m)

道央   2012.11.5(月)   晴れ


 

有珠山

 

2012.11.5(月)
登山口 0830
外輪山出合い 0935
外輪山散策 0935〜1100
登山口 1155

有珠山

有珠山はご存知の通り、20〜30年毎に噴火を繰り返している活火山である。
最近では2000年に噴火し洞爺湖畔や西山地区に大きな被害をもたらした。

現在も活発に活動中で小有珠〜大有珠間と火口原には立ち入れないが、ロープウェイ駅から外輪山展望台までの外輪山を訪ねることが出来る。
有珠駅近くから登山道が外輪山展望台へと延びている。

 

 

リベンジ?

活動中の活火山にもかかわらず歩いて登ることが出来ると知った2009年の夏に一度訪れているが、残念ながらその時は霧の覆われほとんど何も見ることが出来なかったのである。
覚えているのは何度か林道を横切ったこと、外輪山には野仏様が置かれ有珠善光寺の奥の院があったこと、アメリカオニアザミが綺麗だったこと、ヤマグワの実を見つけ沢山食べたことぐらい。

リベンジではないが、晴天の一日展望に期待して訪れてみた。
家を朝7時に出ても高速を使えば1時間と少し、朝8時過ぎには登山口だ。
北海道に高速道路など採算無視の無駄遣いと思わぬでもないが、やはり便利なものだ。
途中、伊達のサービスエリアからは今日の大展望を約束するかのような景観が広がっていた。

有珠山
伊達サービスエリアから有珠山(左)、昭和新山(中央)、羊蹄山(右)の景観

 

秋色に染まって

登山口である有珠治山の森から樹林帯に付けられたなだらかな遊歩道を歩き出す。
山栗のイガが沢山落ちている、栗や落葉キノコを探しながら幅広い道をおしゃべりしながらのんびり歩く。
栗より大きいドングリが沢山落ちている、今年はどこでもドングリは大豊作のよう。
熊やリスたちは大助かりだろう。
木々は紅葉の盛りを終え葉の大半を落とし、林の中に日差しが差し込み明るく眩いばかり。
何もかもが黄色に染まった光景が繰り広げられ、あたかも黄色のフィルターを掛けたようだ。
晩秋の気配が辺りを支配している。

落葉の林
黄色のフィルターをかけたように全てが黄色に染まる

分厚く積もった落葉の上を歩くのは気持ちが良いが、足元の小さな窪みや突き出た石が見えないから注意も必要だ。
甘い香りが漂っている、桂の木が発する秋の香りだ。
その他にも何の木からか色々な香りが漂っていて、秋満載・幸せ一杯の時である。

林道を二本横切って登ると視界が開けだし、有珠や虻田の町や海岸線が見え出した。
内浦湾の対岸には道南の駒ケ岳が大きな山容をうっすら霞ませながら姿を見せている。

有珠の町
視界が開け、有珠の町並みや海岸線が見え出した

赤い実をつけた木が目立つ、ガマズミ・オオカメノキ・カンボク・エゾニワトコ・ナナカマド・ノイバラ・ツリバナ・マユミなどなど、同じように見えるが良く見ると、大きさ・実のつき方・色艶などが微妙に違う。
自然の精緻さなのだろう。

 

外輪山 絶景

歩き始めて1時間と少し、外輪山へ飛び出した。
前回は霧で何も見えながったが、今回は噴煙を上げる有珠山が惜しげもなくその全容を見せている。
思わず歓声が上がる迫力だ。

有珠山
有珠山と火口原

まずは西側の外輪山展望台へ。
白く雪化粧した羊蹄山を見たくて、有珠善光寺奥の院へのお参りは後回しにさせていただく。

なんと言う美しさ!
ブルーに輝く洞爺湖、白く雪をまとった羊蹄山。
ニセコ連峰も姿を見せている。

素晴らしい!


