野牛山 (539m) (道央) 2005.3.24(木) 晴れ
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野牛山、なんと力強く、荒々しいイメージの山名ではありませんか。 この野性的な山名に魅かれ、干支的には牛ならぬ羊と鼠の二人で訪れてみました。 野牛山は札幌の国営滝野すずらん丘陵公園の南隣に位置する山、山というより丘陵の一部と言った感じで勇ましい名前とは裏腹にひっそりと目立たない山です。 登山口は札幌の清田・真栄方向からですと滝野すずらん公園を過ぎてすぐの、「厚別の滝」バス停から100mほどにある「青少年山の家」の看板に従って左折、道なりに約2km行った村落の行き止まり地点です。 村落を通る道は狭く、除雪は民家の方々が自分たちの為に行っているようで駐車する際は、民家の方にお断りする配慮が必要でありそうです。 そこで少し戻り、青少年の家に通じるすずらん公園の入口ゲートの気の良いおじさんにお願いし、公園内に停めさせて頂きました。 |
滝野すずらん公園の外周柵に沿って10分ほど歩くと、清水沢林道の入口ゲートがあり、地図を見るとこの林道を辿って野牛山の尾根に取り付けるようです。
清水沢林道入口 |
小さな尾根や谷が入り交じる地形の中を緩やかに登る林道を進みながら、振り返ると札幌の山々が立ち並んでいるのが印象的でした。
春霞に煙る札幌の山々、右端は藻岩山 |
林道沿いの林は、奥深い感じは無く、大きな木も少ないのですが、ウサギやタヌキ、キツネ、イタチなどの足跡やクマゲラの食痕跡などもあり、豊かな自然を感じさせるものがありました。
新しいクマゲラの食痕跡 |
林道入口から約20分で野牛山への尾根取り付き地点です。
林道と別れ、尾根を登ると汗をかく暇も無いくらいの時間で、525mPに出ました。
残念ながら木々が煩く、見晴らしは殆ど利きません。
真東に先日歩いた北広山と島松山がすぐ側に見えていました。
木々が煩く見晴らしも利かない525mPにて |
ここで登山口に駐車していた人達が野牛山から戻ってきたのに出合いました。
挨拶をして稜線をのんびり進むと僅かで野牛山山頂でした。
野牛山山頂から、春霞の恵庭岳 |
恵庭岳やイチャンコッペ、紋別岳などの支笏湖周辺の山々が以外に近く大きく見えています。
私達にとっては見慣れている千歳からと違う角度からの姿が新鮮な感じで、「こんな風に見えるんだね〜」「イチャンコッペがこんなに立派だなんて知らなかったわ!」としばし見入ってしまいました。
山頂から藻岩山方面、右手前の小ピークは帰りに寄った490m地点 |
反対側の札幌方向には藻岩山などの札幌近郊の山々から石狩湾、遠くかすかに当別や増毛の山々を見ることが出来ました。
近くにはすずらん公園、白旗山、野幌森林公園なども望まれました。
日焼けを心配しながら、お腹が優先かい? |
野牛山山頂にはかつて雷が落ちて焼けたと言われる、オンコ(イチイ)の大木の焼け焦げた幹がその美しい木肌模様を見せて、他の木々を圧倒して立っていました。
美しい木肌を見せて立つ、オンコの幹 |
野牛山山頂も手前の525mP程ではありませんが、白樺などの木々が混んでいて、折角の展望を妨げていて少し残念な感じです。
野牛山山頂から札幌市街地、遠くに石狩湾を見る |
殆ど真下と言う感じで、季節季節の花々が咲き乱れる滝野すずらん丘陵公園が今は真っ白い雪に覆われて見えています。
滝野すずらん公園を見下ろして |
春霞で何となくぼんやりしたお天気ですが、風も無く日の差す山頂で、持ってきたオニギリや飲み物を口にし、しばしボンヤリのんびり休憩です。
昼寝でもしたいな〜 |
帰路は525mPから延びる小尾根を下りて、490m地点に寄ってみます。
野牛山の比較的ハッキリした姿を望むことが出来ましたが、他は木々に邪魔をされて見晴らしは利きませんでした。
適当に斜面を尻滑りで滑り降り、尾根取り付きの林道に出ると、西側の小尾根上に開けた所があり何か看板のようなものが立っているのが目に入り、立ち寄ってみることにしました。
野牛山の北西の山々 |
小さな尾根を少し下ると看板かと思っていたのは、立派な祠でした。
回りには桜などが植えられていて、麓の人々が大事にしているように感じられました。
この祠から振り返ると、野牛山は525Pと二つで牛の背のようにも見え、それが山名の元になったのかも知れないと感じました。
奇麗に手入れされていた祠 |
この祠の近くに高さ20mほどの鉄骨の櫓が立っていましたが、何の為のものなのでしょう。
祠から見ると、北側に最終人家と思われる二軒の家が見えています。
一直線に雪の上を人家向けて走り降りて、道路を車を停めさせてもらったすずらん公園のゲートへ帰りました。
千歳への帰り道、小さな春を見つけました。
雪からかわいいフキノトウが顔を出しているのを見つけたのです。
今年始めて見つけたフキノトウ |
いよいよ春なのですね。
真っ白な雪の世界も素敵ですが、黒い土が顔を出し、緑が芽生え、花々が咲き出す春は待ち遠しくワクワクしてきます。
雪を払いのけ、開いていないフキノトウを幾つか戴いて帰り、フキ味噌と天ぷら、そして味噌汁の実にして、早春の香りを楽しみました。