お庭の花たち

 


 

ワスレナグサ

 

春爛漫の象徴は「さくらやキタコブシ」だが、その盛りは僅か。
まだまだ楽しませて欲しいのに、散り急ぐかのように姿を消してしまった。(それが潔さを感じさせ、多くの人々から好かれている要因なのだが・・・)

そして各お庭や野の花たちも早春の花から代替わりして新たな花たちに、季節も初夏へと衣替えだ。
そんな情景を我が家の庭、ご近所のお庭、散歩道で集めてみたのでご紹介しよう。

 

勿忘草(ワスレナグサ)

園芸種の花が幅を利かせているこの頃、密やかに咲く路傍の花などは忘れ去られてしまったかような趨勢だ。
そんな風潮の中、この時期に咲く花で私が一番好きなのは「勿忘草」。
道端や川沿いで、いくらでも見られるあの花だ。
何とも言えない優しげな青、決して派手な青では無いのに私の気持ちを虜にする魔法の色合い。
数年前、矮性(草丈10cmほど)の勿忘草を偶然見つけ、我が家の庭に植えて楽しんでいる。

ワスレナグサ
矮性のワスレナグサ この色合いがたまらない

日差しの中では薄い青に、曇り空では濃い目の青に、決して自己主張はせず周囲に溶け込む目立たない花。
それなのに何故か気を惹き、無くてはならない存在感を漂わせているのだ。

ワスレナグサ
ワスレナグサ

この他に、路傍の花「オオイヌノフグリ」も同じような色合いで好きだ。
私がそう言うと、カミさんも大好きだと言う。
夫婦揃って勿忘草が好きだなんて変人扱いされそうだが、生まれながらの感性なのだろうから仕方ない。

ワスレナグサ
ワスレナグサ

 

ヒトリシズカ

カミさんが大好きなのが、ヒトリシズカ。
恥ずかしげに顔を覗かせる花と、それを守り抱くかの4枚の葉が印象的な花。

ヒトリシズカ
ヒトリシズカ

白い花とクッキリした葉の緑のコントラストも初夏を思わせる。
数本が寄り添って咲く様は、その名の通り一人静かな印象で慎ましやかな粧いが気品を感じさせるほど。
だが本当は意外に繁殖力の強い花であり、群生する様は正直少々ウザウザしい。

ヒトリシズカ
慎ましやかで気品すら感じさせるが・・・

 

園芸種の花たち

この時期、各家庭のお庭を拝見させて頂くとその多くは園芸種のお花たち。
大きく色鮮やかで、形や色も多種多様。拝見するだけでも楽しいものだ。

キカタクリ
黄色のカタクリ

我が家の庭にも頂き物などで、いつの間にか園芸種の花が居場所を広げ始めている。
白や青の花ばかりだと、何と無く寂しいような気になり黄色やピンクが欲しくなるのだ。

 

イワヤツデは山野草展で買い求めたもので、園芸種では無いかもしれないが少なくとも北海道の山野草ではない花だ。
でも、なんと無く可愛くて毎年咲くのを楽しみにしている花でもある。

イワヤツデ
イワヤツデ

ヤマブキも一般的には野の花と言って良いのだろうが、北海道には自生しない花。
これはカミさんの実家から貰ってきたものだ。
私はこの花を見ると必ず太田道灌を連想してしまう。古い人間なんだな〜。

ヤマブキ
ヤマブキ

水仙とチューリップはこの時期を代表する花。どこのご家庭にも咲いている。
北国では手入れをしなくても毎年楽しめるのも人気の理由なのかもしれない。

水仙
スイセン(ご近所のお庭で)

でも園芸種が多くなって、日本水仙や子供達が絵に描くような原種のチューリップが少なくなっているのは少し寂しい気もする。

チューリップ
チューリップ(ご近所のお庭で)

ムスカリは繁殖力のとても強い花。
気を許していると庭のあちこちから芽を出し、勢力範囲を広げていく。
捨てられたものか、道端や野に根付き群落を作っているものもある。
我が家ではプリムラと共に花壇の境界として活躍してもらっている。

ムスカリ
ムスカリ

 

野の花

この季節まで散歩道で見かける花は早春のフクジュソウ位だったが、ようやく多くの花の姿を目にするようになってきて嬉しい。
その先頭バッターが、キジムシロ。
小さな黄色い点々が枯れ野の中に・・・、何だと目をやると枯れ草の中の小さな緑から黄色の花。
小さな緑がお座布団のようでもあり、雉が座る筵とは良く言ったものだ。

キジムシロ
キジムシロ

同じ道を歩いていても、毎日その数を増やし目を楽しませてくれる。
そしてこの花からは、ミヤマキンバイなどの山の花々が連想され、山好きは気持ちが浮き立ってくるのである。

 

キジムシロ
キジムシロ

 

スミレの仲間も見られるようになってくる。

タチツボスミレはその中でも、最も一般的なスミレとして親しまれている。

タチツボスミレ
タチツボスミレ

決して目立つ花ではない、でも小さな紫の塊に気づいて、その可愛らしさに見入ってしまう時もしばしばなのだ。

スミレには種類が多く、私には見分けがつかないものが多い。
その中でも私が好んでいるのは、ニョイスミレ。

ニョイスミレ
ニョイスミレ

白い花弁に青の線が入っているものが多いようだが、我が家のニョイスミレは青い部分が大きく広い。
真っ白なスミレもあるのだが、こちらの方が好み。相性なのかな〜?

 

おしまいは何処かのお庭から逃げ出したのか、アブラナ科と思われる白い花が元気一杯な花を道端に咲かせていた。
何という名前なのか近所の人たちに聞いたのだが、ありふれている割に知っている人は居ない。と言う訳で私は「ハタザオのような白い花」と呼んでいる。

白い花
日差しを浴びて元気に輝く白い花

 

雪解けから1ヶ月と少しで北国の春は足早に過ぎ去り、初夏へと一直線。
山々はそれに遅れること一月でその後を追い、私たちにもう一度春の花たちを楽しませてくれる。
昔のように暇を見つけて訪ね歩くことは体力的に難しくなってきているが、今年も何とか一回は見に行きたいと思う。
さて、どこに行こうかな?

 

 

 

 

 

 

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