樽前山麓花散歩

道央  2015.6.16(火)   晴れ

 


 

イソツツジ

 

シーズン到来!

6月も中旬に入り北海道の山にも花のシーズンがやってきた。
これから8月までの間、その標高や位置に応じて花の競演が展開される。

あそこは見逃せない、あすこも凄い、見頃は何時? 想像するだけでワクワクしてくる。

なのに私は膝のリハビリ中、平地を小1時間歩くのがやっとの状態だ。
素晴らしい情景を指をくわえているだけとは何とも虚しい。

「そうだ! あそこなら今の私でも楽しめるかもしれない・・・。」

 

樽前山麓花散歩

思いついたのは樽前山登山口の7合目ヒュッテから風不死岳登山口へ至る道、通称「樽前ガーデン」である。
ここなら標高650m前後のほぼ平坦な道で、景観も良く花も多い。
今ならイソツツジやマルバシモツケが咲き出した頃のはず。

早速カミさんに声をかけ、出かけてみる。
平日の朝というのに、登山口の駐車場は混み合っている。
土日を計画している方は早めに出かけられるのがお勧めです。

膝のサポーターを丁寧にセットし、のんびり歩き出す。
花々を楽しむことだけが目的なので、時間は幾らでもあるし、何処からでも引き返せるのだ。

登山者のほとんどは駐車場から真っ直ぐ樽前山を目指すようで、私達が歩くトラバース道に人影は疎ら。

ナナカマドの小さな林を抜けると広々とした樽前ガーデン。
何時来ても気持が晴れ晴れする所である。
この日は残念ながら朝霧が取りきれなく視界が霞み、支笏湖には霧の雲海が貼り付いている。

 

お久しぶり〜!

早速、白い点々が幾つも目に飛び込んできた。
マルバシモツケとイソツツジ、いずれも咲き出したばかりの花達。

うっすらピンク色のシモツケ、とても可愛い。


マルバシモツケ

 

イソツツジも開花したばかりで新鮮そのもの、まさに穢れ無き清純さである。

イソツツジ
開花したばかりのイソツツジ

 

「いや〜綺麗だね〜!」素晴らしさに膝のことも忘れてしまう。
歩くのもチンタラだが、止まって花を眺めている方がずっと長い。

風不死岳に行く人達に道を譲る、その軽快な足取りには一抹の羨ましさを感じるな〜。

樽前ガーデンから花畑越しに樽前山の山容が優しげだ。

樽前山
花畑越しに見る樽前山

 

この時期、樽前ガーデンにはイソツツジとマルバシモツケが見頃。
この他には、マイヅルソウ、ウコンウツギ、イワブクロ(タルマイソウ)、イワヒゲ、シラタマノキ、コケモモ、コメバツガザクラなどを見ることが出来た。

 

ゆったり

樽前ガーデンをのんびり花を楽しみつつ散策。
私達と同じようなペースで歩いている人達もちらほら。
皆さん花散歩の人達だ。

岩尾根の近くまでやってきて、さてどうしようか?
膝はまだ大丈夫、風不死岳登山口辺りまで足を伸ばそうかと思っていると
「今日はリハビリの続き。このへんでゆっくり休みましょう! 私も短歌を作りたいしお父さんは写真を撮りたいでしょう」

有無を言わせぬカミさんのお言葉、登山道から少し外れた所に移動してゆったり大休止。
カミさんは短歌作り、私は写真のモデル探し。

イソツツジ
青空に映えるイソツツジ

 

雰囲気の良い景観を探し、撮影タイム。
細いけもの道から足を踏み出さないよう、膝に無理がかからないよう注意しながら歩きまわる。

イソツツジ
イソツツジの群落と霞む支笏湖

 

イワブクロはほとんどがまだ蕾だ、わずかに咲いている花を見つけて撮ってみるが例年のことゆえ余り感動はない。



何株か咲き出していたイワブクロ

 

逆にイワヒゲは盛りを越していた、傷んでいないイワヒゲらしい風情の花を探すにはかなり苦労した。

イワヒゲ
イワヒゲ

 

