敏音知岳 は中頓別町にあり、登山口は道の駅「ピンネシリ」の横手にある。
敏音知岳 の山頂は三吉神社のご神体でもあり、登山口には三吉神社の鳥居が立っている。登山道は神社の参道としての意味もあるからか、大変よく整備され道幅も広い。
前日ピヤシリ山でダニに攻撃された苦い経験から幅広い山道の真ん中を歩き出す。
トドマツの森が続き静かで気持ち良い、「千本シナ」と言うシナノキの大木を過ぎ淡々と歩く。その後もゆるやかな斜度の道が続き、白樺の泉・紅葉の滝・駒返しの坂・水松の曲・など出てくる優雅な標識と場所を眺めながら次第に高度を上げていく。
尾根に概ね真っ直ぐに付けられていた道が大きくゆるやかなジグを切り出ししばらく行った時である。
道幅が狭くなって左右の草地に触れずには歩けなくなり、左の裾が草を払った。
前日の嫌な記憶が蘇り、左の裾に目をやる。何と! 左裾の膝から下に赤黒い点々がビッシリ。
良く見ると、100匹以上の赤いダニ軍団が体制を整え上へ上へと這いずり上がってくる。
その気持の悪さと言ったら寒気がする、悲鳴を上げながらカミさんにも注意を促す。
カミさんのズボンにも何十匹というダニが群がっている。取り敢えず、ダニを排除。
一匹づつ摘み取り潰し捨てる。
その間にもダニ軍団はヒタヒタと上へ上へと這い上がってくる。何とかしてくれ! 助けて〜!
だが誰も助けに来てはくれない。
自分の安全は自分で守らなくてはならないのは当然だ。
一人では後側のC'Kと排除は出来ない。
カミさんと共同の集団的自衛権の発動だ。
二人の四つの目を皿のようにしお互いを点検、ダニを見つけ摘み取る。5分近くもダニと格闘しただろうか、一段落して再び歩き出すと草に触れる直前からダニがズボンに飛びついてくるのが確認できる。
限が無いし、気味悪く虫酸が走る。「止めて降りましょう!」のカミさんの悲鳴。
専守防衛では敵の策源地攻撃や緊要地攻撃は出来ない。
出来ることは唯一踵を返して逃げること。
山道が幅広くなりダニの攻撃の心配がない所まで、一気に逃げ降りた。
登山口まで降りて来て広い舗装道路脇でザックを下ろし、徹底的なダニの探索と排除。
人も居ないし爺と婆さん二人だけ、シャツまで脱いで入念な点検探索だ。
結果的に3箇所に食いついて潜り込もうとしているのを発見。
その悪い奴らを新兵器「ダニ捕り器」を使って取り除き被害極限を図る。ダニ捕り器は初めての使用だったが、考えていた以上に有効。
安価なものだしぜひ常備されることをお勧めします。徹底してダニと格闘し、排除し終わった頃には茫然自失・気力喪失。
とても続けて山に登る気持ちも萎えてしまった。今の時期はダニの活動が一番盛んな時なのかもしれない。
道内各地で鹿が増え、それに伴ってダニが爆発的に増えているという情報もある。
ともあれダニの多い地域には、ダニの活動が少なくなる9月頃まで避けたほうが良さそうだ。
まだ時間は午前8時前、次に予定していた三頭山へは行く気もその気も無くなった。
カミさんと相談の末、サロベツ原生花園で花と景色をのんびり眺めて帰宅することに。いや〜、酷い目にあった。
ピヤシリ山や敏音知岳 でのダニ情報など聞いたことなかったが、これからは要注意である。
ともあれ、ご注意! ご注意! である。