紋別岳より樽前山と風不死岳を望む
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2014年初山
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山は昨年10月に日高の楽古岳に登ってから約3ヶ月ぶりである。
3ヶ月も山に行かないのは私には珍しいこと、11月に熊野古道を歩き次いで四国に遊び、12月は家でブラブラ過ごしてしまった。ウォーキングは続けていたが体力は確実に落ちているような気がする。
初心に帰って一からやり直すつもりで今年の山歩きを始めたい。と言うことで、初山は初心者用の紋別岳だ。
のんびりゆっくり、自分を確かめるつもりで訪れた。
冬場に何時も感じるのだが、支笏湖へ行くと不思議で何故だと思うことがある。
支笏湖は標高約260m、千歳市街地より200m以上高いところにある。
そして山に囲まれた湖だ。
常識的に考えれば、気温は市街地より低くて当たり前と思うのだが、実際は5度ぐらい高いのだ。この日も千歳市街地は−16℃、郊外は−19℃だったのに、支笏湖畔や紋別岳登山口では−10℃だった。
これは樽前山登山口や風不死岳登山口でも同様で、地形的なものなのかよく分からないが私にとっては支笏湖七不思議の一つなのである。
支笏湖までの道でも思っていたのだが、登山口で感じたのは雪が少ないこと。
15cmあるかないか、例年と比べてはるかに少ない。
岩見沢市などが大雪で苦しめられているのに申し訳ないほどで、ツボ足で何ら問題ない。雪が降らないので何日も前からのトレースが踏み固められてしっかり残っている。
歩き始めて10分ぐらいで別れる送電線ルートにもしっかりしたトレースが付いていた、今日の私は初心者だと管理道路ルートを選択する。雪も少なく見どころの無い道を淡々と進んでいと、残っているウメモドキの実に小鳥が群れている。
シジュウカラなどの群れに混じって胸の紅色が印象的な黒とグレーの鳥が目立つ。
ウソのつがいである。
近づくと他の鳥達は逃げてしまうのに、ウソの夫婦は平気で実をついばんでいる。
とても綺麗で可愛い。紋別岳で見るのは初めてではなかったかな?
お天気は安定した晴天が予報されていたが、めまぐるしく変化し戸惑う。
気持ちの良い日差しと青空が覗いたかと思えば、重く沈んた空気に覆われたような気配、夕暮れを思わせる薄暗さなどが入れ代わり立ち代わりやってくる。明るい日差しの時に写真を撮ろうと思うが、日差しがある時は構図が決まらず、良い表情を見つければ光が足りない。なかなか思うようにはならないものだ。
C600m付近から紋別岳を見上げる
日差しを受けて支笏湖ブルーに輝く支笏湖と風不死岳・樽前山の景観も楽しみにしていたのだが、雲が多く湖面はグレーに沈んでいる。
時折雪もちらつきだし、大展望も望み薄。
今日は雪山に体を慣らすだけで仕方ないと諦めの境地だ。8合目付近で送電線ルートと合流、その後は送電線ルートで山頂へ。
例年深い時には太ももまである送電線ルートの雪も精々脛ぐらいで楽勝だ。
この日の山頂までの所要時間は1時間45分。
雪が少ない分だけスムースだった。山頂も雪は2・30cm位で極めて少ない。
山頂のアンテナも夏と変わらぬ姿である。たっぷりの日差しが得られるまで、熱いコーヒーや菓子パンを口にしながらしばし休憩。
小雪が舞っているが寒さは然程ではない。
日差しが溢れると、小雪がキラキラ輝き舞ってダイヤモンドダストのようでなかなか綺麗。
紋別岳山頂から東の千歳方向を見る
樽前山・風不死岳が姿を現したが、雲が多く支笏湖の湖面はブルーになってくれなかった。
山頂から支笏湖と樽前山・風不死岳
真下には湖畔地区の町並みがひっそり佇んでいる。
帰路はシリセツナイ山に立ち寄って湖畔の集落へ降りようかなと思い立った。
遠くにはやや霞ながら苫小牧の市街地と太平洋が見えていた。
湖畔の集落を見下ろす、集落の左手の山がシリセツナイ山。
天気はその後もめまぐるしく変わり、恵庭岳や漁岳はほとんど姿を見ることさえ出来なかった。
一瞬の晴れ間、姿を見せた恵庭岳と漁岳(右)
冬にしては珍しく小1時間も山頂で寛いた。
さて下山である。同じ管理道路を下るのはさすがに面白く無い。
山頂直下から急斜面を一気に降ろうと考えた。
急斜面に出る前、見納めに恵庭岳をもう一枚アングルを変えて・・・。
岳樺と恵庭岳
雪崩防止策が幾つも設けられた急斜面、念のため雪面の弱層をC'K。大丈夫だ。
管理道路のC700m地点を目指して一直線のラインを描く。
尻滑りボードを持ってくればよかったと思うほど良い斜面だ。
飛び込むような感覚で一気に降りる
急斜面からは風不死岳の表情が素晴らしい。
湖面に光が降り注ぐのを待ってシャッターを切る。
凛々しく華やかな表情の風不死岳と樽前山
その直後に雲で光が閉ざされると、華やかな表情は一変し冷たいいつもの冬の姿へと戻る。
光が陰ると華やかさは消える
寄り道しようと思っていたシリセツナイ山、取り付き地点付近へ来ると再び雪が舞い始めた。
急にテンションが下がって、今回はパス。
そのまま登山口へ戻ったら、まだお昼すぎであった。
2014年の初山は、お天気に振り回された一日だった。
華やかな晴れがましい表情あり、暗く淀んだ表情あり、陰湿な雰囲気も、穏やかな気配も味わうことが出来た。今年もいろいろな場面、表情に出会うことだろう。
その時々を大切に味わいながら今年も自然から力をもらい元気に過ごせたらと思う。