お願いは一つね
|
59番 国分寺
|
7時丁度に国分寺に到着。
堂々とした感じの良いお寺、まだ誰もいない境内をゆっくりお参りする。
昨日おばあさんから頂いたお賽銭も代わりに入れた。
国分寺
境内の桜が散り始め道路を白く染めている。
命短しだが、散り際が潔い。
国分寺本堂
本堂も大師堂も堂々として雨に佇んでいた。
境内には握手をすると願いを叶えて下さるというお大師様がおられ「お大師様はお忙しいので、願い事は一つにして下さい」という注意書きがあり笑ってしまった。
大師堂と大師像
納経所へ行くと素晴らしいお化粧をし奇麗な服を着た女性が、笑っては損とばかり能面のような表情で納経してくれた。
この人も檀家さんや大口寄付者の前では、にこやかに笑ったり品を作ったりするんだろうにな〜。
雨は次第に本降りになって来た。
道の駅「今治湯ノ浦温泉」で一休み、朝食にする。
湯浦温泉、知らなかったが大きなホテルや旅館が何軒もありこの辺では名を知られている所のようだ。
雨の道は景色も見えず騒音で話も出来ずに淡々と歩く、途中栴檀寺の前を通り伊予三芳から大頭へ。
出来れば興隆寺と生木地蔵をお参りしたいと思っていたが、雨に濡れてその気はなくなり、ひたすら横峰寺へ歩いた大頭を目指す。
山は煙って見えず雨は激しさを増して来た。
大頭にはお昼に到着、これで歩き遍路の道を繋ぐ事は出来た。
濡れた体で申し訳ないと思ったがタクシーを呼び、先日歩いた63番吉祥寺までワープする。吉祥寺前でタクシーを降りるが、豪雨のまっただ中。
タクシーのワイパーをフル回転させても前がよく見えない程の雨だ。
タクシーの運転手さんに同情されながら、意を決して歩き出す、破れかぶれだ。それにしても四国の雨は凄い、高知の雨は下から降ると言われたが愛媛の雨は何と言うのだろう。
菅笠を被っていても顔は濡れ眼鏡は曇る、手袋はぐしょぐしょで寒い位。
完全防水を期して来た靴にも水がしみ込みだした。
1300に前神寺、駐車場にはバスが停まっていたが多くの人はバスの中からお参りしていたようだった。
この豪雨だもの、仕方ないさ。でも、そんな冷ややかな目で見なくても良いんじゃない?前神寺はとても立派かつ荘厳なお寺。
境内も建物も大きく歴史を感じさせられる風情、雨に煙って荘厳さがさらに演出されている。
奥まった本堂は一段と格調高く、思わず一礼してしまう。
ゆっくりお参りしたいお寺であったが、ものすごい雨。
堪らずそそくさとお参りを済ませ納経所へ、この寺の分と併せて奥の院である石鎚山奥前神寺の納経もして頂いた。
前神寺大師堂
お参りするのに荷物を納経所に置かせてもらっていたので、カメラを持って行くのを忘れていた。
立派な本堂や回りの写真を撮りたいと再度本堂へ行こうとしたら、カミさんが震えている。
濡れた上に気温も低く体温が下がっているのだ、早く暖かい所で熱いものを食べようとそうそうに前神寺を後にした。
幸い近くにセルフのうどん屋さんがあったので飛び込む。
セルフとはどうするのか分からないので、素うどんを頼み棚に載っている具を適当に選んで乗せた。
天ぷらと卵、ネギとショウガに唐辛子もたっぷり入れた。
二人分で700円、安くて美味しくさすが本場と思わされた。
熱いうどんのお陰でカミさんの震えも治った、熱々うどんの威力絶大である。前神寺周辺は石鎚山で持っているような感じ、近くには大変大きな石鎚神社があるし、石鎚の名を使った商店も多い。
駅も石鎚山だし温泉も石鎚温泉。もちろん石鎚神社のご神体は石鎚山だ。前神寺からは雨で遍路道の足場も悪くなっているだろうと、騒音と水しぶきを覚悟で国道を歩いた。
雨に煙る風景
途中渡った大きな川にはお祭りで使う山車の模型が飾られていた、有名なお祭りで山車が何台も海へと出て行くのだそうだ。
伊予西条から雨でほとんど休めず新居浜へ、スーパーのコーヒーショップで暖をとりながら休憩しホッとする。
お祭りの山車
新居浜市はさすがに大きな町、国道の両側に商店がズラリと並び賑やか、雨も小降りになって来た。
疲れも出て、無口になりながら商店街を抜けると今日の宿「BH MISORA」が見えて来た。
安心と疲れで、足の力が抜けて行くようだった。今日は私の計算間違いで、考えていたより長い距離を歩くはめになってしまった。
しかも激しい雨の中。
カミさんもグッタリ疲れ、お風呂に入って横になったと思ったら寝息を立てている。
おつかれさま!
|