輝く霧氷 と オコタンペ湖

道央   2017.2.27(月)   晴れ

 


 

霧氷

 

厳寒の朝

2/27(月)、千歳地方は厳しく冷え込んだ。
サンルームに吊るした寒暖計は-19℃、3月間近としては滅多に無い冷え込みだ。
カーテンを開けると庭の木々が霧氷をまとい真っ白に変身していて、息を飲む。

川沿いならもっと凄く美しいかも・・・、カメラを引っ張り出し厚手の防寒具に身を包んで出かけてみた。

歩いて5分、広場を突っ切り近くの小川へ。
辺り一面霧氷でコーティングされ、何もかも真っ白な世界。
雑木林に朝日が差し込み、逆光を浴びた木々が思わぬ風情を見せている。

逆光の林
逆光を浴びて木々の霧氷が輝く

 

輝く霧氷

土手を歩くとそこは空と霧氷だけ、白と青の世界が広がっていた。

何の変哲もないハンノキなどの雑木林も白く化粧して見違えるばかり。
自然とは、摩訶不思議な洒落たことをする。

歩いて数分の所で、このような光景に出会えるとは何という幸せだろうか。
厳しい冬を耐え忍ぶ北国の人々への、自然からの贈り物。

霧氷の木
無愛想な小川の土手も、思わず見直す美しさ。

 

立ち枯れたヨシにも霧氷が、見慣れぬ光景が展開している。

ヨシ
重そうに霧氷をまとったヨシと雪原

 

霧氷を厚くまとった柳が日差しを一杯に受けて、一際白く輝いている。
厳寒の朝ならではの、自然が描き出した白の風景。
寒さも忘れ、おとぎの国をさまよい歩く。

 

霧氷
霧氷が創り出した、美しいおとぎの世界

 

写真を撮るだけだから30分あれば、と思っていたのに気づけば 1時間以上経っている。
青空に映える氷の華、それを少し強調してみる。

霧氷
青空に咲く、氷の華

 

美しい霧氷の花も、楽しめるのは平地ではせいぜい午前10時頃まで。
気温の上昇と共に、氷のかけらとなってパラパラ散り落ちる風情にも心惹かれるものがある。

 

オコタンペ湖

家の近くで霧氷の世界を堪能した後、千歳川の上流はさらに綺麗かもと車を走らせた。
ところが期待した光景には出会えなかった、どうやら我が家周辺が一番の見所であったらしい。
霧氷は同じような気象環境でも、過冷却水や水蒸気の濃度、風・温度など微妙な条件によって出来たり出来なかったりするので地域全体で均一に発生するとは限らないようなのである。

気付けば支笏湖の近くまで来ている、このまま帰るのはもったい無い。
山装備は持って来ていないが、スノーハイク程度なら大丈夫。
そこで久しぶりにオコタンペ湖へ行ってみることにした。

支笏湖の湖畔道路からホロホロ山や白老三山がくっきりと姿を見せている。
また白老台地の樹影があたかも水平線のようなラインを描いて面白い。

ほろほろ山
湖畔道路から見る、ホロホロ山(中央左)と白老三山(右)

 

風のいたずら

オコタン分岐側の除雪帯に車を止め、歩き出す。
しっかりしたトレースがあってつぼ足でも大丈夫な感じだが、トレースが何処まであるのか不明なのでスノーシューを履く。

トレースは二組に分かれオコタンペ山に取り付いていた。
恵庭岳に向かうルートには薄いトレースが微かに付いている。

途中、風のいたずらか船の舳先のような形をした雪形が、外形ばかりではなく内部も抉れていてまさしく船。
どうしてこのような形ができたのか、頭をひねっても答えは出てこない。

二もん
内部も抉れている舳先状の雪形

 

お久しぶり〜!

オコタンペ湖の展望台に着いたが、木が大きくなって見晴らしを邪魔している。
国立公園だから難しいこともあるのだろうが、これでは観光客の皆さんガッカリだろう。
せめてピクチャー・ウインドウ並みの展望が得られるよう、木々を切り詰める事は出来ないものか?

湖面まで降りてみる。
確かめるまでも無く、湖面はがっちり凍りついている。
比較的新しいトレースもあり、安心して概ね半周の散策を楽しむ。

北西から西にかけて、漁岳・小漁山・フレ岳を結ぶ稜線が日差しを浴びて輝いている。
素晴らしいお天気だ。


稜線
オコタンペ湖上から見る、漁岳(右 1317m)から小漁山(左 1235m)へ続く稜線

 

湖上からの景観を眺めるのは何年ぶりだろうか。
確か、小漁山にチャレンジして敗退した時以来だから6・7年ぶりだろう。
息も絶え絶え、あえなく敗退した急な尾根も見えている。

湖上を散策していると、快適だった漁岳から小漁山の稜線散歩を思い出す。
もう歩くこともあるまいと思いつつ、真白き稜線をじっと見上げる。

振り返ると、恵庭岳の山頂部が頭を出している。
オコタンペ湖から見ると、山頂より西峰の方が大きく立派に見える。
まだ2月なのに山頂の岩峰には、ほとんど雪が付いていないようだ。
どうしたのだろう? そんなに今年は雪が少なかったのかな。

恵庭岳
恵庭岳山頂(左) 右は西峰

 

漁岳は周囲の山々の中で一際大きく白く輝いている。
オコタンペ湖からだと前衛の小ピークが邪魔をして、山頂部しか見えないが立派なことには変わりはない。
きっと今日も何人もの人が、山頂直下の大斜面を楽しんでいることだろう。

漁岳
漁岳(左奥)

 

小漁山は小さくてもピリリと辛い、味のある私好みの山の一つ。

展望も素晴らしく、念願叶って山頂に立った時の喜びは今も忘れていない。

小漁り山
小漁山(1235m) 左端のピークは1128mP

 

約1時間半の湖上散歩を楽しんだら、お腹が空いた。
オコタンペ湖の真ん中に一人偉そうに腰を下ろし、コーヒーと甘いものを口にする。
もう来れることもないかも・・・。
そう思って記念の写真を一枚。

湖上で
オコタンペ湖の真ん中で記念に一枚

 

この日は厳寒の朝が創り出した見事な霧氷が描く、おとぎの世界を満喫することができた。
さらに欲張って足を伸ばした挙句、オコタンペ湖まで。

おかげで何年か振りに湖上からの景観を眺めることができた。
本当は山々から見下ろすオコタンペ湖の方が好きな私だが、それは叶わぬ夢となりつつある。
自然の中に身を置けるだけでも有難いと思い、機会をとらえ出かけてみようと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

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