美笛の滝
美笛の滝は支笏湖の西側、美笛峠の台地から流れ落ちる落差50m以上の階段状岩肌を白糸のように水が流れ落ちる趣のある滝。
春のエゾヤマザクラや夏の深緑、秋の紅葉、冬の青氷と季節ごとの風情が楽しめる。美笛の滝に行くには美笛峠の坂にさしかかると右手に小さな案内看板が出ている。
しばらく行くと二股になり、左は旧美笛鉱山の事務所、右へ行きモンルウン美笛川の橋を渡ると駐車スペースがある。8月後半から愚図ついたお天気が続いていたが、この日は久しぶりの青空が昼前から広がった。
近場で楽しもうと、丁度遊びに来ていた次女を誘い美笛の滝を訪れた。
旧美笛鉱山近くの入り口から歩き出す。
時期だけに花はヨツバヒヨドリ、サラシナショウマ、トリカブトが見られるぐらいで少々さびしい。美笛の滝から流れる川を渡って山道に入る。
陽射しを浴びて明るい川の表情
長雨のせいで、道には小沢から溢れた沢水が流れ、まるで川のよう。
長靴で来たから良いようなものの、普通の靴だったら諦めて戻らざるを得ない状況だ。滑る道に注意しながら歩くこと約15分、水の落ちる轟音が辺りを圧し始めた。
木々の間から垣間見える美笛の滝は今まで見たこともないような水量だ。滝の基部に着いた。
美笛の滝には何回も訪れているが、見たこともないほどの水量。物凄い迫力だ。
思わず歓声が上がる。
滝の飛沫を浴びつつ・・・
普段の水量はさして多くなく、滑滝のように岩盤を美しく流れ落ち滝水を浴びつつ水遊びができるほどなのだが、今日はとんでもない状況だ。
下手に水に入れば流されてしまいそうな勢い。
水しぶきが霧雨のように辺りに降り注いでいる。
圧倒的な水量で流れ落ちる美笛の滝 怖いほどだ
ちなみに通常の水量の時の姿と比較してみよう。
その違いは歴然としていると思う。
通常の水量の美笛の滝
こんな迫力ある美笛の滝は滅多に見られない。
一緒に来た次女もいささか興奮気味だ。
降り注ぐ滝水に濡れながら
カメラを向けると瞬く間にレンズが濡れ、曇ってしまう。
水煙が巻き上がり雨のように降ってくるので、ピントがあっているのか外れているのか分からない。
水煙を巻き上げながら豪快に流れる美笛の滝
三段の滝が水量が多過ぎて一段の滝のように連なって見える。
堪らず少し離れて水しぶきを避けられる場所を探す。
レンズを拭いて、撮り直しだ
滝の落ち口からは水が噴水のように噴き出している。
長雨の結果とはいえ、自然の凄さ・厳しさを垣間見る思いだ。
50m上の滝の落ち口 噴水のように噴き出している
あまりの迫力・凄さに、カミさんや次女の笑顔もこわばり気味だ。
大丈夫だよ。もっと笑顔で・・・
大迫力の美笛の滝を堪能し、ぬかるみ川と化した道を慎重に下って車に戻った時は、なにかホッとした気分に襲われた。
トリカブト
帰路の途中で樽前山麓にある丸山遠見に立ち寄った。
広がる大森林の中に出臍のように盛り上がった標高333mの丸山遠見。
かつては森林火災の火の見櫓であった遠見も今は観光地だ。櫓に登って妨げるもののない大展望を楽しむ。
丸山遠見の櫓から
西側には樽前山と風不死岳、932m峰(ペウレ峰)が良く見えている。
樽前山(左)と風不死岳(右)
反対側の東は千歳や恵庭の町並みが遠くに見える。
千歳の市街地が遠望される
そして南には苫小牧の町並みが一望される。
苫小牧市街
そして北側には紋別岳やモラップ山が。
紋別岳とモラップ山
長雨の切れ間に訪れた美笛の滝は、何時もとは違う大水量の迫力満点の姿を見せてくれた。
慣れ親しんだ風景も度々訪れれば、思わぬ違った表情を見せてくれる。
だから、何度でも訪れたくなるのだな〜!