遍路33日目

(菊間、54番延命寺・・・58番仙遊寺、伊予富田)

石像

 

遍路33日目
2008.4.6(日) 曇りのち晴れ

0610 旅館月の家
0740〜0755 海浜公園
0900〜0920 54番 延命寺

1005〜1025

55番 南光坊
1100〜1120 56番 泰山寺
1205〜1220 57番 栄福寺
1305〜1235 58番 仙遊寺
1440 ホテル
コスモオサム
   
今日の歩行距離
46,629歩
30.4km
総歩行距離
1498,263歩
938km

造船王国

6時過ぎに宿を出発、昨日NEさんに送って頂いた、車で1時間の道を二日かけて歩く事になる。
国道沿いに行くと太陽石油の製油所、この製油所は地下の岩盤をくり抜いた大きな石油貯蔵施設をもっているそうだ。

太陽石油
太陽石油製油所

歩く国道は幅広い歩道がつけられていて歩き易く助かる。
1時間半ほど歩くと海浜公園があり一休み、有名な来島ドックが近くに見え、大きな自動車運搬船が建造されていた。

来島ドック来島ドック

聞く所によると愛媛県は日本有数の造船県なのだそうだ。
日本の造船の70%以上が関西以西で作られ、その中で愛媛県は大きなウェイトを占めているという。

 

 

お寺回り

お坊さんの檀家回りは良く聞くが、今日は延光寺から約3kmおきにお寺があり合計5つお寺を参拝する、まさにお寺回りなのである。
海から離れ東へと歩く、道路沿いには桜が今を盛りに咲き競っていて美しい。
至る所に桜がある、日本人は桜が好きな民族なんだなと改めて思う。

桜桜はやっぱり美しく奇麗

 

延命寺

来島ドックから約1時間で延命寺。
小高い丘にあり、落ち着いた境内は心地がいい。

延命寺本堂延命寺

ゆっくりお参りし、境内のベンチでみかんなどのおやつを食べる。
宿で一緒だった区切り打ちだという名古屋のお姉ちゃんも元気にやって来た。

 

南光坊

延命寺から45分で今治駅近くの南光坊。
町中故仕方ないのだろうが境内の本堂と大師堂の間に駐車場があったりして落ち着かない。

南光坊南光坊本堂

○○坊と名が付くのはここ南光坊だけ、良くは知らないが隣り合って建っている「別宮大山祗神社」と関係があるらしい。
徳川時代の政僧「南光坊天海」とは無関係である。

大師堂南光坊

納経所のお坊さんは納経書の裏ページの住所・氏名を見て「遠い所から来たんだね、次の泰山寺まではこの地図で行きなさい」と手作りの地図をくれ、説明して下さった。

 

泰山寺

泰山寺は今治市の郊外、田園の中にあるこじんまりしたお寺。

泰山寺泰山寺

境内は整然とし掃除も行き届いている。
納経所では2匹のマルチーズが看板犬の如く振る舞っていて可愛い、人気の的であった。
境内で昨日別れ際にNEさんから頂いたお菓子とみかんで小腹を満たす。
丁度休憩していたお遍路さんや到着した名古屋の姉ちゃんにも分け、喜ばれた。

泰山寺からは国道からはずれ、昔の遍路道を歩く。
町中の狭い道、田のあぜ道、川沿いの道と変化があって面白く楽しい。
桜が至る所で美しさを競い合っている、後数日のはかない命だろうにけなげに精一杯咲いていた。

 

栄福寺

丘の上にあるこれまた小さなお寺。
すぐそばにある岩清水八幡の脇寺のような感じさえする位置関係、造りだ。

栄福寺にて永福寺

本堂の横に箱車が置かれている聞けば、足の悪かった少年がこの寺にお参りに来て歩けるようになったので奉納したものだそうだ。
信じられないような話だが、この種の話を四国では幾つも聞いた。
レベルは違うが、私自身も心配していた腰や膝の爆弾が明らかに良くなっていると実感しているのだ。
ひたすら歩いているのが良いのかも知れない、でもお大師様のお陰であると思いたい心境でもある。

永福寺栄福寺

 

仙遊寺

永福寺を出ると遍路道は南へ進む。
進む方向の山の上に小さくお寺のような建物が見える。
「あそこまで行くのかい? 遠すぎるよね」などと話しながら歩く。
犬塚池というかなり大きな池があり、ほとりで一休みしながら昼食。
食後、みかんのデザートとしゃれ込む、種類が多く美味しく感じるがいささか飽きて来た。
カミさんもみかんを食べ過ぎて「お腹の中で発酵してきたみたい」と、のたまう。

犬塚池犬塚池

遍路道は徐々に登りになり車道と合流してさらに登って行く。
やはり山の上に見えたのが仙遊寺だったのだ。
バスが排気ガスをまき散らしながら私達を追い越して行く。

山門に着き、そこからさらにジグザクの石段を10分近くも登って境内に出る。

仙遊寺山門仙遊寺山門

息が弾み、汗が吹き出る。深い林の中を喘ぎながら登って行く。
大汗をかきながらたどり着く境内は、有り難さを感じるもの。
静かにゆっくりお参りをと思っていたが、境内の様子を見て驚いた。

仙遊寺仙遊寺

美しく小さく纏まった本堂や大師堂の境内に比して、宿坊の大きく立派な事、そして駐車場からやってくる人達のがやがやした話し声とけたたましい笑い声、例の如くお堂の前を占拠してのお参り、何回見ても素直に納得できない私がそこに居る。

良いじゃないか、人は人、俺は俺。
でも他人がどう感じるか位、想像したって良いじゃないか。
あまりにも自己中心的過ぎないかい?
そう思う俺が自己中心的なのかい?

唯一の救いは納経所で山のような納経書や軸を処置していた奥さんと思われる人が、歩きの方は先にどうぞと言ってくれた事。
この優しさのお陰で仙遊寺の印象がそれ以上悪くなる事は無かった。

仙遊寺からの展望仙遊寺からの展望

今日の宿は仙遊寺から国分寺方向へ約4kmほどにあるホテル。
ホテルへと歩いていると、二人のおばあさんから呼び止められお賽銭だと10円づつ頂く。
次のお寺で必ずおばあさん達からのお賽銭として入れておきますと約束した。
ありがとうございました。

ホテルには3じ前にチェックインし、温泉に二度も入り疲れを癒した。

 

 

うららかなお花見日和、桜を楽しんだりおしゃべりをしたりルンルン気分でいたものの、1日5カ所のお寺を回るとなると最後の一つは遠く感じる。
「もしかして、あの山の中腹の大きな屋根?」
まさかが本当になり、気持ちを立て直して歩き続ける。
大きなバスが次々に後ろから風を切って走りすぎるとなんだか惨め!

急な石段を登り切って仙遊寺、あの大屋根は宿坊だった。
大汗をかいてたどり着いたお寺は皆、心に残る。
「遍路は人生だ」の言葉が浮かんだ。

 

石仏と ならんで拝む つくし摘み

 

 

 

 

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