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旅立ち
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「狭い日本、そんなに急いでどこに行く」 良く聞く言葉だ。
千歳から徳島へ移動しての正直な感想は「日本も結構広くて長い」であった。
弥生三月、春ではあるが今朝の北海道は氷点下の銀世界、北の海は冷たく暗い鉛色。
着いた四国は明るい陽光にあふれ、花々が咲き草木は緑色、海は暖かそうな群青色だ。
四国は花で溢れていた。
これだけ気象を始め地域環境が異なるのだから、物の感じ方や考え方が違うのは当たり前のような気がする。
これから約一ヶ月半、今までと違う空気の中で非日常的な日々を過ごす事になる。
どうなるものやら不安と期待が入り交じる。
鳴門バスストップに降りると、周囲には梅や椿、イヌフグリ、カタバミ、スイセンなどの花々が咲き、うららか、北海道とは2ヶ月ぐらい季節が違う感がする。
北海道では5月の花だ
鳴門西のバスストップ近くにはドイツ館という立派な建物が、ドイツ人捕虜収容所があった関係らしく、関連の映画ロケ撮影地も近くにありちょっと見物。
ドイツ館
映画ロケ地
朱色の大鳥居が建つ大麻比古神社に立ち寄ろる、丁度民家から出てきたおじいさんが話しかけてきた。
問われるままに、北海道から来た事、明日から歩いてお参りする事などを話すと、「ゆっくり、挫けず頑張りなさい」と励まされた。
これがお接待というものか、気持ちを込めてお礼申し上げた。
神社には楠木の大木があり、広く静かで荘厳。
旅の安全・無事をお願いする。
神社の大楠木
一番札所「霊山寺」門前の「門前一番街」で、遍路用品を購入。
店のお姉さんは押し付ける訳でもなく、なかなか親切。
相談しながら、白衣、菅笠、輪袈裟、納経帳、納め札、金剛杖などを購入、もっとも私たちは同行三人で歩く積りなので金剛杖はカミさん用に一本、私は山歩き用のストックだ。
お経も一枚の紙にダウンロードしラミネート加工してきたものを使う。まだお遍路の本格的シーズンには早いらしく、お店は暇のよう。
お茶を頂きながらお遍路よもやま話を色々聞かせてもらう。
お遍路笑い話、失敗談、お店とお寺の関係など、現場に居る人でなければの話も多く、参考になり大いに笑わせてもらった。
時間も早いので、付近を散策し、宿へと向かう。
丁度下校時間なのか、小中学生達と出会う。
元気良く挨拶してくれ気持ち良い「オ〜ス!」と返すと、可笑しいと笑い転げている。
純朴で素直な子供達だ。今日の宿は門前近くの「かどや椿荘」。客は私たち二人だけであった。
温厚で明るいおかみさんと物静かで穏やかなご主人、ご主人の趣味の焼き物と絵がセンス良く玄関や部屋に飾られていてよい雰囲気だ。
掃除も行き届き清潔、料理も手作りで美味しく二人とも完食、ごちそうさまでした。明日の宿は、6番安楽寺にTelしたが満室と断られ、7番十楽寺の宿坊に予約した。
春爛漫
霊山寺門前通り
四国遍路巡礼旅
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