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計画変更
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松山市は城下町だっただけあって、寺町とか大工町などかつては職業によって住む地域が決まっていたらしく、寺町とおぼしきお寺が集まっている辺りは桜が満開で美しい。
桜が美しい
道はやがて196号線沿いになるが、川を挟んで歩道があるので気持ちよく安心して歩ける。
道行く人に挨拶しながら歩く、反応はまちまちだが、傾向が分かって来た。
散歩やジョギング、犬の散歩の人達は必ずと言って良い程挨拶を返してくれるが、通勤・通学の人達は目を合わそうとしないで通り過ぎて行く。
考えてみれば当たり前の事だ。
仕事や学校で忙しいのに遊んでいるやつとのんびり挨拶なんか出来るかと、私だって思うだろう。
非日常の時間を過ごしている人間と社会の中で精一杯活きている人が融合するのはとても難しい事なのだ。7時半を過ぎ、朝食を食べていないのでお腹が空いて来たがそれまで何カ所もあったコンビニもお店もパタリと無くなった。
そのうちあるだろうと歩き続ける。
196号線から離れ田園地帯の中、灌漑用の池や堰の横を通り大山寺へ近づいて行く。
灌漑用の池を通る。
太山寺は松山市郊外の山の中腹にあり、広大な敷地で仁王門から山門まで500m以上、そこから本堂まで急坂を400m位、本堂に着くまで辛い思いと待ちこがれる思いを味わされる造りになっている。
太山寺山門
本堂は国宝だそうで木組みも太く重厚な感じを受ける。
幸いお参りの人も少なく、ゆっくり心ゆくまで静かにお参りし、境内を散策した。
太山寺本堂
53番円明寺までは30分程の道のり、9時を過ぎていて我慢できない程の空腹、低血糖になるのではと心配になる程だ。
円明寺の山門横に八百屋があるのを見つけた、巻き寿司を売っていたので即購入、お参りする前に境内のベンチに座り込み、みかんと共に朝食としてエネルギー切れになる直前に補給する事が出来た。円明寺は町中にあるこじんまりしたお寺、二層になった山門が目を引いていた。
円明寺
一路、347号線を海沿いに歩く。
久しぶりの海のような気がするが、高知の荒々しい感じとは一変、静かな海だ。
やや霞んでいて島影がボヤ〜としか見えないのが残念だ。
久しぶりの海
お昼になって伊予北条に来たので、駅近くのスーパーのファミレスで昼食。
ゆっくり休む。
昼食後、鎌大師へ向かう。
通りかかった女子高校生に道を尋ねたら、顔を紅潮させながらじっくり考えて的確な説明をしてくれた。
理知的でいい子だった、しかも中々可愛い。鎌大師は山里にある明るい感じの小さなお寺、お参りし納経をお願いする際、カミさんが「十夜ヶ橋と文殊院でとても嫌な思いをしたので気が進まないわ」と言う。
「ここはすでに引退されたそうだけど、とても優しい尼さんが住職をされていたらしいし、大丈夫だよ」
その間私は境内をブラついていたが5分位しても納経所から出て来ない、どうしたのかと思っていたら満面の笑みとお接待されたと言う手作りのティッシュ入れや紙人形を手にして出て来て曰く、「とても若いのにしっかりしたお坊さん、お話も色々して下さったわ」
鎌大師
お坊さんによると、今日は夫婦のお参りが4組もあって珍しいとの事、問われて明日明後日と石鎚山に登ると言うと、それは素晴らしい自分も先日行って来たが雪が多いので注意して下さいとアドバイスを受けたそうだ。
お接待のティッシュ入れや人形は近所のおばあさん達が作ってくれるのでお配りしているとの事、境内内に設置されている遍路休憩所には果物やお菓子、おまんじゅう、缶コーヒーが置かれていて自由に食べられるようになっており、お参りの人達を気持ち良く迎える姿勢が素晴らしい。
地域の方達の信頼を集め、厚い支援を受けているのが良く判ったお寺、何だかとても好きになってしまった。
貼ってある人生訓に納得
鎌大師から少し登ると小さな峠、浅海の町と海がよく見えた。
浅海の町
浅海から菊間は海沿いの道を淡々と歩くこと約1時間、瓦で有名なこの町さすがと思わせるものが所々に見て取れる。
今日これからは石鎚登山に備え、横峰寺の登山口に近い伊予小松までJRでワープする。
四国へ来て始めて乗るJR、菊間を午後4時に伊予小松には5時前に着いた。
JRで小1時間もかかる距離を後日歩かなければならないと思うと少々気が重くなった。
伊予小松からタクシーで大頭へ行き、そこから今日の宿である「湯の里小町 しこくや」へ歩く。「しこくや」は温泉付きのホテルといった感じで十分すぎる施設・設備である、料金は普通だと思うが洗濯や飲み物などの付帯料金が高く、少し使いづらかった。
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