アンデスの山旅 第7日目

ウルタ峠(4890m)、ウルタ(5875m)、コントライェルバス(6036m)

チョピカルキ(6354m)、ワスカラン(6768m)

2009.6.7(日)  晴れ一時曇り


 

やま
チョピカルキ(6354m)東面

 

2009.6.7(日)
カルワス 0700
ウルタ谷ゲート 0805
ウルタ峠 1040〜1130
C3200m地点 1320〜1400
カルワス 1600
金鉱山 1700〜1810
ワラス 1840

ウルタ峠

今日はブランカ山群で車が通る最高高度地点であるウルタ峠(4890m)まで行く。

カルワスの町から直ぐ東へウルタ谷を登り、小さな集落を幾つも抜けて行く。
この道もインカ時代からアンデスとアマゾンを結んでいた重要な道だったそうだ。

車窓からはチェキアラフ(5286m)、ウルタ(5875m)、コントライェルバス(6036m)、チョピカルキ(6354m)、ワスカラン(6768m)などが見え隠れしている。

車は大きなU字谷の底に広がる草原とお花畑の中を進み、やがて斜度30度はあろうかという急斜面を大きくジグを切って延々と登って行く。

4000mを超える辺りから今まで見た事の無い、3〜4種類の花を見つけたが車を止める訳にもゆかず、確認も出来ず、写真も撮れなかった。

 

 

やま
チェキアラフ(5236m)

 

yama
ウルタ(5874m)

 

yama
ウルタ南峰(5536m)

 

yama
チョピカルキ(6354m)

 

雲が〜!

10時半すぎに今回のツアーでの最高到達高度4890mのウルタ峠に到着である。
朝は快晴のお天気だったのに、東のアマゾン方面から続々と雲が沸き上がり西へ広がり出し、山々を隠そうとしている。
最高高度到達の感激に浸っている暇はない。

コンドルが続けざまに2羽、輪を描きながら上昇して来た。
上昇気流が強い事を示しているのかも知れない。
であれば、雲の勢いは増すばかりだろう。

狭い道路脇に分散し撮影を開始するが、狙い目のチョピカルキには雲がかかり出している。
30分ほど待機してみたが、雲は厚く容易にとれそうにもない。
待つ事には慣れているカメラ屋さん達もさすがに諦めたようだ。

やま
コントライェルバス

 

やま
チョピカルキ

仕方なく引き返す事に

 

名言

待機している間に、ガイドと二人でしばらく話をしていた。
他愛ない話ばかりなのだが、彼に「君にとってアンデスとは何だ?」と聞いてみた。
彼曰く、「クスコなどに行くとインカの生活、匂いを感じることができる。それに引き換えアンデスでは、インカのスピリットが精神が感じられると思う。」

ペルーに初めて来た私は、ペルーの事もインカの事も何も知らないが、妙に心を打たれ、納得させられる言葉であった。
「実に良い言葉だ、名言だな」と言ったら、嬉しそうにそして恥ずかしそうに微笑んだ。

ガイドガイドの二人と

 

お昼寝

U字谷の底まで下り、昼食の大休憩。
何所までも広がるルピナスのお花畑、花の香りが満ちあふれている。
あちこちに散乱する牛の糞に注意しながら腰を下ろしお弁当を頂く。

 

昼食
お花畑に囲まれて、お弁当を頂く


放牧されている牛達が何事かと近づいてくる。
大人しいけれど、ぶつかりそうで少し怖い。

 

お弁当が欲しいのかい?牛

余りの気持ち良さに、昼寝をしてしまった。

 

夕景

一旦カルワスへ戻り、ネグラ山脈側のアメリカ資本の金鉱山がある山の中腹まで登り、夕景を見る事になった。
大型トラックやダンプが行き交う道沿いにカメラの放列を並べ、日没を待つ。

やがてブランカ山群北部の山々に夕日が当たり始め、茜色に染まる山々を心ゆくまで撮影することができた。

 

夕日
ワスカラン 夕照

 

やま
夕日に染まる、コパ(6188m)支稜

 

やま
茜空

 

夕食会

今日はワラスまで戻り、リマへ帰る明日に備える。
アシスタント・ガイドとは今日でお別れだ。
良く動いてくれ、お世話になったお礼に、心ばかりの品を渡す。
その時私を見つめながら、小声で「ピスコ」とささやいた。
黙って笑いながら力を込めて、握手をした。

今回のツアーは実質的に今日で終了、町のレストランで夕食会が催された。
若い二人組の歌手が、ペルーの歌を熱唱してくれ思いで深い夜となった。

念願だったアンデスの旅も終わりかと思うと、満足感とともに一抹の淋しさを感じざるを得ない。

 

続、盗難事件

昨日発覚した、パスポートと現金の盗難事件。

ツアーリーダーが念のため、泊まったホテルに問い合わせ確認した所、ホテルに置き忘れていて保管されている事が判明した。
盗難ではなく、ご本人の過失、忘れ物であったのだ。

一件落着で皆一緒に帰国できる事になり、良かった。
ご本人も満面の笑顔で喜んでおられる。

本当に良かったけれど、盗難事件と言う事でツアー参加の皆さんが、不安や相互不信の気持ちを多少なりとも抱き、一時的にせよ嫌疑をかけられる立場になった事は不愉快な事であった。
自分のふとした言動が他の人に及ぼす影響にまで思いを致す、言い換えれば自分にされて嫌な事はしないのが大人の態度だ。
せめて今回の場合も、盗難ではなく紛失と申告すれば印象はかなり違ったと思うのだが。

ともあれ、このように集団で行動する際は他人に迷惑や不快感を抱かせないよう、自分の事はしっかり管理するのが最低限のマナーだと改めて強く感じた。

 

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第8日目へ続く

 

 

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