モラップ山 (507m) (道央)   2006.3.12(日) 曇り、晴れ



モラップとはアイヌ語で「小さな低いもの」と言う意味だそうで、支笏湖地区では支笏湖東岸の国民休暇村や野鳥の森に隣接している二つの小山(モラップ山とキムンモラップ山)の事で、この辺りの地名となっています。

この二つの小山は双子のように可愛らしく見え、千歳市街地から見ると小型の富士山のような姿をしています。
いずれの山も木々が密集しているため見晴らしは良くないのですが、モラップ山からは樽前山や風不死岳と支笏湖を眺める事が出来ます。

2006.3.12(日)は山歩きなど期待出来ない予報でしたが、思いの外良い天気で青空も見えています。
家でゴロゴロしていても仕方がないと、支笏湖の林道でも散策して小鳥や動物の足跡でも見に行こうかと出掛けてみました。

支笏湖の着くと紋別岳から恵庭岳方向にかけては雲に覆われ雪が降っているようですが、モラップ山から樽前山は晴れています。
久し振りにモラップ山を歩いてみる事にして、かってのスキー場に向かいモラップ山の北尾根近くに車を停めました。


北尾根の途中から見るモラップ山

スキー場のゲレンデだった斜面は木々も少なく、いまだスキー場の面影を残していますが斜度がきつい為、北尾根に取り付いて登る事にしました。
スノーシューに履き替えて北尾根の中間めがけて東側から取り付きます。
辺りは一面エゾシカの足跡、まるで鹿の遊び場のよう。

カミさんが「こんなに鹿がいるのね」と驚いていますが、そのカミさんは鹿も驚く日焼け防止の月光仮面姿です。


北尾根から振り返るとキムンモラップ山

緩やかに登る尾根には鹿の足跡が案内するように続いています。
彼らの踏み跡の方が歩きやすく効率的だと辿らせてもらいました。


鹿の踏み跡に案内されるように北尾根を登る
辺りの足跡はすべて鹿のもの

鹿が好むツリバナやマユミの木の皮が剥ぎ取られて真っ白な木肌が剥き出しになっています。
クルリと幹を一周剥ぎ取られたらツリバナ達は生きていけない、でも鹿も生きなければならない。
過酷な命を懸けた生存競争が私達の身近な所で繰り返されているのですね。

稜線に出るとカミさんが歓声を上げています。
木々の枝越しに支笏湖と樽前山、風不死岳が姿を見せてくれていました。


カルデラ壁からの支笏湖と風不死岳

足下はカルデラ壁となって支笏湖へ急激に落ち込んでいます。
弓なりに弧を描くモラップの岸辺、その向こうには樽前山が見えていますが、残念ながら青空ではないので雪の山頂部が雲に溶け込んでしまってくっきりとは見えません。


枝越しの樽前山

緩やかな稜線を少し歩くと思いの外広いモラップ山の山頂です。
あちらの方が少し高いか? 等と言いながら一番高い所まで行ってみます。
見晴らしは良くありませんが、かすかに千歳市街地を見通す事が出来ました。


モラップ山山頂、あそこは何処だろう?

僅か30分ほど歩いただけですから疲れもありませんが、風を避けられる支笏湖を見下ろせる場所で簡単なお昼ご飯にします。
山や自然の中では粗末なものでも美味しく食べられ、これでは痩せる訳は無いと苦笑いです。


コーヒーが良い?

暖かい陽射しの中、のんびり山々や丸山遠見、苫小牧等を眺め、暖かいものでお腹を満たし、何か儲けたような気分です。
私達もモラップ山の風景に溶け込んだのでしょうか、小鳥達が盛んに私達の回りで飛び交っています。
ヒガラ、ハジブトガラ、ゴジュウカラ、シジュウカラ、エナガなどの姿やさえずりを見たり聞いたりしていると春を感じるようです。
アカゲラやコゲラも姿を見せてくれました。

優しげな自然を十分堪能し、下山は元スキー場のゲレンデを用意してきた尻滑りボードで滑り降りる事にしました。
雲で覆われていた紋別岳も姿を現し始めています。


旧ゲレンデから見た紋別岳、手前はキムンモラップ山

旧ゲレンデはかなりの急斜面。
二十数年前、ここで子供達を連れてソリ遊びをし、転げ回った事を事を思い出してしまいました。


旧ゲレンデを滑り降りる

恐々滑り始めた斜面、斜度は十分なのですが雪が重くスリルを感じるほどには滑りませんでした。
でもそれなりに十分楽しめましたよ。


行くわよ〜!

ウヒョオ〜!

もっと滑って! ヨイショ・こらしょ!

お天気の予報も思わしくなく、大して期待していなかったモラップ山。
のんびり遊んで、2時間。
思いの外、楽しく、良い感じでした。
憧れの山に思いを込めて訪れるのも楽しいですが、モラップ山のような身近な手軽な山を訪れるのもその時々の表情や風情を感じられ楽しいものですね。

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