オロフレ山 (1231m)

道央  2013.3.17(日)  晴れのち風雪、視界悪し

 


 

 

2013.3.17(日)
オロフレトンネルP 0920
C1003mP 1005
羅漢岩 1020
C970mコル 1100
オロフレ山山頂 1225
小岩峰 1300〜1315
羅漢岩 1340
オロフレトンネルP 1430

オロフレ山

オロフレ山は洞爺湖の東、伊達市壮瞥と白老町の間に位置する堂々とした大きな山で、展望と花の山として名を馳せている。
夏はオロフレ峠が登山口、冬は夏道ルート、オロフレトンネル壮瞥側ルート、登別側ルート(登別側C675mから取り付く)、大滝昭園ルートなどがある。

私は花の時期や秋には何度も訪れているが、冬は機会に恵まれなくて今回が初めてである。
冬の羅漢岩を眺めてみたいと思っていたので、オロフレトンネルの壮瞥側から取り付きC1003mPへ、その後は概ね夏道ルート沿いに進むルートを選択した。

3月に入り北海道は不安定な天気で山に行けない日が続いたが、3/17は全道的に晴れマーク。
いそいそとオロフレ山へと向かったのだ。

 

お久しぶり!

朝から素晴らしいお天気で支笏湖の山々も白老三山も徳舜瞥山もスッキリした姿を見せている。
勿論、目ざすオロフレ山も青空を背景に堂々たる姿を見せて招いている。
オロフレ道路は0900〜1700が冬季の開通時間、ゲートに着くと前にシルバーのハイエースが並んでいる、どこかで見たような・・・。
男性が車外に出てきた、やっぱり安平のエバさんだ。お久しぶりとご挨拶そしておしゃべり。

エバさんご夫妻もオロフレ山に登るとのこと、一緒にと誘われたが私は羅漢岩を通りたいので登別側ルートのエバさんとは途中で会いましょうと別ルートで行くことに。

 

木花

オロフレトンネル手前に駐車帯が除雪されていて、そこに車を停め登山準備。
この冬最高のお天気ではないかと思わせる快晴の青空に心弾ませながらトンネル横から浅い谷筋沿いに入り込んでいく。
木々の枝先に霧氷が付き白い花が咲いたようだ。たしか短歌や俳句の世界では「木花」と呼んでいたような・・・。

木花
青空に白い木花が映えて美しい。

日差しを受けて眩いばかりの雪原と透き通るような青空、そして青空を背景にした白い木花、夢の世界に誘い込まれたようだ。

C1003mPまで登ると一挙に視界がひらける。
振り返るとトンネルに通じる道路が見え、その向こうには洞爺湖と有珠山が。
雪をまとった有珠山は凛々しい姿を見せ、惚れ直してしまうほどだ。

洞爺湖
C1003mPからの有珠山と洞爺湖

 

そして目ざすオロフレ山は、春の陽光を受けて白く輝き神々しい。

オロフレ山
オロフレ山

 

これから辿る羅漢岩や稜線上の小岩峰も雪を頂いた白い姿のほうが鋭く凛々しく見える。

小岩峰
C1003mPからの羅漢岩(右)と小岩峰(中央左)

 

迫り来る!

純白の雪面を汚してしまうようで忸怩たる思いを感じつつ気持の良い稜線を進むと、今回の山行で一番見たかった羅漢岩に差し掛かった。
すごい迫力! 足が竦んでしまうほど、一見の価値ありだ。

羅漢岩
冬の羅漢岩は一際厳しく凛々しい表情

 

岩稜から落ちる雪の襞が羅漢岩の鋭さを強調している。
雪庇が大きく張り出しているので近寄らないよう崖のような斜面を降りていく。
一歩降りる毎に表情を変える岩稜に目は釘付けだ。

羅漢岩
見上げる羅漢岩

 

羅漢岩の頂上岩稜はゴツゴツしていてちょっぴり不思議な表情をしていた。

羅漢岩

 

見てみたいと思っていた雪を纏った羅漢岩は、予想したとおりすごい迫力で私の心を抉り取った。
衝撃でしばらく動けない、そんな冬の羅漢岩だった。

 

快適! だけど・・・。

羅漢岩からは概ね稜線通しでC970mコルへ。
お天気は素晴らしいしルートも明瞭、ルンルン気分の上機嫌。
だけど風が強いのが気にかかる。
気温は高いようなのだが、南西の風が強く肌を刺すようで思わずフェイスマスクを引き上げる。

