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道迷い
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379号線を小田川の流れと見上げるように作られた段々畑を眺めながら大瀬に向かって歩く。
段々畑が続く
どんな所、場所がお寺にはふさわしいのか? そんな話をしながら歩く。
神聖な雰囲気を感じる所、参拝し易い所、開基する方が霊気などを感じられた所、檀家が多く得られる所・・・などなど。
でもやはりお寺らしく、ありがたい気持ちでお参りできる環境が大事だろうと言うのが私達のまとまった意見で、そうするとこれまでお参りして来た四国の霊場は何所も程度の差こそあれ素晴らしい所に建っていたねと納得した。次いで環境と言う話から、教育や子育てに環境が及ぼす影響などについて何時もの通りあれこれと会話は弾んだ。
丁度部活があるのか、中学生が三々五々登校していて元気に挨拶してくれる。
都会に住み、遊ぶのも友達付き合いも何をするのもお金・お金中心の生き方しか知らない子供と、この大瀬のような所に住む、お金を使いたくても使う場所が日常にはない中で遊び、友達と付き合う子供、どちらが幸せなのだろう、どちらが健全なのだろうと思う。
勉学を中心に考えれば都会の近い程色々な機会は多いしチャンスも多い、一長一短があり容易に結論を出すことは出来ないが、私は親の働く背中を直に見ながら育つ地方の子供の生き方に共感を覚える。
そうであれば、私も子育てを考えて東京生まれ東京育ちであるにも関らず北海道に家を建てたのだが、あながち間違ってはいなかったのではないか・・・などなど話しながら歩いていると大瀬の中学校まで来ていた。
大瀬の町並み
大瀬の休憩所に立ち寄ると犬を連れた一人の男性がドラム缶でゴミを燃やしていた。
休ませて下さいと声をかけたが一瞥しただけで無視され、何となく不穏な白々した雰囲気、早々に退散した。
この休憩所にはお遍路さんのマナーに関する新聞記事などが何枚も貼ってあった。
もしかしたら、彼はマナー違反のお遍路が汚く残したゴミを掃除し燃やしていたのではないか、汚されて機嫌が悪かったのではないかと勝手に想像し、少なくとも私達はそのようなことがないよう留意して歩こうと話し合った。
吉野川トンネルを抜け鴇田峠への道に入る。田渡小学校前の休憩所で早お昼にした。
どんより曇って今にも降り出しそうなお天気に花桃の紅色が映えている。
花桃の花
積雲が山を覆い暗くなって来たと思ったら、落合トンネル手前でとうとう降り出した。
積雲の固まりが通過してしまえば止むとは思うが、結構強い雨脚となりたまらず雨着を引っ張りだす。
しゅう雨に見舞われる
雨は三嶋神社を過ぎても降り続き、その後も断続的に降り一時霰も混じった。
三島神社はとても立派な神社、端正な佇まいで静かに建っていた。
三嶋神社
これから越える鴇田峠はネットなどで見る限り大変だったと言う内容の記述が多く、私達が通るのは疲れてくる午後になるので、要注意箇所としてマークしていた。
午後1時に標高400mの鴇田峠遍路道入り口、僅か10分登ると舗装道路に出た。
少し下がってしばらく歩き大きな道路を横切り、緩やかに登る道を行くと道はそのまま山道へと続いている。
付近は別荘地、1軒だけ住んでいて鶏を放し飼いにしていた。
畑仕事をしていた男性に大きな声で挨拶すると「雨が降って大変だったね〜、久万へは後1時間、頑張って!」と大きな声援を頂いた。
鴇田峠への道
ここからが大変なのかとゆっくり20分ほど登って行くと平らになり、鴇田峠とある。
あまりにもあっけなく拍子抜けの感であった。
ネットなどで言われている大変さは、歩く距離が長く大変と言う意味であったかも知れない。
鴇田峠
峠からは滑りそうな下り坂を注意しながら降りれば久万高原の中心部へ出た。
丁度、郵便局があったのでお金を下ろし、宿へと向かった。
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