千歳湖はウトナイ湖に注ぐ美々川の源流の一つで支笏湖からの伏流水が湧き出している小さな湖と言うか沼。
新千歳空港の東・千歳科学技術大学の南東に位置し、千歳市民でも知る人の少ない場所の一つである。
春はミズバショウが群生し、花や山野草も多い隠れた名所でもある。
冬は訪れる人も少なくひっそりと静まり返っている。
湧水が湧き出しているので完全に結氷することはなく、所々水面が見えカモなどの水鳥の姿が見られる。1/28(月)は予報に反して思いの外良いお天気、悪天や歩道がアイスバーンになって歩けない時を除いて私たちは一万歩を目標のウオーキングを日課としている。
この日はいつもと雰囲気を変えて、千歳科学技術大学まで車で行き、千歳湖を訪ね歩くことにした。
科学技術大学実験棟の駐車場に車を停めさせてもらいスノーシューを付けて歩き始める。
おおよその予定ルートは千歳湖を大きく東から南へ回り込み、丘を登って牧場を歩き、林を抜け適当な谷から千歳湖へ降り、湖の周りを適当に歩いて出発点に戻る周回ルート。千歳湖の東側からゆるやかに下りながら南へ回り込むと、千歳湖から美々川に注ぐ流れが結構な水量で流れている。
春はミズバショウが美しい所だ。
水面スレスレに垂れ下がった柳の枝先に付いた氷が面白い形で輝いている。
何とか印象のまま撮影したいと設定を色々変えて試してみた。
枝先に出来た氷の模様が美しかった
私が写真に夢中になっている間、カミさんは湧き水で雪が溶けた辺りでフキノトウを探索。
毎年5月頃美しい花を楽しませてくれるキタコブシが花芽をいっぱい付けて堂々と立っている。
「今年も綺麗な花をたくさん見せてね!」
ここにいると真冬という感じがしない、まさに春近しの情景である。
花も樹形も綺麗なキタコブシ
千歳湖の南側を西へ緩やかに登り牧場地帯に出て行く。
今は一面の雪景色、点々とキタキツネやウサギの足跡が残るばかりの雪原だ。
静かな牧場にはキツネの足跡だけが・・・
一級の寒波が入り込んで日本海側は大雪との報道だが、千歳は風もなく良い天気。
気温も-8℃と比較的暖かい。人気のない雪原をのんびり歩くのは何とも気持ちが良く気分爽快だ。
見慣れた景色だがお天気も良く、気分爽快だ
樽前山と風不死岳が久しぶりにクッキリ姿を現し、恵庭岳から漁岳、空沼岳、札幌岳までズラリと見える豪華さである。
「久しぶりで綺麗ね〜!」とカミさん。
「くそ〜! これなら朝から出かけるのだった!」と口惜しがる私。
樽前山(左)と風不死岳(右) その右に新千歳空港の管制塔が見えている
ひっきりなしに民間機や自衛隊機が飛び立ち、千歳ならではの光景が繰り広げられている。
騒音は確かにうるさいけれど、なかなか絵になる光景ではある。
牧場から北に進路を変え、樹林帯に入り少し登っていく。
越えれば千歳湖が見えるはず、ゆるやかに下っていく谷筋を見つけ入っていく。
下った所は東西に長い千歳湖の西端に近い南岸。ちょうど狙った所に降りられラッキー。湧水の湖は一見して氷が薄く、とても乗る気にはなれない。
所々水面が見え、そこにはカモなどが羽を休めている。千歳湖は市街地に近いのに深山幽谷の風情が感じられ私の好きな場所の一つなのだが、十年ほど前にエプソンの工場が一角に建ちせっかくの雰囲気は台無しになってしまった。
お金第一で環境や景観は頭にないバカ役人が千歳の宝を台無しにしてしまった代表的な事例である。意識してエプソンの建物を見ないように湖を廻っていく。
建物が見えない位置からの千歳湖の全景をどうぞ。
千歳湖全景、正面左の丘から降りてきた
このアングルのほうが奥行きを感じられるかな?
千歳湖の東側には最近訪れた人達が居たのだろう、スノーシューのトレースが薄く残っていた。
私達が物好きなだけなのかと思っていたが、わざわざ訪れる人もいるのだと思うと何だか嬉しくなった。
気持ち良い散策
持ってきたお菓子と温かい飲み物で一休みしながら、千歳湖の風情を楽しむ。
立春を後一週間後に控え、千歳湖は春近しの印象を与えてくれていた。
水面が顔を出し春間近の雰囲気を感じさせる千歳湖
のんびり歩いて約2時間の千歳湖散策、市街地のウオーキングとはやはり一味も二味も違う自然を感じながらの散策であった。
雪が溶け春になったらミズバショウやヒメイチゲなどの花を見に、秋にはウメモドキのツルを貰いに来てみよう。
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散策したルート(正確なトラックではありません)