初夏にはイワヒゲが沢山咲く小岩峰にやってきた。
岩の天辺には帰りに立ち寄るとして、右側を低めに巻く。

小岩峰
小岩峰(左)とオロフレ山

 

オロフレ山の右側遠くには樽前山・風不死岳も見えている。
山頂からは素晴らしい景観が待っていてくれるはず、想像しただけで期待が高まる。

オロフレ山
オロフレ山と1060mP

 

小岩峰の近くには、更に小さな岩だけど印象的な形のものがありしばらく見入ってしまった。

岩
印象的な形の岩も点在している

 

C970mコルから振り返ると登別側からスキーで登ってくるエバさん夫婦とすぐ後ろを登ってくる7人のグループの姿が目に入る。
まもなく始まるオロフレ山南稜の急斜面、彼らを待って一緒に行こうかとも考えたがズルをしたと思われても・・・、一足先に進むことにする。

コルから
C970mコルは近い

 

暗転

コルからC1060mPの中腹を巻いて1050m地点に出ると一段と風が強く寒い、顔がこわばる。
急斜面の途中では難儀すると、ここでパーカーを着こむ。
ここからアイゼンに履き替えるつもりだったが、雪は凍っておらず柔らかい。
アイゼンではかえって潜ってしまうのではと考え、スノーシューのままで登ることにした。

オロフレ山
C1050mからオロフレ山を見上げる

直登の急斜面に取り付く、雪が柔らかく結構なラッセルだ。
硬い所は楽々だけど、急斜面で膝まで潜ると一気に足が上がらない。
一旦膝で押さえつけ足場を作りながら一歩一歩である。

所々笹が埋まりきっておらず、ズボ〜と落ちる。
思わず後ろを見るが、頼みの後続パーティは追いついてきてくれない。
ここはじっと我慢、辛抱のしどころだ。

そうこうしていて気付くと先程まで青く快晴だった空がねずみ色に変わり見通しも悪くなっている。
一体どうしたんだ?
天気の急変、しかも凄まじい速さで悪化している。

風は相変わらず強い、雪は大したことないが雲中に入り視界が急速に閉ざされ始めた。
急斜面にスノーシューを蹴りこみ、一つづつ足場を作り登っていく。
5歩に1度はずり落ちる。そしてやり直し、その繰り返し。

そして気づく度に視界は閉ざされ、100mに次いで50m・30mに・・・。
急な斜面を登り切ってすっかり斜度は落ちた。
もう山頂はすぐそこだ。
視界は更に悪くなる。

2・3mしか無い。
一瞬だったがホワイトアウトしたようなフワフワした感覚に陥って倒れかかり思わず片手片膝をついてしまった。
これはヤバイ!

もうすぐそこが山頂だが、行っても同じ。
止めよう。その場でUターン。

閉ざされた視界の中で出来る限り周囲を見、平衡感覚を正常に保つ。
慎重の上にも慎重に降りる。

岩場付近で後続のグループに出会う。
山頂寸前で危ないと感じ引き返してきたことを伝え、別れる。

 

GPS頼り!

コル付近まで降りてくると視界も少し回復し安心する。
小岩峰付近の風を避けられる所でザックを下ろし温かいものを飲み、お腹を満たす。

帰路の稜線は所々トレースが残っているものの、大半は吹き飛ばされ視界も悪いので地形判断が難しい。
それでも小岩峰の天辺に反対側から立ち寄り、羅漢岩付近を慎重にやり過ごした。

それで気が緩んだのかもしれない、ちょっと変だなと感じGPSをC'Kするとルートを左に降りている。
このままではオロフレ展望台へ降りてしまう、慌てて方向修正。事なきを得た。

C1003mPからは私が登っている間の新しいスキーのトレースがあり、道路が見えた時は心からホッとした。

 

教訓

思えば秋にカミさんとオロフレ山に登った時、山頂では良いお天気で大展望を満喫したのだが、下山途中に天候が急変し私達の後続の人達を含め逃げ帰った記憶がある。

オロフレ山は地形的なものか、天気が急変する山と思っていたほうが良いようだ。

それにしてもあまりの素晴らしいお天気に、山頂や帰り道でと写真を撮らず登ってしまったのが惜しい。
綺麗だ素敵だと感じた時は面倒がらずカメラを取り出さなくては。後悔するな〜。

 

GPSトラック


帰路ではGPSが心強かった。
山頂直前で危険と感じUターンしたが、思った通りほぼ山頂だった。

 

 

 

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