ホロホロ山 (1322m)

道央・大滝  2014.4.25(金)  晴れ・春がすみ


 

白老岳
南白老岳(左)と白老岳(右) 下にはホロホロ峠の防雪シェルターが

 

2014.4.25(金)
ホロホロ峠 0715
C820m 0750
C1050m 0840
ホロホロ山 肩  0925〜45
ホロホロ峠 1050

リハビリ山行

交通事故による怪我も大分回復し、医者からも無理の無い範囲という条件付きで運動の許可も出た。

自宅周辺で散歩など下半身の筋力維持を図りながら、美しい春山の姿を目にする度に歯ぎしりしてきた鬱積した気分をようやく払しょくすることが出来るのだ。

でもまだまだ当分はリハビリ山行。
無理せず体を慣らし、2Kgも増えてしまった体重を落としながら体調を整えていきたい。

 

ホロホロ峠ルート

リハビリの第一弾として選んだのは、ホロホロ峠からのホロホロ山。
私がこのルートを歩くのは2回目、道道「白老・大滝」線のホロホロ峠からホロホロ山北尾根を辿るルートである。

積雪期のホロホロ山登山ルートのメインである大滝の工芸館から登る北西尾根ルートの出発点が標高450mであるのに対しホロホロ峠は標高610m。
斜度も大滝ルートと同じぐらいの大きく明瞭な尾根で、道道「白老・大滝」線の除雪が終わり冬の通行止めが解除される4月後半から利用されるルートである。

キツイ斜度の部分もなく、比較的短時間で歩け、岩を攀じるような所もない。
リハビリ山行としては最適だと考えたのだ。

 

ゆったり

道道「白老・大滝」線を峠に向かって走って行くと次第に白老三山が大きくなってくる。
南白老岳の鋭い三角錐を思わせる姿に惹かれるが、南陵にはハイマツの緑が出ていて雪を繋いで登ることは時期的に無理なようだ。

ホロホロ峠の駐車場に車を停め、準備体操をしてから久しぶりにザックを背負う。
まずは北尾根に合流すべく支尾根を登っていく、かなりの人達が訪れているのだろうスノーシューやツボ足のトレースが溶けかかりながら残っている。

点々と付けられているピンクテープを確認しながら歩いて行くと、このルートの中で最大斜度の斜面。
と言っても僅かな距離で、一回ジグを切れば乗り越えられる。
乗り越えたC820m地点から振り返ると白老岳の姿が格好良い。

白老岳
C820m地点から見る白老岳

 

歩く北尾根は幅広くダケカンバやエゾマツの樹林帯で見通しが無いため、位置確認が不安になるが着実に高度を稼いでいけば標高1000m付近から視界が開け始め位置も容易に確認できるようになる。

 

 

春がすみ

天気予報通り良く晴れて頭上は真っ青な青空なのだが、視線を下げていくと青空に白が混ざりだし水平線付近ではボヤ〜としている。

かすみと言えば春の代名詞、それはそうなのだけど楽しみにしている景観が白く霞んで見えないのだ。
まさに過ぎたるは及ばざるが如しなのである。

山からの大景観を眺める楽しみを奪われると、ガッカリそしてテンションは急降下。
足取りが重くなってきたのは疲れてきたからなのか、それとも気が滅入ってきたからなのか?

厳冬期には真っ白な大雪原となるホロホロ山の北側斜面、何時もは羊蹄山からニセコ、無意根山、札幌周辺の山々、支笏湖周辺の山々の勇姿に感動し元気をもらう所なのだが、今日は見回しても何処も薄らボンヤリ幽霊みたいな景観が浮かんでいる。

恵庭岳
ホロホロ山から白老三山(手前)と恵庭岳(右)などを望む

 

PLフィルターの効果を最大にし現像時にコントラストを強くして、実際に感じたイメージより鮮明にしたのが上の写真なのである。

ハイマツやダケカンバが頭を出し始めている雪原を更に登ると、羊蹄山が尻別山を抱きかかえているようにみえる地点に、優しく抱きとめている感じが春がすみによって強調されていてよい感じだ。

羊蹄山
羊蹄山と尻別山 春がすみによって優しい感じが出たかな?

 

 

通せんぼ

間もなく目指すホロホロ山の山頂と肩との稜線が目に飛び込んできた。
雪に覆われているとは言え、厳しい厳冬期の表情とは全く異なる春山独特の姿である。

ホロホロ山
ホロホロ山山頂(左)と肩から続く山頂稜線

 

C1280mの肩直下で幅約30mのハイマツ帯が通せんぼをしている。
何時もなら何の事ない背の低いハイマツ帯だが、リハビリの今はバランスを崩して転んだりしたくない。
大きく右へ迂回すれば通過できそうな気もするが、どうせ視界は効かないのだ。

ハイマツ
ハイマツ帯が通せんぼ

視界不良で下がっていたテンションは音を立てて奈落の底へ一直線。
「今日はもういいや!」

時間はまだ午前10時前、ハイマツの陰で風を避けお昼ごはんを半分頂く。
何時もだったら胃の腑へ吸い込まれるように落ちていくオニギリが、何時までたっても手のひらに。
気分によって何もかもこんなに違ってくるのか? と思うほどだ。

逆に言えば、気持ちの持ちようが如何に大切なのかが良く判る。

 

 

どうする気 (木)?

晴れていれば良く見えるはずの太平洋も白く霞んで判別できない。
仕方なくホロホロ山やすぐ南側のC1260mPなどをボンヤリ眺めながらコーヒーを飲んで引き返すことに。

少ししか時間は経っていないのに視界はますます悪くなっているようで、恵庭岳がほとんど見えなくなってきた。
風は西風で結構あるのに何が原因なのだろう?
春の大きな高気圧に覆われて南西から暖かい空気が吹き込んできているはず。
もしかしたらダーティな薄汚い空気が遠く運ばれてきたのかも・・・。

恵庭岳
恵庭岳がほとんど見えなくなってきた。

 

間もなく樹林帯へ入り、幅広い尾根で位置を見失わないよう注意しながら下降する。
ときおり変に曲がりくねったダケカンバや立ち枯れて風雪や虫・鳥によって幹をむき出しにされ無数の穴を開けられたエゾマツなどを観察しながらだ。

ふと、太いダケカンバの幹からエゾマツが立派に成長しているのを見つけた。
幼木とは言えない太さ15cm、高さ3mほどもあるエゾマツだ。
小さなものは幾つか見たことはあるが、こんなに大きく育ったのは珍しいのではないだろうか。

ダケカンバ
ダケカンバの巨木にエゾマツが立派に育っていた

 

果たしてこの親子のような木はどうなるのか?

今は親のダケカンバから養分・水分をもらっているのだろうが、自活していくのは可能なのか?
ダケカンバの幹を貫き根を何本か出しているけれど、地表まで3m近くもある。
親が枯れるまでに自分で養分などを補給できるようになるのかどうか。

親が死んだら一緒に死ぬのか、それとも自活できるまでに成長し、自分の根で親を支えて共に立ち続けるのか。

ともあれ色々なことを考えさせてくれた、どうする気(木)なのでした。

 

花の季節までに

度の過ぎた春がすみで大景観も楽しめず、山頂も踏めなかった今回のホロホロ山。
残念だったけれどリハビリ山行としては、数時間の山歩きも出来たし、転んで再び胸部を痛めることもなく大成功だったと思う。

これからしばらくは無理の無い山行を重ね、山の花が楽しめる6月ごろの完全復帰を目指してリハビリに力を注いでいきたい。

今年も大雪や日高を始めとする山々をなんとしても楽しみたいものである。

 

 

 

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