信州・山見旅 第4日

2017.5.15(月)   曇り時々晴れ   5℃〜25℃

 


 

参道

 

 
時間
場所
備考
0500〜0700 戸隠神社 奥社  
0745〜0800 戸隠神社 中社  
0830〜0945 小鳥が池 霧晴れる
1040〜1100 善光寺  
1115〜1150 小川の庄 おやき
1300〜1345 上田城  
1415〜1530 コインランドリー  
1600〜 道の駅「マルメロの駅ながと」 温泉、コンビニ付き

 

今日歩く戸隠神社奥社及び参道と鏡池から眺める戸隠連峰は、共に今回の旅で楽しみにしている場所。

晴れを期待し早朝の撮影をと目論んでいたのに、夜半に車の屋根を叩く雨音。
まいったな〜! と気持ちも萎む。

朝 0430に起きて外を見る。どんよりした曇り空、そして霧。
あ〜あ、これなら奥社参拝が先だ。霧なら晴れてくるかもしれないし・・・。

 

戸隠神社 奥社

まだ薄暗い奥社の参道を進む。
静まり返った杉林の中に桜と辛夷の花が白く浮き立ち、カッコウの鳴き声が響いている。

気温は5℃前後、北海道の平地より寒いぐらいの感じで薄手のジャンパーを着ていてもひんやりだ。まあ、この付近の標高は1250m前後だから当たり前といえば当たり前か。

桜
戸隠神社の桜 杉に負けず背の高い木が多い

 

進むにつれ、参道の両側に杉の大木が威圧するかのように立ち並び、圧巻だ。
やがて杉木立ちの先に赤い門が見えてきた、隋神門である。

隋神門
隋神門が見えてきた

 

 

隋神門
杉の巨木に囲まれた隋神門

 

早朝でまだ誰も居ない隋神門、神聖さを感じるのか知らず知らずのうちに体が勝手に緊張し強ばってくるような感覚を覚える。

神様の森、神域、霊域に入るということを体が感じているのだろうか。
丁寧に一礼して門前に立つ。

隋神門
失礼のないよう緊張して

 

隋神門から奥社に伸びる参道は、立ち並ぶ杉がいよいよ巨大になり静けさが一段と高まっている。
鳥たちも遠慮しているのか、交わし合うさえずりも聞こえない。

杉の並木
隋神門から奥社への参道

 

隋神門から奥社へ向かう参道、荘厳さは最高潮。
立ち並ぶ杉の巨木一本一本がご神木と言って良い、そんな巨木が奥社へと導いてゆく。
何か神様に見つめられているような、懺悔をしなければならないような気分になってくる。

参道
奥社に導かれていく

 

漂う神聖さに翻弄され緊張の糸が途切れそうになる頃、建物が見えてきた。

二つの建物、どちらも拝殿のようだが? 
さて、ここは奥社のはず。

 

九頭龍社
九頭龍社

説明板を読んで驚いた、手前の建物が九頭龍社、そしてその奥にあるのが奥社とある。

九頭龍とは戸隠山の地主神が九頭一尾の龍だったことから名付けられ、九頭龍社は戸隠神社五社の中で最古の歴史を持つ神社なのだという。
そう言えば、戸隠連峰の一つに九頭龍山という山があったな。

己の無知や恥ずかしさはともかく、神様へ失礼をお詫びしながら九頭龍社にお参り。

参拝後、神社横に積まれていた残り雪で、恥ずかしさで火照った頭を冷やさせてもらった

 

 

奥社
戸隠神社奥社

 

戸隠神社奥社は九頭龍社のすぐ奥、距離にしてわずか10mほどしか離れていない。

奥社のご祭神は、天照大神が天岩戸にお隠れになった時に岩戸を無双の怪力で放り投げた男の神様、神話に基づいているのだ。
奥社は戸隠神社全体のご本社となっている。

改めて、心を込めて奥社でお参り。
朝の澄んだ空気の中、身も心もそして恥ずかしい気持ちも清められた心地になった。

 

九頭龍社の横に桜が一本見事な花を咲かせていた。
杉の緑一色の中に、ほのぼのした桜色が緊張をほぐしてくれるようで美しかった。

桜
緊張をほぐしてくれた一本の桜

 

奥社からの帰路は、気のせいか心も体も軽やか。
隋神門で一礼して、参道を戻る。

隋神門
隋神門

 

往路では気がつかなかったが、杉林の草地にはミズバショウ、エゾノリュウキンカ、ショウジョウバカマ、ヒメイチゲ、ニリンソウ、キクザキイチゲ、エゾエンゴサク、ギョウジャニンニク、アサツキ、コゴミなどが足の踏み場もないくらい。
やはり北海道の平地より春が遅い感じである。

細い横道から宿屋のご主人と思われる人が袋一杯の山菜を持って出てくるのを見た。
きっと宿の朝食として客を喜ばせるのだろう。

 

戸隠神社 中社

奥社参拝を終えても一面どんよりした曇り空、山の影さえ見えない状態だ。
これでは鏡池に行っても仕方ない、残念だが展望は諦め中社をお参りしよう。

 

中社
戸隠神社中社

 

