春の足音

道央   2016.3.14(月)   晴れ


 

巨木

 

プロローグ

3月の初旬を過ぎ、北国にも待ちかねた春の足音が聞こえ始めてきた。
少し近づいてはまた離れていく、そんな遠慮がちの訪れ方だが待ちわびている私達にとっては待ちに待った嬉しい来訪である。

そんな気配と嬉しい気持ちとを少しだけ・・・。

 

兆し

今年の冬は暖冬でいつに無く暖かく、雪も例年の約1/3と過ごしやすい冬だったと思う。
カミさんは灯油代がと喜んだし、私は雪かきが楽で助かった。

庭の雪もほとんど消えたある日、庭石の南側の陽だまりにフクジュソウが咲き出しているのを見つけた。
ザラメ雪を押し分けて芽吹き、鮮やかな黄色の大輪を咲かせている。

フクジュソウ
雪を割って咲く、フクジュソウ

 

数ヶ月ぶりの庭に咲く花、カミさんを呼び二人で嬉しさを共有しあう。

明るく華やかなフクジュソウは閉じこもりがちだった気持ちまで一気に溶かしてくれる。

フクジュソウ
我が家の一番咲きの花

 

探す

春の気配が漂う暖かい昼下がり、近所の公園をのんびり散策。
春の息吹を感じ・探しながらのひと時である。

やけに眼につくのが、最近増えている鹿によって傷つけられた木々。
雪に覆われ餌の少ない冬季間、増えた鹿に見合う餌は圧倒的に不足する。
彼らも木の皮を食べるしか、飢えをしのぐ手段は無いのだ。
彼らに罪の意識はないのだけれど、樹皮をぐるりと剥かれた木はもう生きていけない。

その結果は容易に想像がつく。
林や森は傷つき、やがて死んでいく。そうすれば犯人の鹿たちも生きていけなくなる。
残るのは荒廃、荒廃、ひたすら荒廃・・・。

食害の木
鹿に樹皮を食べられ丸裸になった木、もう死ぬしか無い
鹿の歯型がクッキリと付いている

 

早く手を打たなければ・・・。
天敵の狼を放つのが一番自然な方法だと思うけど、まさか市街地近郊での実行可能性はゼロだ。
とすれば、人による駆除以外に方法はないのではないか。
そもそも人間が勝手に将来を考えもせず狼を駆逐し尽くしたのが原因なのだ。
そんな人間が過剰に自然に手を出すのは避けなくてはいけないが、適正管理のためなら仕方ないだろう。

 

見つける

暖かな日差しをいっぱいに浴びて、森にも春の気配が漂い出す。
木々に凍てつき張り付いていた雪も、柔らかくなって溶け出している。
日差しの強さと空の青さが気持ちを浮き立たせてくれる。

森の木々
春だな〜

 

すっかり葉を落として佇むミズナラの大木、その立ち姿は冬と同じはずなのに春を喜んでいるように見えるのは私の勝手な思いなのだろうか?

春を待つミズナラの巨木
春を待つ樹齢400年のミズナラの巨木

 

歩くスキーやクロスカントリー・スキーで賑わっていた公園内の歩道もシーズンが終わったのか閑散としている。
せいぜい私たちと同様に春の息吹を探しに来た人や野鳥の姿を追い求める人たちと行き交うだけだ。
もうしばらくして雪が溶け瑞々しい緑に覆われ花たちが咲くようになると、大勢の人たちが楽しみ・散策して春を謳歌する季節になる。
今はそれを待つ雌伏の時、春のわずかな気配だけが感じられる時なのである。

春を感じて
春の気配を感じながら・・・

 

味わう

雪が解ければ、噴水や遊具で遊ぶ子供達の歓声でいっぱいになる広場もまだ静か。
残りわずかな雪面に縞模様の木々の影、なにか新鮮な感じさえ受ける。

木々の影
子供達の歓声が響く広場も、今は木々の影だけ

 

3月中旬、あと1週間もすれば雪も大半が消えてしまいそう。
でも春の気配はそこはかとなく感じるのだけど、これだ!というものを見つけることはできなかった。
雪が消えれば、フクジュソウもフキノトウも眼につくようになる。
各家庭の庭にもクリスマスローズやカタクリ、イチゲ、ケマンなどの春の妖精達が咲き出し、存分に春を味わえるようになる。

それまでは、小さな変化にも注意し、見逃さず、春の息吹を感じ味わっていきたいものだ。

 

 

小さなお客様

札幌に住む娘が暖かくなったからと、一緒に住んでいるワンとニャンを連れて遊びにきた。
ともに1歳になったばかりの、男の子のワンと女の子のニャンである。

ワン
ちょっぴり臆病

 

冬の間は寒くてかわいそうと散髪しなかったそうで、今日はニャンを我が家に預けてワンのトリミングに直行。
飼い主が急にいなくなったニャンは娘を探して鳴いていたが、そのうち自由気ままに家の中を探検。
ベットの下など、気に入った場所を幾つか見つけたよう。
ときおり私達のところに来ては、様子を見たり餌をもらったり。

ニャン
この食べ物はな〜

 

3時間以上かかってワンが散髪からご帰還、伸びた冬毛が無くなってスマートに見える。
それでも実際はチョイデブだそうで、食事以外のおやつはきつく制限され、りんごと乾燥したスジのみ。

ライナス
おやつはリンゴだけ

 

このワンコ、生まれてすぐから娘とニャンの3人でマンション住まい。
めったに他の人とも犬とも出会わないせいか、人見知りでシャイ。
静かに抱かれていたり、かまってもらうのが一番の喜びらしい。

ちょいデブ
抱かれているのが大好き

 

その点ニャンのほうは同じ環境で育っているのに、独立心旺盛でお姉さん気取り。
気が向けば人やワンにすり寄ってくるけど、大半の時間はお気に入りの場所で独り過ごしている。

一人いや、1匹で佇んでいる姿など「孤高の人」を思わせる雰囲気だ。

孤高の人
ユーリ

 

3人とも楽しく暮らしているのだからそれはそれで良いのだが、もうじき春ですぞ。
せいいっぱい活動的に外を出歩いてみたら如何かな?

春は出会いの季節、恋の季節ですぞ。
さあ、失敗を恐れずチャレンジだ〜。

ワン
ライナス



 

 

 

 

 

 

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