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久山岳
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久山岳の情報を見ると、登山口までかなり長く分かりにくいという記述が多い。
剣山の登山口である剣山神社から歩く人が多いようだが、行ける所まで行ってみようとおおよその検討をつけ車で入ってみた。
登山口までのルート
剣山神社から約500mほど戻り未舗装の道へ。
この道沿いには別荘らしき家が4・5軒、突き当りで左折。
道は樹林帯から開けた植林地へ変わり、そのまま進むと道は右に曲がる。
そこに2・3台駐車できるスペースがあったので私達はそこに車を停めた。歩き出し小川を越え少し行くと、立派な林道へ出る。
林道の周囲は所々植林の準備などがなされているから林業関係者専用の道かも。
その林道をしばらく歩くと入林ボックスが置いてあり、実質的な登山口となっている。
駐車地点から登山口まで概ね20分である。
登山口
登山口からも林道かと思うほど幅広く整備された道が続き、約30分でちょっとした広場に出る。
どうやら久山岳も剣山と同様、高王山という宗教団体が管理し整備しているようだ。
2日前の10/6に、この団体が15名で登山したという入山記録が登山ボックスに書かれていた。この広場まではまさに、ほんの小手調べ。
「初めチョロチョロ、中パッパ!」のチョロチョロ部分なのである。
ここから笹かぶりの急登が標高差700mに渡って展開されるとは思ってもいなかった。天気は晴れていて日差しも豊か、林内には紅葉も見られ気持ち良く登っていく。
美しい紅葉に癒され・・・
道は次第に息つく暇もない急登へ、しかも背の高い笹が被っている。
先週の神威岳程ではないが、さすがに日高だと恐れ入る。ひたすら苦闘を強いられるが、宗教団体が設置した「母の胎内」「父の胎内?」「石松安産岩」「カエル岩」「屏風岩」「涅槃岩」などの標識と岩が、一息つかせてくれる。
意味は良く分からないが、名が付けられた岩の一つ
延々と続く急登、笹と樹林帯で見晴らしも効かない、季節柄花も全く無い。
「大丈夫か〜?」5mも離れると笹で姿も見えなくなる。
「もう少しゆっくり行きましょう・・・」それでも傾斜が急な分、高度は思ったより稼げる。
GPSをC'Kすると、30分で標高差200m位を登っている。天気は次第に本曇、枯れ木にサルオガセが垂れ下がっている。
それだけで深山幽谷の雰囲気が漂いだすから面白い。「面白いキノコ・・・、あれ何?」
ヘンテコなキノコ
枯れたダケカンバに大きさ30cmはゆうにある、キノコがニョキ!と生えている。
「あんなの見たことないね、以外に美味しかったりして・・・」
何はともあれ、良い息抜きにはなりました。
苦戦すること2時間弱、愚直な尾根を登り切り稜線に飛び出た。
「お疲れさま! 山頂まで10分」の看板が出ている。平になった道をゆっくり進んでいくと、岩が積み重ねられた庭園のような雰囲気に。
松と岩が良い感じである。
雰囲気が庭園風に
やがて岩を攀じ小さな梯子を乗り越えると、小さな山頂だ。
「結構きつかったね!」といたわり合う山頂は、今にも降り出しそうで薄暗い。空気は霞んでいて遠景は全く期待できず、すぐ近くの十勝平野さえ閉ざされている。
期待して来た山頂からの展望は空振り三振状態だ。
「終わり良ければ全て良し!」を楽しみにしてきたのに、残念至極。明日行く予定の芽室岳だけが何とか姿を見せている。
久山岳山頂からの芽室岳
すぐ南に位置する伏美岳・妙敷山さえ霞んでいる。
ボンヤリした姿を見せる伏美岳
何時も大きく堂々としている十勝幌尻岳は幽霊のようだ。
〘この文面を見た方から「十勝幌尻岳が幽霊のようだとは失礼だ」とのお叱りを頂戴しました。
誤解を招く文言で述べた私が悪いのですが、全体の文意を見て頂ければお分かり頂けるように霞んでいる視界の悪さを嘆いたもので、決して十勝幌尻岳を貶したものではありません。
どうぞご理解ください。〙
霞んでボンヤリして見える十勝幌尻岳
仕方ない、こんな時も偶にはあるさ。
証拠写真でも撮っておこう。
山頂を隠した芽室岳をバックに
天気は時雨模様になってきた。
陽が差したかと思うと冷たい雨が振りかかる。おちおちしていられない気分だ。ピパイロや1967m峰は雲に隠れて出てこない。
だんだん本曇になってきた
雨が降り出し、逃げるように山頂を後にする。
幸い雨はすぐに止んだが、気持ちはどんよりしたままだ。笹を頼りに急坂をひたすら降りる。
もしかしたら素晴らしい展望に出会えるかもと期待が大きかっただけに、失望感もそれなりだ。何時もだったら「また来るから、その時は機嫌よく迎えてね!」と思うのだが、今回はその気にもなれない。
年を取った証拠なのかな?そんな気持ちを察してくれたのか、煙った十勝の空に大きな虹が。
元気を出して頑張れ! と慰めてくれているようでした。へこたれた気持ちを払しょくするように下山後温泉でゆっくり汗を流し、夜は満月の皆既月食を車の中に寝転んで鑑賞。
翌日の芽室岳登山に備えたのでした。
GPS トラック
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