地球岬 緑地散策路

道央   2014.4.28(月)   晴れ


 


春の海 ひねもす のたり のたりかな

 

地球岬・緑地散策路

4/28(月)、室蘭の地球岬にある緑地散策路を訪れた。

昨春、白鳥大橋から絵鞆岬・測量山などを車で訪れた時、道路脇にニリンソウやカタクリが沢山咲き、小道が縦横に走って散策している人がたくさんおられた。
その時以来、ぜひ花の時期に訪れてゆっくり花巡りをしたいと思っていたのだ。

久しぶりに訪れた地球岬から眺める太平洋は、春がすみでボンヤリしているがそれがかえって春らしい優しい表情を見せている。
まさに「春の海 ひねもすのたりのたりかな」なのである。

地球岬の駐車場の片隅に「地球岬緑地散策路」と言う小さな案内標識が立っている。
どんな所か知らないが、とりあえず一回りと歩き出す。

標識
散策路の要所要所に立っている案内標識

 

案内標識によれば、幾つかコースを選べるらしいが全て見て回っても3〜4Kmぐらいのよう。
海からの風が強く少し寒く感じられるが、浅い谷の樹林帯に入ると風はなくなり強い日差しで暑いぐらいだ。

 

ブルー・ピンク!

歩き出して100mもいかない所にキクザキイチゲが数輪咲いていた。
「こりゃ〜 期待できるかもね!」

最初の分岐を左に取り、浅い谷を降りていく。
先を歩いていたカミさん「まあ 凄いわよ!」

見るとエゾエンゴサクとカタクリが背の低い笹の中にいっぱい咲いている。
日差しを受けた花達がひときわ艶やかだ。


笹の中に青とピンクが広がっている

 

観光公園のようにあまりに整備され過ぎておらず、それがかえって自然の雰囲気を醸し出している。
エンゴサクは私の好きな水色の花が多い。
ブルー、ピンクそしてグリーンのコントラストが華やかで美しい。
まさに花の絨毯である。

エンゴサク
エゾエンゴサクの濃い水色が眩しく輝く

 

谷間の林の中に咲くカタクリの群生、やや見頃を過ぎた感がしないわけでもないが艶やかさではNO1だ。
カミさんは目の高さに咲いているカタクリをしげしげと観察、良く見ると感じる複雑で奇妙な模様に改めて驚いている。

色の濃いもの・薄いもの、開ききっているもの・蕾のもの、群れ咲いているもの・孤高を誇っているもの、様々に咲いている様子は何時まで見ていても飽きはしない。

そんな中から軽やかで明るく踊っている感じの一輪を切り撮ってみた。

カタクリ
カタクリ

 

そしてもう一輪・・・?。

カタクリ

 

 

ホワイト・ブルー!

エゾエンゴサクのブルーとカタクリのピンクに負けるものかと道の両側にキクザキイチゲ。
千歳ではアツマイチゲは多いのだが、キクザキイチゲはあまり見られない花。
大ぶりで美しい、同じイチゲでも大分雰囲気が異なる。

アツマイチゲが清楚・潔白なイメージに対して、キクザキイチゲは大人びた上品さを感じさせる。

キクザキイチゲ
キクザキイチゲ

 

強い直射日光を浴びる花たちは、コントラストが激しすぎて上手くその上品な表情を写し撮れない。
カミさんに帽子で影を作ってもらい、撮ってみた。


大人びた風情を持つキクザキイチゲ

 

シロバナが大半だが、淡い青というか薄紫の花もちらほら。
白のほうが清楚・清潔なイメージと思っていたが、オットドッコイこちらの方が可憐で清楚な印象を受ける。


清楚な印象だった薄紫色のキクザキイチゲ

 

花々を堪能しながら谷間を下って行くと時折岩場と海が枝越しに見える、大分下ってきたようだ。
私達同様散策している何人かの人と出会う、花目当ての人が多いようだが鳥目当てらしい人も。
長さ50cm以上ある巨大なレンズに迷彩カバー、果たして何Kgあるのだろう?
しかも三脚無しだ、動きまわる鳥を撮るには三脚は邪魔なのだろう。
鳥の撮影は体力勝負なのだと教えられた。

水場広場との分岐に出たので、立ち寄ってみる。
谷間を流れる小さな流れがよどんでいる場所でカエルなどの卵が沢山産み付けられ、おたまじゃくしがウジャウジャ真っ黒い塊になって泳いでいる。 

ここのベンチで小休止、お菓子やコーヒーを楽しみながら花々との素晴らしい出合いを反芻。
たいして歩きもしていないのにお菓子などを食べるから太るのかな?

