漁岳 (1317m)

道央   2013.4.5(金)   晴れ


 

漁岳

 

2013.4.5(金)
オコタン分岐P 0715
尾根取り付き 0815
C900m稜線 0845
C1160mコル 0950
漁岳山頂 1030〜1110
林道出合 1225
オコタン分岐P 1320

リベンジ

漁岳には今年1月11日に行ったのだが、強風・地吹雪・低温と予想以上の厳しい気象に見まわれC1150mであえなく撤退、這々の体で逃げ帰っていた。
4月5日は穏やかに晴れ、春山を楽しむには絶好の日となった。
恵庭岳か徳舜瞥山に行こうかと思っていたのだが、急に漁岳が頭に浮かび、1月のリベンジだと訪れた。

4月に入り温かい日が続き支笏湖へ通じる道路には雪はなく走り易い。
支笏湖畔から山々を見渡しても冬の凛とした厳しさはなくなり優しそうな表情が感じられる。

オコタン分岐にある駐車帯に車を停め準備を整え出発だ。

 

ザラメ

オコタン分岐から漁川林道へと降りていく。ザラメ雪に変わり気温が低い朝のせいか堅雪だ。
林道手前の湿地は雪が溶け水面が顔を出し、まさに春の表情だ。

春
雪も溶け優しげな春の表情だ

 

漁川林道もザラメの堅雪で沢山のトレースで踏み固められ、ツボ足で全く問題ない。
風もなく青空が気持ち良い、羽織っていたフリースはすぐに暑くなって脱ぐ。
尾根への取り付き点には前回と同様、小1時間で着いた。

1月の時はトレースは全くなくルートファインディングしながらだったけれど、この時期はしっかりしたトレースが付いていて国道並だ。
林の中をのんびり歩く、岳樺などの木々はすっかり雪を落とし見事な枝振りを誇示しつつ冬芽を大きく膨らませている。
やがてオコタンペ山から通じる稜線へ飛び出す。

恵庭岳が勇姿を現しまだ白いオコタンペ湖が目を引くが、いずれも冬の厳しい表情ではない。

 


恵庭岳と白く凍ったままのオコタンペ湖、奥は支笏湖の一部

 

春を満喫

稜線上も雪はザラメで堅雪だ、尾根取り付き地点からスノーシューを履いたけれどツボ足でもさして支障はないだろう。
さすがに風は冷たいが春の陽光を燦々と浴びて気持よく、周囲の景観もやや霞んでいて春独特の優しさだ。

1月の時に撤退を決めたC1150m付近、あの時の厳しさを微塵も感じさせない優しげな表情だ。

春の日差し
日向ぼっこでもしたくなる暖かさ

C1175mPを左から巻き、漁岳とのコルへ出る。
久しぶりに見る漁岳の大斜面、昨日のものかトレースやシュプールが何本も付いている斜面が輝いている。

漁岳
漁岳の大斜面

厳冬期であればコルでアイゼンに履き替えるのが通常であるが、スノーシューの歯で雪面をしっかり捉えられるので、そのまま山頂への大斜面に取り付いて行く。
いつも通り山頂の少し右側へ登るルートを取る。
以前なら一息に登った斜面だが、今はいささかキツく途中で一息入れての登りである。

山頂のやや右、北側に出ると北漁岳からスキーのトレースが続いているのが見える。
空沼岳から縦走してきた人のものだろう。
南に行けば、久しぶりの漁岳山頂。今日の一番乗りだ。

漁岳
久しぶりの漁岳山頂

 

春望

立ち止まると流石に風が冷たい。
パーカーを着込み、熱いコーヒーで喉を潤し、漁岳山頂から春の展望を堪能する。
春霞で遠くはハッキリしないが、札幌周辺や羊蹄・ルスツ方面の山々はしっかり確認できる。
先日楽しんだオロフレ山も徳舜瞥山・ホロホロ山と並んで勇姿を見せている。

微かに鈴の音が聞こえる。
コル付近に数人の人影、これから大斜面を登ろうとしている。

山頂からはやはり距離的に近い恵庭岳が目を引くが、私はここからの姿より丹鳴岳やイチャンコッペ山からの姿のほうが好きだ。
晴れているのだが日差しが弱いのか、支笏湖の湖水の色が冴えないのが残念だ。
オコタンペ湖だけが真っ白で例年より氷が厚いのだろうか?

恵庭岳
山頂から恵庭岳・風不死岳・樽前山の眺め

 

恵庭岳の東側には紋別岳とイチャンコッペ山、漁岳と恵庭岳を結ぶ稜線上にオコタンペ山が横たわっている。
近いのに春霞でぼんやりしているのが残念である。

恵庭岳
恵庭岳の東側

 

漁岳から稜線続きの西側には小漁山のどっしりした姿が、実は登りながら余力があれば小漁山を経由してオコタンペ湖と歩き、周回しようと密かに考えていた。
10年近く前に歩いた周回コース、でも今回は体がいうことを聞いてくれない。
漁岳だけで疲れもう十分の感じなのだ、とても小漁山へ足を踏み出す気力が湧かない。
寂しいな〜!

こ漁山
堂々とした小漁山

 

西側遠くには羊蹄山、その奥のニセコ連峰は霞んでしまっている。

羊蹄山
羊蹄山と尻別岳

 

南西方向には徳舜瞥山とホロホロ山、そして先日訪れたオロフレ山が真っ白な姿で横たわっている。

徳舜瞥山
徳舜瞥山とホロホロ山(中央左)、その奥にオロフレ山(中央左)

 

北西方向には無意根三山が優雅な姿を見せ、山並みはそのまま札幌周辺の山へと続いている。

無意根山
無意根三山(中央左)と余市岳

 

漁岳からの景観を満喫し、風を避けられる小さな窪地に入り菓子パンとコーヒーでお腹を満たす。
夕張や日高の山並みが見えないのが残念だが春の気候の特徴でもあるから仕方ない、千歳や恵庭の町もぼんやりしている。

そうこうしている内に登山者の姿が、スキーをザックに取り付けツボ足で登ってくる人、アイゼンで登ってくる人、スキーで登ってくる人、次々にやってくる。
皆さん、登頂できて嬉しそう。夫々に挨拶を交わす。

山頂を彼らに譲り、下山にかかる。

 

尻滑り

下山の最大の楽しみは大斜面の尻滑りだ。
山頂から飛び込むように滑ると勢いがついて怖いぐらい、斜面はやや左を向いているので中間付近まで滑り右側へ移動、もう一本尻滑りを楽しむと斜面の下まで降りてくる。
最高の気分、それに楽ちんだ。

コルでパーカーを脱ぎ、一路往路を引き返す。
山頂からはあまり目立たなかったオコタンペ山の姿がはっきりしてきた。


恵庭岳の手前左側にオコタンペ山の姿がはっきりしてきた。

林の中をのんびり戻り、林道へ。
林道の雪が春の陽気で緩み、少し潜る。
モタモタしているとスキーの人達が私を追い抜いていく、気持ちよさそうだ。

1月のリベンジかなった今回の漁岳、無事戻ってきたけれど体力気力の衰えを実感しながらの登山でもあった。
もう無理は禁物、頭で思っている半分の計画でちょうど良いのかもしれない。
体力に応じた山歩きを長く続けることを目標にしていく歳なのだと強く思った。

 

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