1時間ほど夫々の時間を過ごし、お昼ご飯に。
食事を楽しんでいると、食べ物の気配を察知したのか大きなアリがよじ登ってくる。
体長1cm以上ある大蟻、真っ黒なクロオオアリだ。
しつこさと根気では絶対負けるので、逃げるが勝ち、退散だ。

お昼
山麓でゆったり

 


花を楽しんでいる人や写真の構図をあれこれ工夫している人達と挨拶を交わし、道端の花に別れを惜しみながらヒュッテへと引き返す。

マイヅルソウ
マイヅルソウ

 

引き返した7合目登山口は車は満杯、道路にまで溢れだしていて驚く。

 

コウホネとアヤメ

帰路、千歳市内まで戻りコウホネの咲く池とアヤメが植えられた川に寄ってみる。

コウホネは最近余り見られないので、咲いていて欲しいと思いつつ覗いてみる。

咲いていました、結構綺麗に・・・。

コウホネ
コウホネの花

 

咲いたばかりで雄しべと雌しべの複雑に絡み合っている様子も良く分かり綺麗だ。
じっくり鑑賞するとすでに咲いていた花と咲きだしの花では雌しべの様子が変化しているのが確認でき興味深い。

コウホネ
咲いてから少し時間が経過した花

 

池にはコウホネの他に黄色の菖蒲も競いあうように咲いていた。

キショウブ
キショウブ

 

池の畔にはバイカウツギが清楚な花を咲かせていた。
梅に似ていることから梅花と名付けられたそうだが、五弁の花ばかりではなく四弁の花も多く首をひねってしまう。梅のような清楚さということなのかな?


バイカウツギ

 

市内を流れるママチ川にアヤメが植えられ見頃だという話を聞いていたので、帰りがけに立ち寄ってみる。

アヤメ
川沿いに植えられたアヤメ

 

花は盛りを終えアップで撮るのは少々可哀想、それでも川の表情に風情を与えてくれている花達だ。
川べりに咲くエゾムラサキの青白い花とも、草地に咲くコウリンタンポポともお似合いだ。

アヤメ
アヤメとコウリンタンポポ

 

夏の気配

リハビリの花散歩でご近所のお庭に詳しくなった私、気が付くと我家の庭にも夏の花達が姿を見せ始めているのに気が付いた。

庭
我が庭の一角

 

その代表格が丁字草、薄い青が日陰に揺れている。
目立たなく華やかさはないけれど好きな花。色合いが素敵なのだ。


チョウジソウ

 

そしてスズバラ。
栽培種の薔薇のような艶やかさは無いが、薄いピンクの花弁と黄色に輝く蕊が美しく可愛い。
咲き始めはピンクが濃くよく目立つ。


スズバラ

 

サツキも遅ればせながら大きな花を咲かせ始めた。
盆栽などにも仕立てられるだけあって花も色や模様は様々、我家の庭では派手な花の一つである。

サツキ
サツキ

 

ぼやけたような白っぽい水色が浮かび上がる、荒れ地や畑の畦などに群生するエゾムラサキも夏の花である。

ワスレナグサの仲間で見分けも難しいが、萼に鈎毛があるのがエゾムラサキの特徴だと思う。
目立たないし雑草として庭では抜かれてしまうことも多い花だけど、私は結構好きなのだ。


エゾムラサキ

 

同じく目立たないけれど、この時期見たくなるのが緑の仏炎苞が特徴のコウライテンナンショウ。
秋に赤い大きな実をつけたのをよく見るが、緑に溶け込む花も良いものだ。


コウライテンナンショウ

 

 

オジロワシ歌壇

 

・ゆるり行く樽前山は霧晴れて
      山腹埋める磯つつじに合う

・回復の膝にやさしい薫風よ
      春蝉鳴けり鶯鳴けり

 

 

 

 

約半日歩いた後も膝は時折痛みを感じる程度で比較的順調だ。
もう少し負荷をかけても良いのかもしれない。

7月頃から軽い山歩きにチャレンジせてみようかな。
嬉しいような怖いような落ち着かない気分に襲われている。

 

 

 


 

 


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