爽やか朝の瀬戸内海
真夜中の嫌な出来事はすぐに忘れぐっすり眠れて、寝覚めは爽やか。
良いお天気だ。寝起きに朝の瀬戸内海を見に行く。
四国の山々も見えている朝の海辺は空気も綺麗ですがすがしい。
今朝は四国の山々も割合良く見えている。
だけど一回お遍路で歩いたぐらいでは、何処が何処だか分からない。
左の平らな山が五色台、右に善通寺その奥が雲辺寺かな〜?
少しアップで鷲羽山から眺めた瀬戸内海は徳富蘇峰が「内海の秀麗、ここに集まる」と絶賛したという通り、素晴らしくまさに絶景なのであった。
朝食をとり、朝のラッシュを覚悟して朝一番の大原美術館に間に合うよう倉敷市へ向かう。
倉敷美観地区
ナビが選択したルートが良かったのか、思ったほどの渋滞には巻き込まれず倉敷市の美観地区に着いた。
何処も同じだろうと目の前の駐車場に車を入れて歩き出す。(これが大失敗)煉瓦造りのお洒落な建物が幾つも、アイビースクエアという所らしい。
おしゃれな空間が演出されている
おしゃれな空間だね〜。倉敷紡績の関連施設だったものを活用しているようだ。
アイビースクエアにて
建物裏の何気ない空間にも花をさりげなく飾るおしゃれ心が心地よい
睡蓮の花
川のほとりに出る、柳の並木と石造りの橋、両側には統一感のある街並みと美観地区と呼ばれるだけあって美しくも整然とし、落ち着いたゆとりが感じさせられる所だ。
美観地区和風あり洋風ありなのだが、違和感なく渾然一体をなって溶け合っている。
洋館も
一際立派な家が建っている、「凄いお家だね」と感心していたら、通りすがりの方から「ここが大原孫三郎の屋敷ですよ」と教えられた。
もちろん今はご子息かご親戚の方がお住まいなのだろうが、瓦一枚・塀の木材を見ただけで違いを感じられる豪勢な作りだ。
大原家のお屋敷
地元の方と話をすると、なんとなくその町が好きになる。
私は得意ではないのだが、よそ者から積極的に話しかけなければなかなか会話は成立しない。
私の今後の努力目標ではあるな。倉敷紡績という企業、一つの街を形作ったり美術館を作るほどの業績を挙げていたのだと驚いてしまう、もちろん今もそうなのだろうけど・・・。
遊覧船に揺られて
小学生が街に出て、社会科の授業。
真面目なやつ、ふざけるのに忙しいやつ、疲れているもの、色々居て良いな〜。
小学生
大原美術館
美観地区をあちこち見ている内に、大原美術館開館の時間となった。
待ちわびていた人たちが続々入場していく。
もちろん私達もそのあとに続いて、初めての大原美術館だ。美術館の中は撮影禁止、従ってその様子はご紹介できないのでご了承を。
絵画だけでも、西洋美術はモネ、ラファエリ、クールベ、ルソー、ドガ、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャン、コロー、クールベなど巨匠の作品が。
日本美術は岸田劉生、藤島武二、児島虎次郎、青木繁、前田寛治などの作品が数多く展示されている。その他、河井寛次郎の壺、濱田庄司の大皿、棟方志功の版画、染物などの工芸品やオリエントの猫の像など名作が展示されている。
いくら財を成した人でも、一代でよくぞこんなに名画名品を集めたものだと感嘆してしまうほどすごい作品が展示されて、本当に一見の価値大いにありなのだ。
島根の足立美術館は日本画中心、大原美術館は洋画中心という違いはあるが、山陰・山陽の中国地方にこれだけの美術館があるのは、凄い事で驚きでもあった。
ちなみに今回訪れて私が個人的に特に素晴らしいと感じた作品は、児島虎次郎の「里の水車」とセガンティーニの「アルプスの真昼」。癒される絵と感じたのだ。
名物料理
大原美術館を堪能し外に出てきたら、まだ10時半過ぎだというのにお腹が鳴いている。
仕方のない奴だと笑いながら、美観街の料理屋さんへ。
この地方の名物料理である「ままかり定食」だ。
ままかり定食ままかりの天ぷら、刺身、酢の物、一夜干しなど「ご飯を借りに行くほど食事が進む」との言葉通り、大盛りのご飯も完食でした。
最後に車を出す時、もう一度びっくり仰天。
4時間ほどの駐車だったのに、料金1600円。
何かの間違いではないかと係員に尋ねたら、申し訳なさそうに「ここはホテルの駐車場なので、他の駐車場は半額でして・・・」 あちゃ〜! 大失敗。
岡山後楽園
倉敷から岡山へ、岡山のお城や後楽園は街の真ん中にある。
