ニセイカウシュッペ山 (1879m) (北大雪)  2004.7.29(木) 曇り



7.29(木)
登山口 0640
展望台 0745
山頂 0945
山頂 1130
展望台 1315
登山口 1355
ニセイカウシュッペ山は東隣の平山と共に多くの花々が楽しめる山として、また層雲峡を挟んで大雪の北に在る為、大雪の展望台としてその名を馳せています。

今回は6月に引き続いて、定年退職平日登山隊の仲間GKさん、YHさんと写真を撮ることを第一目的にして、第一日目にニセイカウシュッペ山、第2日目に平山を訪れる計画です。

持参した器材はGKさんがニコンF100とニコンD70の2台にレンズ3本、YHさんがニコンD70にレンズ2本、コンパクト派の私はキャノンPower Shot Pro1、それに三脚やフィルター、予備のメモリー、バッテリー等とザックの1/3〜1/2を占めています。

写真を撮ることが目的ですから、撮影タイム無制限にするため余裕時間をたっぷりとってのチンタラ、のんびり登山です。

前夜、当麻の道の駅で待ち合わせ車中泊、7.29(木)早朝登山口へ出発です。
登山口へは国道39号線で上川へ、そこから国道273号線に入り約10kmの中越にニセイカウシュッペ山登山口の看板標識が右側に出ています。
標識に従って右折、林道に入ります。林道には適時案内標識がありますので、迷うことは無いと思います。
ただ、途中に鍵のついたゲートがありますので、事前に森林管理署上川事務所(01658-2-2001)または上川森林管理署(0166-61-0206)に鍵NOを確認しておく必要があります。

登山口は車20台ほど駐車出来る広さがありますが、トイレはありません。
ここで登山準備をして、出発です。

予報では朝から晴れるはずだったのですが、どんより雲がかかっていて山の中腹から上は雲の中です。
1・2時間もすれば晴れるはずと期待に胸膨らませ、歩き出します。道は緩やかで林道の続きのような感じです。

歩き初めて20分ほどでヤマハハコやミミコウモリ、エゾレイジンソウに混じってウメバチソウが早くも顔を覗かせました。


ウメバチソウ

清楚な姿形と純白さが見るものの目を惹き付けるようです。

1530mの展望台では、雲の中に入ってしまい展望どころではありません。
涼しいのが唯一の救いですが、ついつい口をついで出るのは気象庁への悪態、罵詈雑言です。
言った所で晴れる訳では無いのですが・・・・。

道は良く整備されていているのですが、雲中で何処をどう歩いているのか皆目見当もつきません。
そうこうしている内に、道の両側にお花畑が出て来ました。
チングルマの穂が朝露に濡れて輝いています。


朝露に濡れたチングルマの穂

チングルマの他にはヨツバシオガマ、エゾツツジ、マルバシモツケ、ウサギギク等も霧の中に霞んで咲いています。
各自、好みの構図で花達を切り取りながら写真に収めていきます。
GKさん、YHさんは景色は諦めマクロレンズに交換して、もっぱら花狙いです。

やがて小さな雪渓が見えました、どうやら沢の源頭部のような感じで雪の溶けた所にはエゾコザクラやハクサンイチゲ、シオガマギク、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ハイオトギリ、タカネシオガマ等が一面に咲き競っていました。


ハイオトギリ

雲は晴れるどころか、薄くなる気配すら感じさせません。谷から1段と濃い塊が吹き上がってきているようです。

道が北に方向を変え、土から岩混じりの道に変わってきました。
イワギキョウ、チシマギキョウが姿を現し、まるで春の花から秋の花まで揃い踏み状態です。


イワギキョウ

緩やかな斜面にハイマツが出て来て、ひと登りするとそこが山頂でした。
山頂標識の数メートル向こうは雲で煙って見えない状態です。

じっとしていると、涼しさを通り越して薄ら寒いような感じになってきます。
長そでシャツとレインウェアーの上着を着て、温かいコーヒーを入れ、晴れる気配を待つ事にしました。

山頂で一緒になった、新潟から来られた陽気な御夫婦と山や花談義で盛り上がりながら晴れるのをひたすら待ったのでした。
山頂付近にはキキョウの他にリンネソウ、ミヤマアキノキリンソウ、エゾヒメクワガタ、エゾゴゼンタチバナなども咲いていて、花の豊かな山であることを実感しました。

1時間もすると、時々雲が薄くなったり、日差しを感じるようになり、皆で「太陽、頑張れ!」の大声援。
ゆっくり昼食をとり、イジイジ待つこと約2時間、時々雲底が上がり霧が流れる感じにはなってきましたが、見晴らしはとても期待出来そうにありません。

しびれを切らして、景色は明日、平山から眺めようと下山することに。


雲が上がってきて、少しは視界が・・・

大槍の側まで戻った時、一瞬大槍の天辺がうっすらと見えました。
雲が切れるかも知れないと、しばらく待つことにしました。先に降り始めていた御夫婦も立ち止まって晴れるのを見守っています。

見えました。霧に時々覆われますが、大槍が姿を、平山に続く稜線上の岩峰も、見え始めました。


やっと姿を見せた大槍

天気は私達の期待に徐々にではですが、答えてくれているようです。
20分ほど待っていると、明日登る平山の平らな稜線がうっすら煙るように見え始めました。
ですが一気に晴れるのは難しいようで、ゆっくり下りながら景色を楽しめればもうけ物と思い直し、下っていきます。

少し離れている小槍が鋭い岩肌を見せるようになります。なかなかの迫力です。


やっと覗いた青空をバックに大槍

お花畑の霧が晴れて、見渡せるようになっていました。
谷に続く斜面全体にシナノキンバイやミヤマキンポウゲの黄色を中心にモミジカラマツ、ハクサンイチゲの白、ヨツバシオガマの紅がまき散らされているようです。


谷に続くお花畑

展望台まで戻ってきました。微かですが大雪の山々がシルエットのように見え始めました。
振り返ると、ニセイカウシュッペ山が初めてその姿を私達に見せてくれています。
ああ、こういう山で、ルートはこうだったのかと、頭の整理が出来たような感じでした。


姿を見せた、ニセイカウシュッペ山

初めて訪れたニセイカウシュッペ山は予報より半日天候回復が遅れた為、期待していた展望は見られませんでしたが、花の種類と量の多さには感動ものでした。
しかも、登るのに足への負担も少なく、ファミリー登山にも向いている山ではないでしょうか。

来年の花のシーズンには、ぜひカミさんと来ようと心に決めた私でした。

見かけた花々の一部
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