中社は境内が比較的狭く、荘厳さでは奥社に一歩も二歩も譲るけれど社殿そのものはとても立派。

境内で目立つのは、樹齢700年以上の三本の御神木が概ね正三角形に配置されていることだ。
御神木は一箇所に一本となんとなく思っていたのは、間違いだったみたい。

ともあれ中社でも気持ちを込めてお参りする。

 

小鳥が池

空は少し明るさを取り戻してきたが、まだしっかり曇り空。
中社から小鳥が池の方向に散策路があり、案内表示もあったので歩いてみることに。

道路から外れ、小道を10分も進めば小鳥が池。
池のほとりにはミズバショウ、ショウジョウバカマ、ヒメイチゲ、エゾノリュウキンカなどがたくさん花をつけていた。

リュウキンか
エゾノリュウキンカとミズバショウ

よく見ると、この辺りのミズバショウは北海道のものよりかなり小さい。
花の大きさが僅か5cmほどのものもあり驚く。
これなら可憐というイメージにぴったり。
北海道のミズバショウは、花が30cm 葉は1m にもなり、可憐とはとても言えない別物なのだ。

小鳥が池で、花探しの一時を楽しむ。
まさか戸隠で早春の花たちと巡り会うなんて思いもしなかった。

 

himeitige
ヒメイチゲ

 

 


ショウジョウバカマ

 

花探しを楽しんでいる内に周囲が少し明るくなり、薄日が差してきた。

山の方を振り向くと、戸隠連峰が雲に覆われながらも姿を見せ始めた。
嬉しい! もしかしたら全容が見えるかもしれない。しばらく待ってみよう。

 

戸隠連峰
太陽 ガンバレ!

おしゃべりしながら待つこと30分、雲の流れが速くなり切れ間から青空も覗きだした。
嬉しいけれど雲が動けば風が出て池にはさざ波、水鏡は消えてしまう。
二律背反、如何ともしがたいことなのだ。

結局すっきり晴れるまでには至らなかったけれど、山頂稜線を確認できたしゴツゴツした厳しい岩肌の戸隠連峰を一望することができた。

すっかり諦めていた戸隠連峰の展望、見られただけでも幸い。
これも戸隠の神様のご加護だと思いたい。
ありがとうございました。

 

戸隠連峰
戸隠連峰と小鳥が池

 

記念写真
幸運に感謝しつつ

 

善光寺

戸隠から長野までカーナビの指示通り走っただけなのでルートは定かではないが、善光寺平へ下る信じられないほど曲がりくねった急坂には驚いた。
国道だか県道だか知らないがエンジンブレーキを1速にしても50Km以上のスピードになりブレーキを併用しなければ走れない道など初めての経験だった。

 

長野に来たら、話の種にも善光寺には行かなくてはなるまい。
と言う訳で、やってきました善光寺。

確かに大きく立派なお寺である。

善光寺
大きく立派な善光寺

 

年間、何百万人という人たちがお参りに訪れる大寺院。
境内も広く、花で埋め尽くされ、建物はどれも立派で巨大。

仁王門
善光寺仁王門

お参りし境内を散策していたら、なぜか香川の善通寺をふと思い出した。

牛に引かれて善光寺。
一度行けば話の種にはなる位の感動であった。

 

手焼き おやき

早朝から動いていたせいかお腹も減った。

門前町
善光寺門前町

 


善光寺門前町をぶらぶら観光していたら、「手焼きのおやきは、ここだけ」と言う張り紙を見つけ、入ってみた。

おやき
おやきを焼く店主の老夫婦

大きな囲炉裏、吊るされた鉄鍋、生地から具材まで全て奥さんの手作りというおやきをご主人が焼いて提供している。煤と煙で燻された店内、薪も手近なところに山積みされている。

3種類ほど焼いてもらいながら話を聞く。
無口な人なのかなと思っていたら、作り方、焼き方、昔との違いなどを朴訥と話しながら焼き上がったものを提供してくれる。
ご夫婦の素朴な振る舞いが心地よい。

やはり本場、雰囲気も味もさすがに美味しいおやきであった。

 

上田城

善光寺から真田氏の上田城へ。

上田城は大河ドラマの真田人気の影響で大賑わいだ。
だがお城一帯は公園として作り変えられ、城としての機能は全く失われていると言って過言ではない。

上田城
城内の回廊の一部

お城と関係ないのだが、上田市に入って感心し驚いたことがある。
それは学校がおしなべてとても立派に整備されていること。
外観も子供心を刺激するような現代的というか独創的というか目を引くし、周囲の環境も美しく整備されている。
子供達に郷土の誇りを持たせようとの配慮なのだと思う。

こんな環境で学び・遊ぶことは、子供達にきっと良い影響を与えるだろうと感心した。

 

道の駅「マルメロの駅 ながと」

上田城を見た後、カミさんは市内のコインランドリーで3日分のお洗濯。
その間に私はカメラのバッテリーの充電や点検、旅日誌の記載などで過ごす。

その後、道の駅「マルメロの駅 ながと」へ移動。
この道の駅も温泉付きでコンビニも併設、とても便利で使いやすかった。

ところでお相撲さんに御嶽海と言う小結がいるのをご存知だろうか?
彼は長野県出身、温泉の休憩室で大相撲のTVを見ているとさすが地元で大声援。
見ず知らずのおじいさん、おばあさんたちと親しくなれるチャンス、一緒になって声援を送った。

 

 

 




 

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