恵庭岳 (1320m) (道央) 2005.2.2(水) 晴れ
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オコタンペ湖から見た冬の恵庭岳の美しくも厳しく屹立している姿に感動し、平日登山隊のGKさんとYHさんをお誘いして厳冬期の恵庭岳に行ってきました。
山スキー初心者の三人ですので、山頂に立つことを目的とせず、冬の恵庭岳を体験し楽しむことが狙いです。 冬の恵庭岳に登るにはオコタンペ湖に通じる道の恵庭市と千歳市の境界付近から尾根に取り付くのが一般的ようですが、私達は恵庭岳北西尾根をオコタン分岐から忠実に登るルートを選択しました。 オコタン分岐の駐車帯で待ち合わせ、「ヤァヤァ、今日もよろしく」と挨拶して、出発準備です。 |
オコタン分岐の駐車帯、向こうは札幌方面 |
駐車帯の裏手から小さな谷筋に添って入り、右手の尾根に徐々に取り付いていきます。
雪は比較的軽く、スキー靴のくるぶし辺りまでですからラッセルも気にならない程度です。
所々、目印の赤布が付けられていましたし、スキーで降りてきたトレースがかすかに残っていました。
気持ち良く登る、GKさんとYHさん |
標高800m手前にはかなりの急斜面があり、ジグを切って登りましたが、一汗書いてしまいました。
ここを登り切りしばらく行くと、前方に恵庭岳山頂岩峰が正面に見えてきました。
思わず歓声が上がります。
恵庭岳山頂岩峰を見ながら、ひたすら歩を進める |
ドーンと聳えている、山頂岩峰 |
お天気もどんどん良くなってきているようです。
漁岳や丹鳴岳などの山々やオコタンペ湖の眺望が楽しみです。
振り返ると、イチャンコッペ山が木々の間から姿を見せていました。
イチャンコッペ山 |
標高900メートルを過ぎると正面から左手にかけて小さな谷になっていて、右手から回り込むように進んでいくと、952mPに出ます。
木々が薄くなり、漁岳から小漁岳、フレ岳、丹鳴岳と続く稜線が目の前に現れました。
その下には木々の間からオコタンペ湖が望まれています。
小漁岳と漁岳(右) |
952mPから南にコンパスを切り、恵庭岳山頂に突き上げている北西尾根を登るのですが、これが大変な急斜面。
ジグを切って登るのも、傾斜が急な為ズルズルとスキーが流れ、体中に余分な力が入ってエネルギーを浪費していくようです。
三歩進んで、二歩後退。こんな状態の中、黙々と頑張ります。
そんな中、ふと周りを見ると木々の霧氷が白く美しく声援を送ってくれているようです。
霧氷に覆われた木々 |
励まし合いながら苦戦すること1時間、やっと1070mの平らな台地に辿り着きました。
思わず休憩です。時間を見るとすでに1230。お腹も空きました。
おにぎりと暖かい飲み物でお昼ご飯です。
木々越しに恵庭岳西尾根の岩稜がドッシリと姿を見せています。
恵庭岳西尾根の岩稜 |
恵庭岳山頂岩峰が真近に見えますが、辿り着くにはさらに1時間ほど急斜面を登らねばなりません。
時間はすでに1300近く、行っていけない時間ではありませんがオコタン分岐に戻るのは1600近くになりそうです。
山頂岩峰、もうすぐなのだが・・・ |
三人で相談です。「無理はすまい、今日はこれで十分だ。又来よう。」
シールを外して下山準備です。
滑り降りるのも急斜面ですから大変です。木々の少ない所は良いのですが、木々が混んでいると恐くて突っ込んでいけません。
結局、斜滑降キックターン斜滑降の連続で952mPまで降りました。
そこからはオコタンペ湖や徳舜瞥山などが静かに佇んでいるのを目にする事が出来ました。
小漁岳の麓に凍てついたオコタンペ湖、右は漁岳 |
奥に徳舜瞥山、右手は丹鳴岳 |
後はひたすら来た時のトレースを忠実に辿って、降りていきます。
木々の少ない所は各人各様に滑っていくのですが、スキーのレベルが同じような三人、木々が混んでいる所は余計な力が入ってトレースから外れ、木に抱きついたり、吹きだまりに突っ込んだり、登りとは違った苦労をしながらそれでも何とか無事にオコタン分岐へ降りてきました。
厳冬期の恵庭岳、山頂まで行くことは出来ませんでしたが、美しさと厳しさを肌で触れ、体感した一日でした。