羊蹄山と洞爺湖
外輪山展望台からの羊蹄山と洞爺湖。

羊蹄山をUPにしてみよう。

羊蹄山
羊蹄山

ここから見る羊蹄山は左側が少し膨らんだ、ちょっぴりおデブの羊蹄山。
丁度1ヶ月前に登った時は倶知安の半月湖からのコースだったから、左側の稜線を登ったことになる。
あの時、風は冷たかったけれど雪は全く無かった、季節の移り変わりというのは大したものだなと感心してしまう。

記念写真
記念の一枚を

外輪山展望台のベンチに腰を下ろし、温かい飲み物やお菓子を頂きながら素晴らしい大景観を満喫する。
一組のご夫婦が登ってきて、私達と同様に持参した食べ物を楽しみながら歓声を上げて景観に見入っている。
幸せで贅沢な時間が流れている。

 

外輪山 散策

まだ時間はタップリある。
東側の火口原展望台へと散策だ。

下山口を右に分け、ゆるやかに下って行くと伊達方面の展望が開けてきた。
室蘭の鷲別岳が大きく立ちふさがり、その前景に伊達紋別岳や稀府岳の姿が・・・。
伊達から室蘭に延びる海岸線と太平洋が描き出す緩やかな曲線が美しい。

伊達の海岸線
有珠〜伊達〜室蘭へと延びる海岸線

外輪山を東へ歩くと見る角度が違って、小有珠からオガリ山がなかなか立派に凛々しく見えてくる。
広い火口原の半分ぐらいはカラマツ林へ生まれ変わり、自然の回復力の強さを感じさせられる。

小有珠岳
外輪山は大きく、歩くにつれて景観も変わっていく

カラマツの葉が黄色から黄金色に変わっていて、風が吹けば金の雨を降らせながら散っていく様が目に浮かぶ。

有珠山
火口原と有珠山 右の小山にロープウェイ展望台がある

火口原展望台から右手にある小山の頂上に大勢の人が居るのが見える。
ロープウェイで登ってきた人達が利用する展望台だ。
さぞ賑やかだろうが、こちらに来る人は誰も居ない。
カラスの鳴き声だけが響く火口原展望台である。

ここから見る小有珠岳と火口の景観は迫力満点だ。
先日歩いた雌阿寒岳より迫力を感じた。
噴煙などは雌阿寒岳のほうが大量だったように記憶しているが、何のせいなのだろう?
見る位置や見る角度なのもしれない。

有珠山
火口原展望台から小有珠岳と火口原を見る

火口原展望台からの景観に満足し、下山口へと戻る。
外輪山から左手の有珠の町を見下ろすと、ゴルフ場の緑とカラ松林の紅葉が対比して綺麗だった。
こんな景観も今年はこれで見納めだろう。
あと2週間もすれば雪の季節がやってくる。

カラマツ紅葉
カラマツの紅葉のグラデーションが美しい

 

余韻

外輪山からの大景観をもう一度グルリと眺めて下山にかかる。
登り1時間のゆるやかな道だから下りも楽勝だ。

途中、ウバユリの花がらやウメモドキの実を鑑賞したり、グミの実を食べそのエグ味に驚いたりしながら下山する。

ウバユリ
ウバユリの花がら 中に種が一杯詰まっている

下る林は午後の日差しを受け黄金色に輝いて美しい。
まさに秋の最後の輝きを見せているかのようだった。

黄金色
秋の終わりを告げて、黄金色に染まり輝く林

下山後、洞爺湖を回って壮瞥の道の駅でこの数年の恒例になったリンゴのまとめ買い。
シナノスイーツ、レッドゴールド、フジ、コウリンなどを試食を楽しみつつ買い求めた。

 

オジロワシ歌壇

 

・冠雪の羊蹄・ニセコ眼裏に
        夏山絵巻広げつつ望む

・幾筋も白煙あげる有珠山に
        炎吐くごとまゆみ果に会う

 

 

 

 

2009.7の有珠山へ


 

 

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