2016.10.5(水)登山口 0835 徳舜瞥山頂 1010〜20 ホロホロ山 1055〜1110 徳舜瞥山頂 1145〜1205 登山口 1325 忍び寄る秋
高めな気温が続いた9月も終わり、10月に入ると札幌周辺でも最低気温が10℃を割り込むようになってきた。
近所の公園のナナカマドも色付きはじめ、散歩道のぶどうの葉も赤黒く染まり出した。
ようやく道央でも紅葉のシーズンの始まりである。どんな様子なのか、晴れの1日徳舜瞥山とホロホロ山へ行ってみた。
大滝の三階滝を経由して徳舜瞥山の登山口駐車場へ。
道中、支笏湖付近はまだ紅葉には程遠い感じであと1〜2週間ぐらいは掛かるかな〜と言う印象だった。
未だ夏の気配
徳舜瞥山登山口付近は先日の台風の影響もほとんど感じさせず、林道も特に荒れてはいない。
駐車場で準備を整え、のんびり歩き出す。
登山道も周りの森にも秋の気配は感じられず、かと言って花もなく、面白みのない道を淡々と進んでいく。しばらく行くと水音が聞こえ出し、6合目の水場の沢を横切る。
岩の苔も瑞々しい緑で夏色だ、わずかに落ち葉の枯葉色だけが夏の終わりを告げている。
水場の苔も瑞々しく、秋は感じられない
ほんのり
7合目を過ぎると木々の所々が僅かに色付き始めている。
色づいた部分だけを切り取れば少しは秋らしく感じられるが、全体としてはまだまだだ。
色付き始めた木々
登り始めて約1時間ほどの8合目を過ぎると樹林で妨げられていた視界が開けてくる。
風のない晴天のせいか、視界がやや霞んでいるのが残念だ。
眼下に広がるダケカンバの林と大滝の田園風景、左後方に有珠山が霞んでいる
日差しに透けた黄色い葉が印象的、ちょっぴり秋の気配が身近に感じられる。
9合目付近からは羊蹄山が頭を霞から出しているのが見て取れた。
いつ眺めても美しく良い感じ、などと自慢げにしていると山梨や静岡の方たちに笑われるか?
9合目付近から見る 羊蹄山
稜線
徳舜瞥山の山頂に到着、概ね1時間35分とコースタイムどうりで心配していた膝も少し痛む程度で大丈夫そう。
それならば、下りに注意しながらホロホロ山まで足を伸ばしてみることにしよう。
徳舜瞥山 山頂の南は切れ落ちている
山頂は夏と変わらぬ様相だけど、南側の崖の草は赤茶けて草紅葉。
少しづつ秋が忍び寄ってきているのだ。その草紅葉越しにホロホロ山を眺める。
撮影モードをビビットにしたら、色が濃くなりすぎて見た目とは違う印象になっていた。
切れ落ちた斜面の草紅葉とホロホロ山
私はこの約100mほど降ってから登り返して行く徳舜瞥山〜ホロホロ山を結ぶ短い稜線が好き。
左に田園風景、右に太平洋を眺め、後ろを振り返り前を睨み、花の時期は愛でながら、のんびり気分良く歩ける道なのだ。
特に鞍部から眺める徳舜瞥山のキリッと屹立する姿はいつ見ても格好良い。
稜線鞍部から見上げる徳舜瞥山
次いでホロホロ山へと登って行く、岩が目立ちその間をすり抜けて行くようになれば山頂は近い。
僅か30分強の稜線歩きでホロホロ山に着く。そして山頂で待っていたものは・・・。
ホロホロ山頂からの秋景色
徳舜瞥山と羊蹄山のコラボなのだ。
ナナカマドの実を前景に2山を。
ちょっぴり秋の風情になったかな?
角度を少し変えて大滝の田園を入れると、こんな具合。
支笏湖方面は写真を撮る気もなくなる霞っぷり、こんな日もあるさと早々に諦める。
同じくホロホロ山頂からの景観
ホロホロ山では白老側の登山口から登ってきた方と、しばし山談義。
同好の者同士で交わす話は弾み、山や沢・紅葉情報など尽きることなく楽しいものだ。しばらくすると徳舜瞥山から登山者が次々にやってきて、狭い山頂は手狭になり始め、私は引き返すことに。
徳舜瞥山へ引き返す稜線上でも何人もの人と交差する。
中でもトレランの若者の元気さとスピードには驚いた、羨ましくもあきれ返るほどの体力なのである。引き返してきた徳舜瞥山は思ったより閑散、登ってきた人の多くがホロホロ山まで足を伸ばしたのであろう。
視界は依然として霞んでいて、海岸線も見えてもいるが海が判別できないほどグレーに霞み、近くにあるオロフレ山さえも明瞭には見えていない。
近くのオロフレ山周辺でさえ、霞んでいて道南の山々は全く見えない
持ってきたお昼ご飯を食べながらぼんやり、暖かく昼寝でもしたくなる気分である。
そうだ壮瞥のリンゴを見に行こうと急に思い立ち、秋の気配を探しながら下山することに。登りで感じたのと同様、所々紅葉を感じさせる場所が点々とあり、これが徐々に増えていくのだろう。
まだ10日ぐらいは十分にかかると思われる徳舜瞥山の紅葉である。
徐々にこんな紅葉風景が増えていくのだろう
順調に下山、膝も思ったより痛みも少なく結構動いた、ちょっぴり自信にもなった。
帰りには壮瞥のりんご園まで足を伸ばし、出始めのりんごをお土産に買い求めた。
青空に映えるりんご
支笏湖や大滝方面の紅葉はまだ少し時が必要だ、北国では秋を堪能できるのはわずかな期間、それを逃さずに満喫したい。
ウサギのように耳を立て、情報を見逃さないよう注意して、楽しもうと思う。何せこの歳になると「あと何回見られうだろう?」と言う強迫観念にも似た感覚に襲われるのである。
おまけ
カミさんと散策中に幾つか面白いものを見つけたので、この場を借りてご紹介させて頂く。
まずは、センボンヤリ。
大名行列の先頭で 「下に〜・下に!」の掛け声と共に、槍の穂先につけた毛の飾りを振りながら練り歩くシーンを時代劇などで見る。
その槍の穂先の飾りに似ることから千本槍と名付けられた植物でタンポポの仲間である。春型と秋型があり、春は花が咲くが秋には一見蕾のような閉鎖花をつける、その閉鎖花が開いて花火のような形になっていたのを見つけたのだ。
センボンヤリ
次は、切り株の中のキノコたち。
何の変哲も無いキノコなのだが、切り株の窪みの中で育っている姿が何とも可愛く愛らしかった。
このキノコたちにとって、切り株の窪みが全て・宇宙なのだろう。
切り株の中のキノコ
そして透き通る木の葉。
ここにも秋の兆しが忍び寄っていた。
思わず「綺麗だね〜」と見上げた木の葉と青空
おまけのおまけは樽前山の見える草原で、でした。