昆布岳(1045m) (道央) 2003.9.15(日)
8合目付近から見た昆布岳 |
9月の連休、大雪の紅葉が見ごろを迎えたとの情報で紅葉狩りに出かけるつもりだったのですが、台風14号の来襲で土曜・日曜はつぶれ、最終日は無理して疲れてもと以前から気になっていた山、羊蹄山の南に立つ昆布岳に行ってみることにしたのです。
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道央南部の山や支笏湖周辺の山々に登ると、羊蹄山やニセコ連山の南に一際目立つ独立峰があります。昆布岳です。 山頂部がツンと突き出しているためか、とても印象的な山容で機会があれば登ってみたいと気になっていた山なのです。 昆布岳のコンブは一説によると、アイヌ語の「トコンポ・ヌプリ」(小さなコブ山)が語源で、コンポムプリ→混保岳→昆布岳と呼ばれるようになったのだそうです。 登山口へは国道37号線の豊浦から702号線に入り、後は案内看板に導かれて迷わず行くことが出来ます。 駐車場の前に大きな農家があり、その横から登山道が始まります。 |
登山道を歩きはじめるとすぐにカラマツ林、ふと見ると私達が唯一つ判別可能なラクヨウ・キノコが生えているではありませんか。
数個でしたら、そのまま登っていったのでしょうが、いくつもあるのです。欲望には勝てずゴミ入れ用の袋を出して、真剣に探索です。20分ほどで袋1/4ぐらい頂くことが出来ました。
こいつは出だしから縁起が良いとルンルン気分で登ります、登山道はやや単調ですが良く笹刈りなどの手入れがされている気持ちの良い道です。
五合目には、大きな穴の開いた岩、通称「メガネ岩」があり、覗くと洞爺湖を望むことが出来ました。
この時期ですから、花は多くありません。正直言って貧弱で、ユウゼンギクとかハンゴンソウなどが彩りを添えてくれています。
ルスツ方面から見た昆布岳 |
メガネ岩 |
メガネ岩を過ぎた時、ケェー!!と言う甲高い鳴き声と共にカラスより少し小さい真っ黒い鳥が私達の頭上を横切り、5m程の岳樺の大木の幹に止まりました。
紛れもなくクマゲラ。食跡は何度が見たことがあるのですが、実物を見るのは初めてです。
指を差したまま凍りついたように注視していると、後ろからカミさんがカメラ・カメラとささやいています。
慌ててカメラを取りだし、電源ON・ズーム。
でも、クマゲラは待ってくれませんでした。再びあの独特の鳴き声を残して、飛び去っていきました。
この昆布岳は大ざっぱに言うと、7合目までは昆布岳へのアプローチでそれからが昆布岳への本格的な登山道です。とは言え、9合目までは緩やかな登りで、最後だけがハイマツと笹の急斜面ですが一息で山頂です。
山頂からの展望は独立峰だけあって、素晴らしいの一言です。
昆布岳山頂からニセコ連山 |
昆布岳山頂 この看板もユニークですね |
羊蹄山やニセコ連山、洞爺湖と噴火湾は言うに及ばず、尻別山・無位根山・札幌岳・空沼岳〜支笏湖周辺の山々、徳舜瞥山・ホロホロ山・オロフレ山そして駒ヶ岳を始めとする道南の山々。
さすがに独立峰、時間の経つのを忘れてしまうほどですが、お天気が良すぎて遠くが霞んでいるのが勿体ないようです。
お昼にはまだ早いので、ゼリーやトマトなどで小腹を満たします。
後から登ってきたご夫婦が美味しそうにタバコを吸い出しました、頂上での一服は堪らないのでしょうね。気持ちは判るような気がするのですがタバコを吸わない私達はむせる一方、退散するより仕方ありません。
羊蹄山と尻別岳を眺めながら |
ユウゼンギク |
下山は来た道を引き返します。メガネ岩でお昼にしました、少し涼しい陽気に暖かいラーメンと紅茶が元気を与えてくれるようです。
帰り道、またカラマツ林に立ちよりお土産を頂いて、ルンルン気分で登山口に帰り着きました。
帰路、登山口から車で5分位の所にポンベツの滝と言う案内表示を見つけ、折角だからと行ってみました。降りていくと昆布岳から流れ出しているポンベツ川に出合い、河辺を沢歩き気分で遡っていきます。沢靴を持ってきていたら、川の中を歩きたくなる程、綺麗で良い雰囲気の所を約15分程行くと、ポンベツの滝。
想像していたより立派な滝です。昆布岳に来た折りには、立ち寄られることをぜひお勧めします。
ポンベツの滝 |
秋の気配が・・・ |
秋晴れの一日、昆布岳からの眺望を思う存分楽しみました。
この山はやはり、展望の山なのだと思います。
思わぬお土産、ラクヨウ・キノコの一部 |
ゲットしたキノコは、余すことなく美味しく頂きました。山の神様、有り難うございました。