シャクナゲ岳 (1074m) 白樺山 (931m) (ニセコ) 2007.5.28(月) 晴れ
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この日、私達は道南の黒松内岳を訪れようと早朝まだ暗い時間に千歳の自宅を出ました。 所が、黒松内に着くと快晴のはずが曇りで霧も出ています。 仕方なく山は諦め、歌才ブナ林の散策を満喫しましたがまだ午前8時です。 岩内方面に車を走らせているとニセコの山々にかかっていた雲が取れ始め、青空が覗くようになってきました。 このまま帰るのは勿体ないと新見温泉を経由して新見峠へ向かいました。 でも、ニセコに遊ぶ計画はなかったものですから地図も持ってきていません。 神様はちゃんと見て居られるのだな〜! |
新見峠登山口からの白樺山(左) |
白樺山登山ポストのノートには今シーズンまだ誰も記載しておらず真白です。
私達が今シーズン初の入山者かい? と思いつつ記帳して歩き出しました。
登山道は直ぐに雪に覆われ判らなくなりました、稜線まで雪が繋がっているようなので892mP目掛けて真直ぐ登ってみます。
振り返ると真後ろに目国内岳が見えています。
雪を繋いで稜線を目指す |
雪は時折ズボ〜と埋まりますが概ね締まっていて歩きやすい、稜線まで10mほど笹を漕ぐと運良く夏道に出合いました。
暖かい陽射しを浴びながら気持の良い稜線歩き、ニセコの山はまだかなりの雪をまとっています。
白樺山(正面)に続く稜線 |
呆気ないほどの感じで白樺山に着きました。
素晴らしいお天気となり、ニセコの山々ばかりでなく積丹の山も見えています。
白樺山はとてもお手軽に登れる山ですが、展望は第一級な山だと思います。
目国内岳と岩内岳(右) |
岩内の町並みと積丹の山々 |
白樺山山頂にて |
これから進む稜線、途中の1044mP、シャクナゲ岳が重なるように見えています。
地図を持っていないので概ねの位置関係と姿を頭に入れます。
シャクナゲ岳(右)と途中の1044mP |
北東には神仙沼、ワイスホルンなども見えていますし、遠くには無意根山や余市岳などの札幌周辺の山々も見えていました。
神仙沼方面(中央低地)を見る |
緩やかな稜線を辿り、シャクナゲ岳との間にある1044mPへ向かいます。
この稜線には太い笹が両側に生え、道にもタケノコが伸び出していますし、イチゲやイチゴなどの花やミヤマオグルマと思われる蕾も見かけました。
コルを越えしばらく行くと登山道は雪に隠れ、道を探しながら歩きます。
やがて道を失って辿れなくなり、見ると1044mP直下まで雪が繋がっているようなのでこれを辿ることにしました。
1044mPへは雪を繋いで登ることに |
稜線まで約30m位までは簡単に行けましたが、その先はかなり濃い薮の帯になっています。
カミさんを気遣いながら薮を漕ぎ、夏道に出た時はホッとしました。
1044mPからはシャクナゲ沼を挟んでシャクナゲ岳がスックと聳えています。
シャクナゲ岳、手前はシャクナゲ沼 |
南西方向には本来登る予定だった黒松内岳、長万部岳付近の山や遠く狩場の山も見えています。
黒松内岳付近の山々と狩場山(右奥) |
いったん下り、シャクナゲ沼のほとりへ降りました。
沼は湖面に山を映して美しい。
シャクナゲ沼と目国内岳 |
シャクナゲ岳へも夏道が隠れているので、雪を適当に繋いで登っていきます。
次第に傾斜がきつくなり、後ろから続くカミさんの為にステップを深く切りながらの登りです。
シャクナゲ岳へ、雪を繋いで登った |
山頂直下で雪が切れ薮を漕がなくてはと覚悟したら、右側から夏道が現れ、有り難くこれを使って山頂へ。
シャクナゲ岳山頂から一列に並ぶ、チセヌプリ、アンヌプリ、羊蹄山 |
雪が多く、道を失いながらの地図も持たない山歩きでしたが、何とか目的の山に到着しました。
景観を満喫しながらお昼ご飯、トマトがお腹にしみるようです。
シャクナゲ岳山頂にて 後ろは目国内岳 |
山頂からはチセヌプリ、アンヌプリ、羊蹄山が一列に並んで見えています。
チセヌプリとの鞍部には右にチセヌプリスキー場が左に神仙沼が、歩いてきた1044mPの向こうには日本海と積丹の山々、南西には駒ヶ岳を始めとする道南の山々が姿を現しています。
神仙沼方向を見る |
上々のお天気と大景観に大満足して来た道を引き返します。
雪が出てからはコルまで尻滑り、歓声を上げながら滑り降ります。
ヒャッホウ!・・・ |
あっという間にコルへ滑り降りる |
1044mPへ戻り、登ってきたルートでは無く出ている夏道を戻ります。
道はかなり西へ進んでから北へ緩やかに降りています。
やがて道は雪に覆われ判らなくなりました。
ここで間違いを冒してしまいました。
ここから北東に進んで来たルートに合流しなければならなかったのに、似たような一本手前の尾根を白樺山方向へ降りてしまったのです。
しばらく降りてから間違いに気付き北東へトラバース気味に進み、元のルートに近づいたのですが雪が途絶え、薮漕ぎを為ざるを得なくなりました。
高さ2メートル以上の太い笹とハイマツの海です。
容赦なく笹や枝に叩かれ、絡み付かれ、遅々として進みません。
腕力の無いカミさんは弾き返され何度も転んでいます。
5メートルも離れると姿が見えません。
大声で位置を知らせ、ダケカンバの木に登り方向を確かめます。
30分近く格闘したでしょうか、やっと雪のある所に出、しばらくして元のルートに合流することが出来ました。
疲れ果て雪の上にベッタリ 「薮はコリゴリよ!」 |
その後は概ね来たルートを辿り、白樺山を経由して新見峠登山口へ戻りました。
登山口にあった小さな沢で薮漕ぎで汚れた顔や手足を洗いスッキリして帰路につきました。
今回のような小さな山でも残雪期は雪で道を失うことがあります。
地図を必ず用意すること、用意していなければ登らない事、これが今回の教訓でした。
家に帰り風呂に入ると、「ヒヤ〜!」と言うカミさんの悲鳴。
何事かと見ると脛に薮漕ぎの勲章、アカタン・アオタンが・・・。
しばらくスカートは、はけないようです。
「ゴメン」