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お地蔵様
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遍路道は鳥坂トンネル手前から左に入って行くが、この雨で山越えは滑り危ないと判断、そのまま進みトンネルを通過することにした。
トンネルは雨の日曜日しかも早朝で、車の往来も少なく一気に通過する。
このトンネルの入り口には反射テープのたすきが置かれ借りられる、有り難く借用してトンネルを通過した。
このたすきの効果は抜群で、多くの車は早めに私たちを避けてくれ安心して歩く事が出来た。
皆さんで大事に使いたいものですし、出来れば自分用のものを準備しておくと良いと思います。国道を歩いていると、雨の中休憩所もトイレもなく困ったが、札掛に小さなパーキングエリアがあり助かった。
パンを分け合って食べるが気温が低く寒い位、雨は次第に強くなりしぶきを上げて道路を叩いている。
大洲付近の風景
10時頃、大洲市内に入る。
おはなはん通りや川、お城などを見ながら歩く。
大洲はいかにも城下町の風情、お菓子屋やお茶の店も多く多くの伝統が息づいている感じの良い町だ。
おはなはん通り
川には屋台舟が並び、時期には鵜飼見物でもするのだろうか?
大洲のお城
雨に打たれ濡れ、寒さに震えて、大洲の中心部をすぎた郊外の大型スーパーに飛び込む。
開店直後で食堂は準備中であったが、お願いして熱いラーメンとコーヒーを頂く。
雨で濡れた指先が上手く動かせない程冷えていたがラーメンの器を両手で挟むとジ〜ンと暖かさが伝わって来て感覚が戻ってくる。
幸い、店内は空いていたので約1時間ゆっくりさせてもらう。調理担当の女性が今年はうるう年で逆打が縁起が良いと聞いたので、バスで逆打に行って来たばかりだと話してくれる。
その話を聞いていた隣のテーブルの女性も最近ご主人と車で回って来たが、どこを走っているのかさえ解らず、ただ判子をもらってくるのが忙しかったと、巡礼の話で盛り上がり励まして頂いた。再び雨に濡れて冷え、風邪でも引いたら大変と薄手のダウンジャケットを雨着の下に来て出発、身も心もすっかり暖まり一安心である。
別格の十夜ヶ橋はすぐ近くにあった。
国道に面して本堂と大師堂が建っている何の風情もない所。
橋の下の大師像に幾重にもお布団がかけてあるのも何か不自然な感じを受けるは私一人なのだろうか。
十夜ヶ橋
伝説では、ここで弘法大師が泊まられた時、寒くてよく寝ることが出来なかった。
それ以降、橋の上では杖をつかないこととされているそうだ。
お大師様や宗教家の真の教えと、この種の迷信をまことしやかに同一視するのはどうなのだろう。
まあ、仏教に限らずこの種の話はどの宗教にもあることらしいので、目くじら立てる必要はないとおもうけれど・・・。
橋の下の大師像
これまでの経験から別格や番外のお寺の方の参拝者に対する対応は一応に丁寧で優しいと感じて来た、でも十夜ヶ橋は違った。
納経に出て来たお坊さんは昼食中だったのか、口をモグモグさせながら納経し終わると即、戸をぴしゃりと閉めた。
何が気に入らなかったのだろうか、カミさんがきちんと納経帳を開きいつもと同様「よろしくお願い致します」と笑顔でお願いしたのにだ。
雨に打たれ濡れているのは私達だ。
ま、坊主も人間、腹の虫の居所が悪かったのだろうが、とても悟りはおろか修行もろくに出来ていない人間に見えた。
「喝!」だ。
十夜ヶ橋からは国道や遍路道を使い、内子の運動公園を経て内子市内へ
内子付近の風景
内子運動公園の池
内子市内には桜が美しく咲き、内子座や古い町並みと大洲に引けを取らず歴史を感じさせる町だ。
内子市内の桜
雨の中市内を概ね一周して風情を楽しんだ。
雨にもかかわらず、多くの人達が内子の風情を楽しみ散策している。
歌舞伎で有名な内子座
この日の宿は内子の市内にある旅館「新町荘本店」
この宿、料亭を経営しているだけあって料理は季節感溢れ、ツクシの酢の物、新タケノコの煮物、カジカの串焼き、郷土料理の鯛麺、をはじめ刺身、茶碗蒸し、など食べ切れない程の品が並び、堪能した。
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