|
登山準備
|
5時半薄明るくなって出発、石鎚山に800回も登っているベテランのNEさんをリーダーに行くので安心して歩く事が出来る。
出発して間もなく、日の出。
空が黄金色に輝き今日の素晴らしいお天気と登山の成功を約束してくれているようだ。
石鎚の日の出
一旦、少し下り八丁坂から緩やかに登り始める、この付近から雪が多くなりアイゼンをつける。
お借りしたアイゼンは12本爪、NEさんは8本爪をつけていて、申し訳ない気分だ。少し行くと石鎚山全景が良く見える地点にでた。
朝食を摂りながら大景観を楽しむ。
朝食中のNMさん(左)とNEさん
凛々しく聳え立つ岩山、素晴らしい光景だ。
正直、四国にこれほどの山があるとは思っても居なかったし、雪の中を歩くとも思っていなかった。
4合目付近を行く
雪は4月で締まってはいないが、量はかなりある。
NEさんによれば、今年の石鎚山は何十年振りの大雪であったとか。
急斜面を登る
アイゼンを効かせしばらく登ると、石鎚山名物の鎖場「試し鎖」。
石鎚山には4カ所の鎖場があり、下から試し鎖、一の鎖、二の鎖、三の鎖となっていて、現在の雪の状態では鎖を通らず全て巻き道を使うのが通常だそうだが、NEさんは私に何としても鎖を登らせたいと一部が雪から出ている試し鎖と一の鎖をチャレンンジする事に。
そのお気持ちがありがたく、嬉しい。
試し鎖
巻き道へのトレースから離れ、雪の急斜面を登って上半分が雪から出ている試し鎖に取り付く、直径15cm程の太い鎖が斜度60度位の岩場に吊り下げられ、鎖を頼りに登って行く。
中々の迫力で面白い。
試し鎖の下り部分
試し鎖はまさに試しで、石鎚山への途中にある岩峰に取り付けられているもので登れば降りなくてはならない、南に面している下りの鎖は雪は無く、岩の下りを楽しめた。
石鎚山が迫って来て、山頂付近の大岩盤が凄まじく切れ落ちているのが良く見える。
山頂を見ながら一休み
振り返ると周辺の山々が姿よく立ち並んでいた。
次の一の鎖では軽アイゼンのNMさんは巻き道を利用し、NEさんと私が挑戦。
NEさんの的確な指示に従い、ルートを選び鎖に取り付く。
鎖自体より、鎖に取り付くまでの急斜面の方が緊張した。
一の鎖
どうやらクリヤーしたら、すでの巻き道から登ったNMさんが待っていた。
ここから山頂までの標高差は400mほどだが急斜面のトラバースなどもありしかも凍っている部分もあって安全確保に時間がかかる。
二の鎖、三の鎖はまだ雪に埋まっていて使えず、巻き道を登る。
山頂へはこの尾根を登る
山頂に通じる尾根を見上げると各鎖場の小屋が見え、ルートが真っすぐに延びている。
上々のお天気、久しぶりの雪の感触も気持ちが良い。
三の鎖の巻き道を上がると、そこが山頂であった。
快晴無風の山頂、惜しむらくは黄砂で霞んでいる事。
瀬戸内海は何とか見えるものの、中国山地や室戸岬などは望むべくも無かった。
山頂から天狗岳
山頂にザックを置き、すぐ横に見えている鋭い岩峰の天狗岳を往復する。
狭い岩の稜線を慎重に渡り、天狗岳には15分程。
天狗岳山頂
念願の石鎚山山頂に立つことが出来た。
案内して下さったNEさん、NMさんと握手。
感激の一瞬である。
天狗岳から山頂方向
天狗岳から振り返れば、石鎚山山頂神社が存在感をアッピールしているようだ。
NMさんと
再び岩稜を渡って、石鎚山に戻る。
周囲には姿形の良い山々が並び、登山意欲をかき立てる。
形の良い山々が
登って来た天狗岳が鋭い姿で屹立している。
あそこに立ったのだと思うと改めて感動が湧いてくる。
天狗岳の勇姿
山頂神社はさすがと思わせる程立派。
こんな山頂に良く建てたなと思わせる程立派な建物、心を鎮めてお参りした。
山頂神社
山頂でゆっくり休憩、NEさんの奥様手作りのお弁当を美味しく頂く。おこわのおにぎりは絶品であった。
陽射しもあり暖かく眠くなるような陽気、カミさんに電話すると自分の事のように喜んでくれる。
皆さんの力と気持ちが私の願望を叶えてくれた、回りの人達に生かされているのだと言う気持ちが心の中で大きくなった。下山も二の鎖下までは急斜面があり、慎重に通過する。
その後は順調に下り、成就社には2時間弱で帰り着いた。私の為に多大なご尽力を頂いたNEさん、そしてわざわざ高知から来てくれたNMさん、感謝と御礼の握手。
本当に有り難うございました。
そしてカミさんが雪の中に入れて冷やしておいたメロンを登頂記念として皆で食べた。
いや〜、美味い!
それから成就社に赴き、昨日お祓いをして頂いたお陰で無事山頂神社にお参りし下山した旨を報告、御朱印を頂く。
神主さんは実に柔和で温厚な方、昨日のお祓い同様、丁寧に記帳して下さった。カミさんは私達が登山中、旅館の若主人が愛媛や石鎚山の本やビデオを見せてくれたり、近傍を散歩したりで過ごし、少しも退屈しなかったようだ。よかった〜!
お世話になった白石旅館にお礼を言い、ロープウェイで下山する。
NMさんと再会を約してお別れし、NEさんの車に便乗させてもらい、一昨日歩いた菊間へ送って頂く。
車中では、山の話、遍路の話、NEさんの夢など話題が尽きる事はなく、アッと言う間に菊間に着いた。
言葉で尽くせぬ程お世話になったNEさん、凄過ぎたお接待に心からお礼を申し上げお別れする。
松山名物のお菓子や北海道の味を久しく味わっていないだろうとホタテの干貝柱まで頂き、私達が角を曲がるまで見送って下さった。今日の宿は菊間の旅館「月の家」、料理は美味しく食べ切れない程の量で、女将も若女将も話し好き、お遍路の色々な情報を提供してくれ参考になった。
ただ、エアコンを使うと喉がいがらっぽくなるなど、全体にやや雑然としているのが少々気になった。
|