休憩
最近、チョットふくよかに・・・

 

 

イエロー・パープル! 

水場広場から休養広場に方へ向かう。
谷間の斜面をトラバースしていく平坦な道、この辺から植生が明らかに変わりオオバキスミレやミヤマスミレが多くなってきた。
オオバキスミレはもう旬の時期が過ぎかかっている花も多かった。

オオバキスミレ
オオバキスミレ

 

シソ科のニシキゴロモが道端にいくつも花を付けている。
目立たない花だが、良く見るとなかなか可愛い。

ニシキゴロモ
目立たないが可愛いニシキゴロモ

 

ツクバネソウやクルマバソウの目立たない輪生した葉が多い。
そしてスミレも結構咲いている。
私はスミレの判別が苦手、若い頃どれもスミレと思っていたのが今になっても尾を引いている。
だから私的にはスミレなのだが、正確にはミヤマスミレかな? 

ミヤマスミレ
スミレ 多分ミヤマスミレ?

 

それにヒトリシズカもかなりの数が咲いていた。
濃い緑に白い線形の花、林内でひっそり咲いている姿はまさに一人静かなのだ。

ヒトリシズカ
ヒトリシズカ

 

やがて道は観光道路へ出る道と地球岬へ戻る道との分岐へ、観光道路の下を岬へ戻る遊歩道を進む。
すると面白い形の木に出合った。

カバか怪獣が口を開けているようなウロ(洞)のある木、思わず大笑いをしてしまった。

うろのある木
大口を開けた怪獣? カバ?

 

グリーン・オレンジ・パープル!

地球岬の方へのんびり戻っていくと、ニリンソウが群落を作っていた。
まだ咲き始めの花達だ。
葉の濃い緑に白い花びらが染めらてしまったように見える。

ニリンソウ
ニリンソウ

 

私はこの花も大好きだ、清潔感と力強さを感じるのだ。
何と言っても美しい花を咲かせた後、他の花達に場所を譲り跡形もなく消えて無くなってしまう潔さが好きなのだ。

あまりの葉の緑の濃さに、ミドリニリンソウは無いかと探したが見つからなかった。

ニリンソウ
ニリンソウの群落

 

逆光を浴びてオレンジ色に輝いていたのは、エンレイソウ。
あまりの鮮やかさにコジマエンレイソウかと間違えたほどだった。
この花は花を付けるまでには長い年月が必要と聞く、そう思うとかけがえの無いものに思えてくる。

エンレイソウ
エンレイソウ

 

そして散策の最後を飾るように、色鮮やかな薄紫のキクザキイチゲが見送ってくれるかのように咲いていた。
あまりの美しさにしばし見入ってしまう、いや魅入られてしまう。
「咲いててくれて、ありがとう!」


紫のキクザキイチゲ

 

春の地球岬緑地散策路、思っていた以上に素晴らしい所だった。
正直こんなに花々が見られるとは思ってもいなかったから・・・。

この散策路、普通に散策するだけだったら1〜1.5時間ぐらい、私達のように花をのんびり眺め・撮影しながら巡っても約3時間あれば十分、あっという間の散策と言う気分であった。

この嬉しそうな表情がそれを物語っているのです。

ようこ
良いところだったね〜!

 

 

オジロワシ歌壇

 

 

・カタクリはいたわり合いて咲き群るる
          地球岬は手放しの春

・ほつほつと白く咲き初む北こぶし
          われの視線を空にみちびく

 

 

 

 

 

 

 

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