雨に煙る瑠璃光寺 五重塔...
朝焼け
この日は一日雨の予報、しかし目覚めると朝焼けが・・・。
出雲の山並みをシルエットにやや不気味な感じもするが綺麗な朝焼けだ。
朝焼けが海もオレンジ色に染めていた
少しの時間経過で朝焼けの色は目まぐるしく変わっていく。
風力発電の風車がシルエットになって面白い、雲は赤いオレンジで不気味感が強くなる。
朝焼けの天気は下り坂、天気予報通り雨になるのだろう。
朝焼け
昨夜買い込んでおいたパンと沸かしたコーヒーにたっぷりの牛乳を入れた即席カフェオレを持ち海の見えるテラスで朝食。
今日は出雲から約3時間のドライブで津和野へ、島根県をほぼ東西に走り抜ける。
津和野観光の予定だが、雨だったらどうしよう。走りながら相談だ。
山陰の小京都、津和野
多伎町から浜田、益田と海沿いを走る。
雨はなんとか持ちこたえている、しかし雲はどんどん厚くなっている様子だ。山陰高速が建設中、完成部分は大半が無料区間として運用されているようだ。
私たちもこれを利用できる部分は利用して、津和野を目指す。益田を過ぎる辺りから雨が降り出した。
津和野ではどうしても見たいというポイントは無い、強いて挙げれば美しく整備されている街並みぐらいだ。
そこでまずは街中の太皷谷稲成神社に行ってみる。雨が篠突くように激しくなる中、太皷谷稲成神社に到着。
ド派手な朱色が目に飛び込んできた。
参道の石段には何百・何千という数の赤い鳥居が
参道の石段には何百・何千という数の赤い鳥居が立ち並び、壮観だ。
ちなみにこの鳥居、小さいもので30万円とか。神社本殿はかなり大きく立派。
太皷谷稲成神社
参拝しようと近寄ると、稲荷らしく油揚げが売られている。
まだ時間が早いのか、社務所職員たちがあちこち動き回っていて慌ただしい。社殿の前に立つと、巫女さんが数名掃き掃除をされている。
少し待ってみたが、こちらに気づいているのに掃除を続けている。
こんな時はどうすれば良いのだろう?さらに雨の中、数分待つが事態は変わらない。
お掃除が終わるまで待つのは辛い、勝手にお参りしていこうとお賽銭を入れる。
巫女さんの一人と目があうが、箒を動かし続けている。目の前約3mに巫女さん、奥に神様、作法に則りお参りさせていただいた。
巫女さんは平然と掃き掃除を続けているからこれで良かったのだろう。
勝手にそう理解して、参拝を終えた。
津和野の街に出て駐車場を探しながら走っていると、写真で見たことある風景を見つけた。
この辺りが街の中心なんじゃない?
約100mほどの距離の街並みがきれいだ。
掘割の鯉も可愛い街並み
昔風に整備された家々と街並み、掘割には鯉が泳いでいる。
ここが良くTVなどで見る景観だろう。
僅か100mの小京都なのか? たぶん実際には他にもそれらしい所があるのだろうが、案内看板らしきものも見つけられない。
きれいに整備された街並み
どうしよう? 雨で街中には人影もない。
もういいか、津和野はこれで見たことにしようよ。津和野の皆さん、ごめんなさい。 観光客なんてこんなものなのです。
瑠璃光寺 五重塔
津和野から山口の瑠璃光寺へ。
雨はますます激しくなってきた。瑠璃光寺の五重塔は、今回の旅行のため趣味の会の活動をお休みすると届けたカミさんに、山口出身の友人が山口に行くなら絶対見てくるべきよと強く勧めてくれたのであった。
雨のなか美しく立つ、瑠璃光寺の五重塔
なんでも日本三名塔、法隆寺と醍醐寺と瑠璃光寺の五重塔なのだ。
室町時代の最も優れた建造物とも言われているらしい。瑠璃光寺の駐車場から激しい雨の中、お寺の境内へ。
「おお!」思わず声が出る。
雨に濡れてより鮮やかになった新緑に包まれ、池に影を落とした均整のとれたスマートな五重塔がすっきりと立っている。
池に映る緑が美しい
威厳があるのに優しくて、重厚感あるのにすっきりと、さすが長州の人達が自慢するのも納得だ。長州の宝だ。
一目見ただけで、惚れ込んでしまう。
瑠璃光寺 本堂本堂は重厚ながら質素な佇まい。
五重塔の引き立て役を受け持っているかのようだ。お参りして再び池のほとりへ。
雨の瑠璃光寺 絵になるな〜
雨は変わらず激しく降っているが気にならないほど、塔の魅力に引き込まれてしまう。
塔の高さは31.2m、檜皮葺屋根だそう。
瑠璃光寺 五重塔
彦根城を訪れた時も感じたのだが、雨の寺院やお城はとても良い雰囲気・風情になる。
木々の緑が映えるからだろうか?
それとも、国宝だから?今後、雨を嫌と思わず、素晴らしい風情を求めて雨のお寺やお城巡りをしてみるか・・・。
錦帯橋
山口の瑠璃光寺から岩国の錦帯橋へは、山陽自動車道に乗って約1時間半。
岩国城が立つ山の麓に置かれた武家屋敷、その武家屋敷から登城するには天然の堀割りでもある錦川を渡らねばならない。
だが橋を掛けるのが大問題、研究の挙句 長崎のめがね橋にヒントを得、長年苦労して作り上げたのだという。
錦帯橋
江戸時代、「五連の大橋」が岩国藩の売りであったに違い無い。
何回も流され、その都度掛け直されたと言う錦帯橋は美しい五連の姿を篠突く激しい雨に煙らせていた。
着いたのはお昼過ぎでお腹も空いた。
橋の側のお店に入り、お勧めの岩国寿司と蓮根を練りこんだという「れんこん麺」でお昼ご飯。
岩国寿司 これを切り分ける
岩国寿司とれんこん麺セット
岩国寿司は作っておけば、後は切り分けるだけという押し寿司。
れんこん麺は最近開発された新商品、つるつるして喉越しが良く、うどんと言うより蕎麦の喉越しに近い。店の主人に錦帯橋のことや岩国の食べ物についていろいろ教えてもらいながら、お昼ご飯を美味しく完食。ごちそうさまでした。
お城が遠く右上に見えている、中央上の建物はロープウェイの駅舎
少し下から見上げてみる
下から見ると基礎部分が良く解る錦帯橋は岩国市にとってなくてはならない歴史を感じる橋なのだろう。
確かに風情もあり、一見の価値ありの橋である。
予報では明日から数日は晴れ、予定通り宮島・厳島神社を訪れられそうだ。
ただ困ったことに広島、倉敷、岡山付近には道の駅が無いのだ。
行政や商工会の方針だろうが、広く積極的見地から議論してより多くの人がその地域を訪れるための施策を考えてもらいたいと思う。
道の駅のような施設はそのための一方策でもあると思うのだが・・・
従ってこの日はホテルを利用しようと考えていたが、錦帯橋で立ち話をした人から宮島口に近い海岸に小田島近隣公園がありきれいなトイレもあるとの情報を頂いたので、とりあえずその公園へ。
車で10分ほどの所に入浴施設もあり、道が狭いことを除けば快適な所であった。
オジロワシ花壇
・そびらかな檜皮屋根の五重の塔
雨の庭部に蛙も鳴きて・雲垂れて膨みけぶる新緑と
ひとしく濡るる錦帯橋は