稀府(まれっぷ)(702m) (道央)  2004.2.5(土)  曇り、雪



2.5(土)
登山口 0905
尾根取り付き 0955
尾根410m地点 1030
515mP 1100
612mP 1120
稀府岳山頂 1155
稀府岳山頂 1310
登山口 1410
稀府岳は室蘭市の北側に聳える室蘭岳と伊達市の伊達紋別岳の中間に位置する標高700mほどの山です。

国道36号線から見る稀府岳は極く平凡な山容なのですが、伊達紋別岳や室蘭岳から見る稀府岳は北側がスッパリと切れ落ち鋭く堂々とした姿を誇示しているようです。

夏季は余程の薮漕ぎを覚悟しなくては登ることの出来ない稀府岳、積雪期には容易に登れるとHYMLのメンバー達と訪れてみました。

登山口へは室蘭から国道36号線で伊達方面に進み、南稀府のバス停の信号で右折、道なりに2.2km進んで左折、約500mで養鶏所手前の小さな牧場があります。
牧場のプレハブ小屋から右に入る林道入口が登山口になります。


国道36号線から見た稀府岳(中央右)、右に延びる南西尾根を登る

登山口には駐車場はありません。道端か牧場事務所の脇にお願いして停めさせてもらいましょう。


登山口、正面の小道を進んでいく

準備を整え、緩やかに小さな谷地形に続く林道を進んでいきます。
左手には養鶏所の鳥小屋が見え隠れしています。
しばらく行くと廃屋になった家の土台があり、トドマツの植林地を通り抜ける辺りから右の稀府岳の南西尾根に取り付きます。

細い木々が密集して生えていますので、この山は山スキーよりスノーシューかワカンが適していると思います。


林の中で一休み

尾根に出ると比較的緩やかな傾斜の斜面が続き、雪が締まっていれば快適に歩ける所だと思います。
ただこの日は雪が少ない為か、笹が完全に寝ておらずその上に雪がかぶっている状態であった為、体重をかけるとズブッ!ともぐってしまう、いわゆる「もなか状態」で、新雪の深雪より始末に悪く、悪戦苦闘してしまいました。
室蘭方面は一般的に雪が少ないので、稀府岳登山には2月の後半から3月が良いのかも知れません。

天気は曇り、雪で近くの室蘭岳の山頂は雲に隠れています。有珠山は姿も見えませんでしたが、室蘭市街と港が静かに横たわっていました。


尾根から望む室蘭市街

稀府岳の南西尾根をもなか状態の雪に苦しみながら登って行きます。
1回潜ってしまうと次の一歩を踏み出そうとしても自慢の短足が邪魔をして踏み出せず、もがけばもがくほど沈んでいくのです。
「アレ〜! ヨイショ! アラショ! クソッ! コノヤロウ! 助けて〜! ・・・」
交代でラッセルする掛け声とも罵声ともつかぬ品性むき出しの言葉が飛び交ったのでした。


景色を楽しみつつ、のんびり

しばらく行くとピークが見えてきました。
「ふーむ、あれか〜」と思いつつ眺めているとリーダーのGanさんがニヤニヤ笑っています。
稀府岳あらず手前の偽ピークでした。


612mの偽ピークを登る

偽ピークを躱すと、二つのピークが目の前に現れました。
三角錐に切り立った鋭い山容、まさしく稀府岳です。「オ〜!と歓声が上がります。」
西風が強いのでしょう、稜線の東側には小さいながらも雪庇が張り出しています。


姿を見せた稀府岳(奥)

風に曝されている尾根は雪も締まっており、歩きやすくなってきました。
僅かな距離ですが、右側の雪庇に注意しながら山頂を目指します。


山頂はもう少し

山頂目前です。稜線の雪庇と斜度がいい感じです。
皆さん噛みしめるように最後の登りを楽しんでいるようです。


山頂直下を登る。 (NMさん撮影)

稀府岳山頂に到着です。
低いながらも変化に富む気持の良い稀府岳でした。

風が強くなってきて、雪も混じってきました。
ツェルトを張り、雪を掘り、6人が風を避けられる場所を作って昼食です。
鍋におでんを暖め、各人持参のおにぎりとで賑やかなお昼ご飯を頂きます。
非常用のアルコールまで全てお腹の中に収まりました。


賑やかにお昼ご飯。(GKさん撮影)

残念ながら雲と雪の為、眺望は今一です。
それでも、伊達市や室蘭市、噴火湾がかすかに望まれました。


山頂から伊達方面

雪庇を踏み抜かぬよう注意しながら覗き込む稀府岳北側はスッパリと切れ落ちていて恐いぐらいです。


山頂からの室蘭市方面

東隣の室蘭岳が時々全容を見せてくれていました。


室蘭岳

1時間以上山頂でゆっくりし、下山することに。
下山は来たルートをそのまま引き返します。
歩きにくいもなか雪に変わりありませんが、やはり下りは速いものです。
急な斜面は尻滑りを楽しみながら、1時間で降りてしまいました。


室蘭市を眼下に下山。(NMさん撮影)

私事になりますが、私にとってこの稀府岳は200山目の山でありました。

稀府岳は標高700mと決して高い山ではありませんが、樹木に覆われた尾根までの部分、開けた尾根歩き、見る角度によって様々な表情を見せる山容、魅力的な鋭いピーク、そして適度な距離と変化に富んだ楽しい山でした。
200山と言う一つの節目の山として、私の背丈に合った山のように感じました。
今後も百名山などの名の知られた山に限らず、低く・小さくとも自分の好みにあったそして背丈に応じた山々を楽しんでいけたらと思っています。

楽しめた稀府岳、今回一緒にこれなかったカミさんを連れて、3月の晴天の日にもう一度訪れてみたいと思います。

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