政治経済の中心にお城は位置したのだろう、闘う城とは異なる治める城か。後楽園に到着して嬉しい驚き。駐車料金が100円、入場料が140円。
倉敷で駐車料金1600円を支払ったばかりなので、その格差に嬉しさ倍増である。
市が運営している恩恵か、ありがたくお受けする。後楽園は岡山は池田藩主の庭園。
今回の旅で訪れた彦根城の庭園、松江城の庭園と大きく異なるのは、芝生の庭園で明るいこと。
現在の公園の雰囲気に近い庭園なのである。
岡山後楽園
もちろん池もあり、松もあり、茶室ありと大名庭園であることは間違いないのだが、現代の公園だと言っても違和感はない。
池も松も茶室もあるのだが
観音堂だったお堂もある。持ち込もうとした石が余りにも大きく一挙に運べないので16分割して持ち込んだという石が積み重ねられていたのも現代風。
門の右にある石が分割され運び込まれた石
昔を感じさせるのに現代風、それが良いのだろう結婚式の事前撮影が何組も行われて華やか。
「おめでとうございます」と声をかけると、明るい笑顔がはじけ帰ってきた。
いつの間にか、後楽園という庭園を拝見させていただいているという気分はどこかに飛んで行ってしまい、孫たちと遊びに来ている気分になる。
実は傘の向こう側で結婚式の撮影が行われていた
姫路城 (白鷺城)
平成の大修理を終えたばかりの姫路城、白く輝く天守閣が威風堂々と聳え立つ姿はまさに白鷺城の別名にふさわしい見事さだ。
屋根まで白く見える姫路城
お城に関心の薄かった私、姫路城といえば最近のTVで黒田官兵衛がこの城で生まれ、信長の中国遠征時に秀吉に献上したことを知った位。
1600年ごろ今の形が完成しその後 城主が何人も変わったことなどは知らなかった。
姫路城
私もその一員だから文句は言えないけれど、平日というのに大変な人たちが見物に来ている。
入城するのに時間制限が設けられているほど、ディズニーランドの行列整理を取り入れている。城内は彦根や松江と比較すると、桁違いに大きい。
地上6階、地下1階で天守閣の一辺の長さが5倍はある巨大さ。
容積にしたら何百倍にもなるだろう。その大きなお城を行列をなして、見て回る。
後ろから押されるから立ち止まれない、説明文など読んでいる暇はない、外の景観は横目でチラリ。
見物したのではなく、歩いたのだ。覚えているのは、階段が急なこと、とにかく広いこと、薄暗いこと、下りの階段が怖いこと、疲れたことなのである。
訳も分からず歩き回され疲れれば、大変な所・凄い所に来たと大半の人は思う。
「民は愚かに保て、よらしむべし、知らしむべからず」の現代版と見て取った。
城外に出ると、天守閣の上に鎮座している鯱鉾が展示してあった。
明治の物と昭和の物、平成の物、少しづつ形が変わっている。
何のためか? 保存ではない何かがあるのだろう。
平成の物は顎が短いようだった
姫路城はとにかく大きく立派、でも外からゆっくり眺めるのが良い。
気持ちも穏やかに美しいものを美しいと感じられる。
歴史に浸ることもできる。もう一度言う、姫路城は外から眺めるのが一番だ。
外から眺めるのが一番でしょう?
予定は未定
姫路城で今回の旅で予定していた所はすべて見終わったが、まだ予備日が2日ある。
途中スポイルした所もあったのだが、今更引き返す気持ちになれない。どうしよう、予定は未定なのだ。
すぐには考えられない、温泉にでも入ってゆっくり考えよう。とりあえず帰りのフェリーが出る敦賀市方面にと当てもなく向かう。
駅伝の有名校がある西脇市を通り、ナビで温泉を検索。
残念なことに探した温泉場2ヶ所とも休業日、こんな日もあるわ。諦めて今度は泊まる所を、名前が気に入って「丹波 おばあちゃんの里」と言う道の駅へ。
着いたら夜になっていて、道の駅はトイレだけ明かりが点いている。
この道の駅、高速のインターがすぐ側にあり、道路を挟んでコンビニがある。横になりながら明日どうするか相談、中止した伊吹山登山、琵琶湖周遊、京都 鞍馬寺、比叡山などが浮かんだが、どれも決定的な魅力が・・・。
それなら白山の雄姿でも見に行くか? と言ったのがターニング・ポイント。
カミさんは永平寺に行きたい、それならスーパー林道で白山を眺めながら白川郷へ。
白川郷は見たから、五箇山はどうか・・・。意見が狭い車内を飛び交ううちに、眠くなってきた。
オジロワシ花壇
・レンガ壁に時間澱めて覆いたる
蔦瑞々し空ま青なり・修復の譽れを語る左官工の
横顔重なる白鷺の城