坊主山 (790m)

夕張   2015.8.25(火)   晴れ


 

夕張岳

 

2015.8.25(火)
林道崩壊地点 0910
坊主山登山口 0955〜1005
山小屋 坊主 1045〜1100
坊主山山頂 1110〜1140
登山口 1215
林道崩壊地点 1250

坊主山

坊主山は夕張山地のほぼ南端、穂別町にある小さな独立峰。

山頂はその名の通りツルリとしたハゲ山、そのおかげで標高790mとは思えぬ素晴らしい展望を見せてくれる。

山道もなだらかで登山口からゆっくり歩いても約1時間弱。
ファミリー登山にうってつけの山でもある。

今回はリハビリ登山の一環として久しぶりに訪れてみたのだが・・・。

 

思わぬアルバイト

国道274号線から穂別に向かう道道74号線へ入り、概ね5kmで左折して坊主山登山口へ。
案内標識に従って林道に入り暫く行くと林道の分岐、ここは右に入る。

分岐からは一本道だが、何と約1Km強の所に黄色の立入禁止のテープが張ってあった。
予想もしていなかった出来事に唖然とする。
見ると林道の沢に面した所が一部崩落している。
無理をすれば通れない幅ではないが、更に崩落が拡大すれば戻れなくなる。

どうすべきか、暫し思案。
諦めるのも残念だし、精々30分位だろうと歩くことにする。

誰も通らない林道は静かで道端にはツリフネソウやエゾゴマナなどが咲いている。
だが、車だと感じもしない林道の斜度が以外にキツイ、しかも砂利道の歩きにくいこと、おまけに日陰のない林道歩きは汗びっしょりでバテ気味だ。

次のカーブを曲がれば登山口だろうとの淡い思いを何度も裏切られ、結局見覚えのある登山口まで45分のアルバイトを強いられた。

登山口
思わぬアルバイトを強いられて登山口へ

 

山小屋「坊主」

登山口から気持ちの良いカラ松林を抜け、遊歩道のような幅広い道を進んでいく。
この時期の山道には花がないのがちょっぴり淋しい。

20分も行けば小さな沢の水場を過ぎ、やがて樹林が切れ一面の笹原となる。
右手前方に坊主山の山頂が見え出した。

                  坊主山
坊主山の山頂が見えてきた

 

笹原の中に小さな山小屋が立っている、「山小屋 坊主」である。
林道歩きでお腹もへった、小屋をお借りして小腹を満たそうと立ち寄った。
改修したのかペンキを塗り替えたのか、記憶より外観もずっと綺麗になっている。


山小屋 坊主

 

小屋の中はとても綺麗に整頓され気持ち良い。
窓を開けて風を入れ、休憩しながらゆっくり気分で軽食をお腹に入れる。

                            小屋
山小屋 坊主の内部

 

 

大展望

小屋から山頂まではほんの一息。
笹原の中を見え出した夕張岳の勇姿に感動しながら山頂を目指す。

                        山頂
一路、山頂(左のピーク)を目指す 

 

快晴の坊主山山頂に立つ。
そこには素晴らしい大展望が待っていてくれた。

嬉しい! 今年最高の展望だ。

まず目が行くのは、北側の夕張岳。
千歳・札幌方向からとは違い、南の坊主山からは主峰が尖って格好良い。

夕張岳
夕張岳

 

前岳と主峰の間にあるガマ岩や釣鐘岩もハッキリ見えている。
ススキが秋の風情を漂わせて良い感じだ。

目を右へ転じれば、十勝連峰の山々の姿もしっかり見えている。

十勝連峰
十勝連峰

 

富良野岳〜十勝岳〜オプタテシケの大きな山塊、下ホロカメトックの左にはトムラウシの姿も見えていた。

西側には樽前山から風不死岳、恵庭岳、漁岳、空沼岳から札幌の山々に至る長い山並みだ。

山並み
樽前山(左)から恵庭岳(中央)、空沼岳など札幌へ続く山並み

 

東側を眺めると、ハッタオマナイ岳の山並みの向こうに日高山脈。
チロロ岳・戸蔦別岳・幌尻岳をはじめ、エサオマン・イドンナップ岳などがズラリと並び壮観この上ない。

日高山脈
日高山脈の山々 (中央右の大きな山が幌尻岳)

 

今年はチマチマとリハビリ登山に励んできた私達、山らしい山に登っていない。
なので諦めていた山々からの大展望、それが思いもかけず坊主山で見られるとは・・・。

地道にコツコツやっていれば、いつか良いこともあると言う証しか?
とにかく嬉しい。

山頂にて
思わぬ大展望に嬉しさいっぱい

 

秋の気配漂う日差しを燦々と受けて、山座同定に興じ景観を堪能する。
黄緑輝く笹原と山々の景観が調和して美しい。

夕張岳
笹原と夕張岳

 

 

笹原
山頂から笹原と夕張・十勝の山並み

 

 

山頂の花

登ってくる途中、殆どなかった花が山頂にはいくらか咲いている。
特にエゾシオガマ、オヤマリンドウ、ツルニンジンが綺麗に咲いて目を楽しませてくれた。


エゾシオガマ

 

オヤマリンドウは我が庭でも咲き出したが、自然の中で見る姿はやはり綺麗で一味違う。

リンドウ
エゾオヤマリンドウ

 

ツルニンジンは直立した茎に沢山の薄紫の花を付けとても可憐。
花もよく見れば見るほど可愛く愛らしい。

ツルリンドウ
ツルリンドウ

 

久しぶりに訪れた坊主山、林道の崩壊で軽いリハビリ登山のつもりが結構ハードな歩きに変わり、翌日には膝に痛みが出るなど思わぬ結果を招いたのだが、今年一番の大展望に恵まれた山旅となった。

秋の紅葉時期も大雪など名だたる所に出向くのは出来ないかもしれないが、近場をコツコツ訪ね歩いていれば今回と同様な喜びを得ることも出来るかもしれない。

何と言っても今年は我慢、リハビリに努め来年以降本格的な山歩きが出来るよう頑張りたいものである。

 

オジロワシ歌壇

 

・坊主山に赤きすすきの穂は揺れて
       凛々しく見ゆる夕張岳は

・ひるひなか一心不乱に無く蝉の
       命愛しむりんどう青し

 

 

 

これまでの坊主山への山行記録については 足跡 からご覧いただけます。

 

 

 

     

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   

 

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