散歩道の花  水無月

道央・千歳市  2015.6.2(火)〜8(月)   晴れ

 


 

初夏

6月といえば初夏、なのに今年の北国は春先のような寒さ。
朝晩は霜注意報で零度に近い気温だし、日中でも10℃をわずかに超える程度の日が多い。
ニペソツや十勝岳では積雪になったと言うのも頷ける。

ストーブを焚く灯油の匂いが漂う町並み、行き交う人達は皆肩をすぼめて急ぎ足。
それでも季節は季節、夏の匂いを嗅ぎとってか花達は初夏の花へと次々に変貌していく。

その代表格はシャガだろう。

シャガ
シャガ

見れば見るほど不思議な形と色彩、初めて見た時は想像上の花ではと思った。
我が家には数輪しか無いが、関東や東北で見た斜面全体を覆い尽くすシャガの群落の絢爛さは忘れられない。

シャガ
シャガ

 

ヒメシャガも咲き出した。

ヒメシャガ
ヒメシャガ

小ぶりの優しい色合い、控え目でこちらは群れていても然程気にならない。

 

園芸種のサクラソウには沢山の仲間がいる。
わが家の片隅でも白花のサクラソウが咲き出した。
園芸種は余り好きではない私だが、それとなく大事にしている花の一つである。

サクラソウ
白花のサクラソウ

 

小鳥が運んできてくれたのだろうか、カミさんも植えた覚えのないと言うオオアマナも咲き出した。

オオアナマ
オオアマナ(オーニソガラム)

園芸店ではオーニソガラムと言う名で売られている、繁殖力が強いようで最近は草むらや道端でも見られるようになってきた。
アマナの仲間らしくなかなか清楚な花である。

 

初夏の花といえば北国ではスズランは外せない。

群れ咲くスズランは北国の風物詩、我が庭の小さな群れでは望むべきもない。
雰囲気だけということで・・・。

スズラン
スズラン

 

 

湧き水の林

膝のリハビリを兼ねて、湧水の湧き出す林を訪ね歩いてみた。
小さなポコポコと湧き出す湧水が幾つか集まり、小さな流れとなって草地を流れゆく。
頭上の新緑が日差しを浴び、辺りを緑一色に染めて爽やか。

何だか別世界に来てしまったような気分にさせてくれる。

みどりのながれ
緑に染められ流れる湧水

 

そんな林内で目につくのは、樹木の花。


ミツバウツギの白い小さな花が浮かんでいる。


ミツバウツギの花

 

カンボクの花もひっそり咲いている。
オオカメノキの仲間で花もよく似ている、葉の形が明らかに違うのが特徴だ。

カンボクの花
カンボクの花

 

ヤマブドウが蔓を絡ませながら花を・小さな実を付け始めている。
最近は採る人も少ないようで増えている気がするな。

ヤマブドウ
ヤマブドウ

 

林内の日当たりの良い所に、ウワミズザクラとミズキが咲いていた。
私はウワミズザクラとシウリザクラ、ミズキとアズキナシの区別が苦手。



ウワミズザクラ

この花もウワミズなのかシウリなのか、どちらかだろうとは分かっても確信はない。
どうもそんな感じがするという程度なので、間違っているかもしれません。

ミズキは新しい枝が伸びる冬は枝が鮮やかな赤なので見分けられるが、他の時期は難しい。
花の付き方が違うというカミさんの意見に従った。

ミズキ
ミズキの花

 

一方、足元に目を向ければベニバナイチヤクソウが群落を作って咲き誇っている。
可愛い花だけど、何故か写真の撮るのは難しい花なのだ。


ベニバナイチヤクソウ

何回チャレンジしても群れ咲く様子がうまく表現できない。今回もダメだった。


今回もダメだった群れ咲く表情

 

ササバギンランが薄暗い日陰にひっそり咲いている。
清純なイメージの花である。

ギンラン
ササバギンラン

 

そして最も多く眼に入るのはコンロンソウ。
あまりに多いので普段は気にも留めないが、結構きれいな花である。

コンロンソウ
コンロンソウ

 

ご近所の花達

近場の散歩中、恒例となりつつあるご近所のお庭拝見。
園芸種が中心だが色とりどり、艶やかな花が目を楽しませてくれる。
だけどジャーマンアイリスのようなド派手な花はどうも苦手。

ミヤコワスレの花が満開、濃い紫や薄いピンクの花が咲き競っている。
上品で人気があるのが良く判る。

ミヤコワスレ
ミヤコワスレ

 

ツボサンゴの小さく赤い花が風に揺れている。
本来、葉を楽しむものらしいが花の風情もなかなかだ。

ツボサンゴ
ツボサンゴの花

少しの風でも揺れ動き、小さく下を向いた花の表情を撮るのは一苦労。

ツボサンゴ
ツボサンゴの花

 

ツボサンゴはヒューケラという北米原産植物の仲間。
ヒューケラは仲間も多く、本来は葉の表情や色を楽しむ植物らしい。
やはりその仲間で花もきれいなハルサメソウ(ヒカゲユキノシタ)が咲いているのを教えていただいた。
一株に沢山の小さな花、まるで夜空の星のよう。

ハルサメソウ
ハルサメソウ(ヒカゲユキノシタ)

 

我が家の石垣に例年通り、シコタンハコベが咲いた。
咲き始めだけ雄しべの先が真っ赤、すぐに色が落ちるのも面白い。受粉した合図なのか・・・?


シコタンハコベ

 

イブキトラノオの花も花序を伸ばして咲き出した。
花の一部をクローズアップで。


イブキトラノオの花

 

近くの空き地に誰かが捨てたルピナスが生き延び、それが毎年増えて何時の間にかルピナス畑になっている。
日本中何処にでもあり、ペルーのアンデスでもたくさん見かけた繁殖力の強いそれでいて見栄えのする花である。

ルピナス
空き地に広がるルピナス

 

海岸の草地

皇太子妃 雅子さまのお印がハマナス。
そろそろ咲く頃かと行ってみると、咲いてはいたが寒さのせいか花に精気がない。
早く例年通り暖かくなってほしいものだ。


ハマナス

白花も見つけたが、開いたばかりの花にも茶色のシミが点々。
写真に撮るのも可哀想。
天候不順はハマナスにも厳しいものだ。

ハマナス
ハマナス

 

ハマナスの咲く原を歩いていると、早くもキスゲがたった一輪黄色い花を咲かせていた。
まだ寒いからだろうが、あと1ヶ月もすれば彼らの天下がやって来る。


その頃には私も簡単な山歩きが出来るようになっていれば良いな・・・。

キスゲ
キスゲ

 

 

 

 

 

 

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