深まる秋、72歳

道央   2015.10.9   雨


 

イカリソウ
侘び寂びを感じさせる秋の彩り

 

 

冷える、秋

今夏は北国も暑かったのだが、秋の気配が漂い始めた9月以降は一転して気温が低めに推移しているようだ。
秋たけなわの10月に入っても、その傾向は一段と強く朝晩は寒いぐらい。

テストと称し暖房用ボイラーを一度焚いたらもうダメで、それ以来スイッチ入れっぱなし。
軟弱になり歳をとったものだとつくづく情けなく思うが、朝起きても夜になってもホカホカ温かいのは体に優しく気持ち良い。

ナナカマド
街路樹のナナカマドも色づいてきた

 

生きる、秋

晴れた日、ウオーキングのコースを変えて千歳川沿いを歩いてみた。
橋の欄干から川面を眺めると、鮭の大きな魚影とウグイの群れがいっぱい。
鮭は川底をゆったり、ウグイは川面を忙しく群れ泳いでいる。

鮭
千歳川に群れる鮭(中央の大きな魚)とウグイ(手前の小さな魚)

 

秋は、みのりの秋・豊穣の秋などのイメージが強いが、命をつなぐ秋の意味合いも強いのだ。

命をつなぐためにひたすら遡ってくる鮭の群れ、自然の営みの凄さ・精緻さを肌で感じる。
自然の営みから距離を置いて生活している我々人間、時にはその素晴らしさと凄さを噛み締め、再確認してみるのも良いのではなかろうか?

千歳川
千歳川を遡ってくる鮭

 

光る、秋

我家の庭にあるススキ、斑入りの葉がおしゃれだとカミさんが生花に愛用していた。
最近はお月見の時に飾られるぐらいで、ワレモコウと共に庭の片隅の目立たない存在だ。

陽の光を受けススキの穂が輝き青空に映えていた。
目立たぬ脇役が、一気に主役の舞台に踊りでた感じである。

ススキスポットライトを浴びて

 

 

今日の主役は君達だよススキ

 

寂しくなった秋の庭で、今一番目を引いているのが浜菊(ハマギク)である。
東日本大震災の秋に東北を訪れた時、一番心惹かれたのが瓦礫の積み重なる海岸に咲くこのハマギクだった。

東北の復興を願い、一本の苗を手に入れて植えてから4年。
元気に育ち・増え、一群を作って道を通る人達の目を楽しませている。

ハマギク東北の復興を願って植えたハマギク

写真を撮っていると、ハマギクにハナアブが飛んできて蜜を吸いだした。
きっと上手に受粉し、更に増えてくれることだろう。

東北の地震と津波からの復興が、順調に進むことを願うばかりだ。

ハナアブ
立派な種を作って、もっと増えろ

 

しぶい、秋

10/9(金)、私は72歳の誕生日を迎えた。
古希を迎えてはや2年、見方を変えれば「子・丑・寅・・・」の十二支を6回巡って生きたことになる。
今日から7巡目の人生だ。

春には薄ピンクの気取った花をつけていたイカリソウの葉も落ち着いた渋い紅色になっている、夏には瑞々しい白だったミナヅキの花も渋い重みのある赤に変わっている。


落ち着いた色に紅葉したイカリソウの葉

 

人生も同じ、私もイカリソウやミナヅキと同じように活力に満ちた元気な時は過ぎ、渋く落ち着いた色を漂わせねばならないのだろう。

避けようもない、避けることの出来ない変化である。
出来ることなら落ち着いた穏やかな色へと移り、そして錆びて枯れ果てていきたい。


ミナヅキ
瑞々しい白から赤へ、そして錆色に色変わりするミナヅキの花

 

ただ表面的にはともかく、気持ちでは「これからの人生、今日が一番若々しい日」と思って暮らしていこうと思っている。

 

 

 


 


 

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