幌平山 (718m) 

道央  2017.2.9(木)  晴れ

 


 

幌平山
冬晴れに輝く、幌平山(右)と恵庭岳

 

2017.2.9(木)
登山口 0930
C614m P 1035〜50
幌平山 1115〜45
登山口 1240

 

この冬は膝のリハビリを優先させ春からに備えるべく山は遠慮しておこうと考えていたのだが、穏やかに晴れた日など心も体も疼くような欲求に見舞われる。

この日も朝から良く晴れて穏やか、ウオーキング程度なら良かろうと勝手な理屈を並べて支笏湖へと向かった。
支笏湖氷涛祭りで込み合うだろう湖畔地区を避け、イチャンコッペ山へのルートの途中にある幌平山を目指してみた。

 

気持ち良い〜!

イチャンコッペ山登山口近くの支笏湖を望む駐車帯に車の姿は無く、お天気に誘われ誰か来ているだろうの予測は大外れ。
登山口で届けを出しながらノートを見ると、人はポツポツ訪れている程度。
このところ雪はほとんど降らなかったので、雪面は適度に締まっておりトレースもしっかり残っている。

スノーシューを履き、取り付きの急尾根をゆっくり登り始める。
久しぶりの冬山、汗をかかないことと膝と相談しながらに気を使いつつ歩をすすめる。
シーンとした静けさの中、スノーシューの雪を踏みしめるギュッギュという音が一人響いていく。
昨秋素晴らしい紅葉に感動した同じ尾根とは思えないモノトーンの世界、華やかさとは別物の美しい白の世界に溶け込んでいく気分だ。

超・気持ち良い〜!
忘れかけていた冬山のすばらしさの一端に触れ、気分は上々だ。
やがてイチャンコッペ山の7合目ピークが視界に入ってきた。

幌平山
取り付き尾根を登るとイチャンコッペの7合目ピーク(785m)が  右は614mピーク

 

アレレ?

当初はイチャンコッペ山には向かわず取り付き尾根をそのまま直進して幌平山へと思っていたのだが、余りにも良いお天気にそれではもったいないとイチャンコッペ山まで足を延ばすことに。

取り付き尾根のすぐ東側を並行して走る谷を廻りこむように幌平山の東斜面をトラバースしてC614mのピークへ。
夏道は614mPの北側に巻くのでピークに立つのは冬の特権である。
ピークからは紋別岳へ伸びる稜線と支笏湖そして湖畔に立つモーラップ山の景観が美しく見事。

紋別岳
614mPからの景観  中央左が紋別岳、正面の湖畔地区にモーラップ山とキムンモーラップ山

 

逆方向に目を向けると、屹立する恵庭岳とその引き立て役のような幌平山。

恵庭岳
恵庭岳と幌平山(右)

 

私は恵庭岳の展望なら幌平山だと思っているが、この写真の位置関係からもそれがご理解頂けるのではないだろうか?
一息入れ、ドライフルーツを頬張りながら恵庭岳や風不死岳・樽前山、タップコップ山、支笏湖などが描き出す大景観に見入ってしまう。

ところが、恵庭岳の背後から低い雪雲が忍び寄るように近づいて来ているのに気がついた。
アレレ? こんな良いお天気なのに・・・。
先ほどまで日差しを受けて華やかに輝いていた恵庭岳の表情が一変し、不機嫌そうに沈黙してしまう。
それだけではなく、さらに西側方向は雪雲に覆われ既に降り出しているような気配だ。

これではイチャンコッペに行っても仕方ない、なんとか晴れているうちに幌平山からの景観をと急ぎ幌平山へ直行だ。

 

微妙? ・・・

幌平山に続く明瞭な稜線を淡々と辿る。
この稜線の左側には毎年小さいながら雪庇が必ず出来る、それを頭に置きながら登っていく。
古いトレースが所々確認できる、それを参考にしながら安全係数をとってその右側を進む。
気温が緩んでいるのか、雪庇には既に小さな亀裂が入っている。クワバラ・クワバラ!

亀裂
稜線左の雪庇には、亀裂が

 

登る山頂方向の空は次第に暗くなり低い雲に覆われ出した。
焦っても仕方ない、ペースを維持して淡々と登る。
振り返るとまだ晴れているイチャンコッペ山と紋別岳が並び、その間から千歳市の街並みが望まれた。平和な穏やかな景観である。

稜線から
イチャンコッペ(左)と紋別岳(右) その間に千歳の街並みが

 

稜線を登りきるとすぐ先の木に手書きの山頂標識。
記憶ではもう少し奥だったように覚えているのだが・・・、ボケたのかな?
ともあれ久しぶりの幌平山山頂、嬉しいし達成感だって少しばかりある。

ただ期待の景観は、微妙・・・
低い雲が既に上空を覆い、陽光を遮断している。残念!
こんな時もあるさ、半分諦め持参のパンとコーヒーでお昼にする。

 

ありがとう!

ぼそぼそとパンを嚙りながら留守番のカミさんへ電話、すると雲の切れ間から差し込んだ陽光が恵庭岳の山頂部を照らし出しているのに気がついた。
電話機を放り出し、カメラに飛びつく。設定を確かめるのももどかしくシャッターを切る。

恵庭岳
幌平山山頂からの恵庭岳

 

日差しはすぐに遮られてしまう、逃すものかとカメラを手に場所を陣取りじっと待つ。待つこと約10分。

恵庭岳

 

間近から眺める恵庭岳の迫力は大層素晴らしい。
恵庭岳そのものが映えて見える場所は他に何箇所もあるけれど、山頂部に限れば幌平山は最高のポイントではなかろうか。

折角だから幌平山山頂からの他の景観も少しご覧いただこう。

幌平山から東はまだ晴れていて、紋別岳の右手には614mPからは見えなかった苫小牧の市街地や太平洋も見ることができた。。

紋別岳
紋別岳 右奥は苫小牧の街並み

 

樽前山や風不死岳そしてその西側は厚い雲に覆われ華やかな表情は得られなかったが、雲間から差し込む木漏れ日のような光が湖面に変化を付けてそれなりの表情を見せていた。

風不死岳
風不死岳と樽前山

 

わずか3時間ほどの雪山散歩、華やかな冬晴れの景観を期待したのだが途中から雲に覆われてしまってそれは叶わなかった。
それでも冬らしい支笏湖の山々の姿を堪能出来て嬉しかった。
出かけて来て良かったと感じ、出かける気力が湧いたことも良かったと思う。
全てに感謝したい心境であった。

久しぶりに支笏湖の雪山を歩いたのだが、嬉しいだけではなく気になったこともあった。
それはウサギの存在感が薄かったこと、鹿や狐の足跡はたくさん見かけたがウサギのものはほとんど見られなかった。
かつて幌平山はウサギ山かと思うほどウサギの気配が濃かったところ。

天敵が増えたのだろうか? 心配していたら山頂付近で新しい足跡に出会うことができた。
お互い、頑張って生きていこうね。

ウサギの足跡
この日やっと出会えたウサギの足跡

 

 

 

 

 


 

inserted by FC2 system