新緑の滝めぐり

道央   2013.5.27(月)   晴れ

 


 

鱒見の滝

 

エピローグ

5月の下旬にもなって、やっと春を感じた今年の北国。

ここ何年か、観測史上初の豪雨とか低温とか突風とかが恒例のように報道され、何が異常で何が異常でないのか分からないぐらいの天候続きだ。
やはり天候ぐらいは異常ではなく、平年並みというか慣れ親しんだ平穏な環境であって欲しい。

やっと春らしくなり桜も梅もキタコブシも満開となった晴れの一日、カミさんと滝野すずらん丘陵公園を歩いてみようと出かけてみた。
渓流ゾーンにある幾つかの滝を眺め、カントリーガーデンにある高山植物の咲く「花人の隠れ家」などを見るのが主目的である。

滝野すずらん丘陵公園は朝9時開園、鱒見の滝の駐車場に車を止める。
この日駐車場は無料、ラッキー。

 

鱒見の滝

まず訪れる鱒見の滝は駐車場から遊歩道を700mほど南に行ったところにある。
さすが国立の公園だけあって目立たない場所でもしっかり整備の手が入っていて気持ちが良い。

新緑に染め上げられた渓流沿い、さくらの花びらが道をピンクに染めている。
やがて激しい水音が聞こえ始めた。

朝の斜めから差し込む光を受け、約20mの落差を流れ落ちる豊かな水が白く輝いていた。
息を呑む美しさである。
鱒見の滝という名は、遡ってきた鱒が余りの高さに思わず見上げたことから付けられたそうだ。

鱒見の滝
優雅にそして豪快に流れ落ちる鱒見の滝 (落差18m)

 

平日の午前中でもあり、私たちの他に訪れる人もいない。

ゆっくり滝を眺め、カミさんは滝の周りで花探し、私は三脚を立てじっくり写真撮影だ。
流れ落ちる水の表情をスローシャッターで狙ってみた。

鱒見の滝
角度を変えて正面から

 

この滝に滝壺は無いが、落ちる水が水面や岩角に激しくぶつかり飛び散る様はまさに千姿万態、その表情が面白く視点を変えて撮ってみた。

1枚目は水の流れを主題に動きを表現したくて、ややスローシャッターで切り取った。

落ち口
遅いシャッタースピードで水の流れと動きを・・・

 

2枚目は動きを止めることによって、その瞬間の水の表情をハイスピードで切り取った。

落ち口
早いシャッタースピードで動きを止めてみると・・・

 

渓流ゾーンの花達

鱒見の滝から駐車場へ戻り、厚別川と国道に並行している公園の渓流ゾーンを歩く。
自然に配慮した花壇らしくない花園がさり気なく作られ、働く人たちの優しさが伝わってくるようだ。

可愛いカタバミがいくつも咲いていた。


ハート型の葉が可愛い カタバミの花

 

ヒトリシズカもちょうど見頃、この花は言葉通り1本か2本咲いていると可憐だが、群生して咲いているとウザウザしくてイメージが崩れてしまう感じがする。
私には薄暗い木陰にひっそり咲くイメージなのだ。


ヒトリシズカ

 

大雨の時は水が流れるのだろう枯れた沢地形にはエゾノリュウキンカが黄色い花で存在感を見せている。
毎年この花の黄色を見ると、雪渓を登りたくなるから不思議だ。

リュウキンカ
エゾノリュウキンカ

 

ニリンソウやシラネアオイも満開で美しい。
シラネアオイの群生を見に今年は伊達紋別岳に行こうかと思っていたけれど、ここで十分かな?

シラネアオイ
群れ咲くシラネアオイ

 

アシリベツの滝

渓流ゾーンの遊歩道を鱒見の滝から約2km、木々の織りなす新緑のグラデーションに気持を癒されつつ歩くと、アシリベツの滝である。

これまで何度か訪れているが、近くまで行けないためかさほど印象は強くなかった。
でも雪解け水を集めたこの時期は水量も豊かで迫力満点、「日本の滝100選」だけのことはある。


落差25m アシリベツの滝

滝の上部は複雑な岩組を流れる水が描く模様が美しく、下部は空中に舞う滝水が放物線を描いている。

下部の岩肌は抉られオーバーハングしていて、滝に近づければ裏に回り込めそうだが立入禁止では如何ともし難い。


激しく舞い散る滝水の躍動感

 

不老の滝・白帆の滝

アシリベツの滝から少し戻った所に釣り堀やバーベキュー施設などがある、そこから少し南に行くと「不老の滝」。

残念ながらこの滝も近寄れないので、あまり迫力を感じない。
だが石組みのように組まれた岩を流れ落ちる景観は、水量の多いこの時期はなかなか美しい。

不動の滝
落差10m  不老の滝

 

さらに戻り、公園の中央口へ向かう途中に「白帆の滝」がある。
この滝もやや遠くからしか眺められないが、やや三角の白帆のように見えなくはない。

白帆の滝
落差15m 白帆の滝

 

これで滝野すずらん丘陵公園の渓流ゾーンにある滝は全て見たことになる。
やはり朝の光を浴び、近寄ることの出来た「鱒見の滝」が一番印象強かった。

光線が真上からや正面からだと印象が平板になってしまうのだろう。
滝を眺めるにも時と場所は大切なのだと再認識だ。

 

新緑

周囲の新緑のグラデーションに癒されつつ、公園の中央口へ。
ここからは有料エリア、覗いてみると広がる花壇のチューリップはまだほとんどが蕾。
私達のお目当てである「花人の隠れ家」の状況を係員に尋ねると、咲いている花は家の周囲でも見られるものばかりで楽しみにしていた山の花は当分先とのこと。

仕方なく樹間のベンチでお昼ごはん、再び渓流ゾーンの花達を楽しんで帰路についた。

新緑
目にも易しい 緑のグラデーション

 

 

 

 

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