妙敷山 (1731m) 伏美岳 (1791m) (日高)  2007.6.13(水) 晴れ



2007.6.13(水)
伏美岳登山口 0510
5合目 0620
C1660m 0725
コル 0750
妙敷山山頂 0850
0935
コル 1000
伏美岳山頂 1100
1200
登山口 1345
北日高の妙敷山は伏美岳と稜線続き、十勝の芽室町付近からは双耳峰のように見えています。
夏道はありませんので雪のある時期に登られることが多い山です。

6月中旬、残雪も少なくなり雪を繋いで歩けるか、一抹の不安を感じながら妙敷山を訪れてみました。

計画ルートは伏美岳の夏道を利用して登り、C1500m付近から妙敷山への稜線へトラバース、後は稜線伝いに山頂へ、帰路伏美岳へ立ちよって下山するというコースです。

前夜は芽室町の芽室公園で車中泊、0330に起きると晴れて星が出ています。
時期的に十勝などの太平洋側名物の霧は覚悟でしたが、これ幸いと簡単な朝食と洗面を終え、伏美岳登山口へ向かいました。

途中、何頭もの鹿に出会いながら0500に伏美岳避難小屋先の登山口へ着き、出発準備です。

伏美岳へは何度も訪れていますので勝手知ったる道、しばらくは木々が混んで見晴らしも利かず、日高らしく尾根を真直ぐにひたすら登る我慢の道です。
その単調さと辛さを花々が慰め励ましててくれます。
オオサクラソウ、エゾノリュウキンカ、ミヤマスミレ、ズタヤクシュ、カタバミ、ナンブソウ、オオカメノキなどなど・・・カワイイ。


ナンブソウ

C1000m付近から伏美岳名物のツツジの群落が現れ始めます。
まだ蕾が多く全体としては3〜4分咲き程度ですが奇麗です。


ムラサキヤシオの群落がトンネルのように続く

ツツジの群落はC1400m付近まで続き、この付近から時折周囲の山々が見え始めます。
妙敷山の姿も見え隠れしています。


妙敷山の稜線が見えてきた

C1450m付近から雪が出始め、道を隠すようになってきました。
雪の無い所にはツバメオモト、サンカヨウ、シラネアオイなどが咲き出していました。

C1500mを越え妙敷山への稜線にトラバースしたいのですが、雪が繋がっていません。
薮漕ぎは嫌なのでそのまま登山道を上ります。

結局、C1650mまで登った地点からトラバースしましたが、何度も薄い薮ぶを漕いで行かなくてなりませんでした。
稜線に出ると目指す妙敷山がスッキリと見通せます。
何とか雪は繋がっているようです。


C1650m付近からの妙敷山、右は札内岳

妙敷山の南側には十勝幌尻岳から札内岳、エサオマンなどがクッキリ見えていて心躍るような気分。
壮快な気持で伏美岳と妙敷山のコルへ降りていきます。


コルからの妙敷山

雪を繋ぎながら登って行きますが、やはり時期が少し遅かったようです。
稜線上を雪を繋いでいくことは出来ず、薮を漕いだり、斜面を一旦降りて登り返すことを何度も強いられ、思うように進みません。

山頂直下、雪が無くなりました。
標高差で30m程ですが、濃密なハイマツの海が行く手を阻んでいます。
どうしたものかと考えながら眺めていると、ハイマツの帯に僅かな切れ目のような所を見つけ、確かめに行くとナタ目が入った踏み跡があり、有り難く使わせてもらいます。

妙敷山山頂に立ちました。
素晴らしい大展望です、こんなに展望の優れた山だったとは思ってもいませんでした。
北日高の中心に居るかのよう、東の十勝平野に背を向けると南から北へ十勝幌尻岳、札内岳、エサオマン、神威岳、幌尻岳、戸蔦別岳、北戸蔦別岳、1967峰、ピパイロ、伏美岳に取り囲まれているように感じられます。
そしてさらに北側にはチロロ岳、ルベシベ、芽室岳などが並び、まさに絶景です。


十勝幌尻岳(左)、札内岳、エサオマン(右)

大きくドッシリとした十勝幌尻岳と鋭い札内岳の姿が対照的。


左から札内岳、エサオマン(中央)

札内岳のスッキリした姿、エサオマンの北東カールと北カールが印象的、その向こうにはカムエクやピラミット峰などを始め中日高の山々も見えています。


エサオマンから神威岳(手前)、右に幌尻岳

カールや谷筋に雪を残した春から初夏特有の縞模様が何とも美しい。


幌尻岳(中央左)、戸蔦別岳、北戸蔦別岳の雄姿

幌尻岳のどっしりした姿と天を衝く戸蔦別岳の姿が目を引いています。


幌尻岳(左)から戸蔦別岳、北戸蔦別岳、1967峰、ピパイロ岳(右)

戸蔦別岳から北戸蔦別岳、1967峰、ピパイロ岳、伏美岳へと続く山々も美しい。

すでに歩いた山々の姿を見ているとその時の思い出が懐かしく甦ってきます。
ああだった、こうだった、辛かった、たわいもない事が思い出されます。

エサオマンの二つのカールがとても魅力的です。
まだ歩いていない北カール、行って見たくなりました。


エサオマンの北東カール(左)と北カール(右)が印象的

軽い朝食だったせいかお腹が空いてパンやトマトを景色を満喫しながら口にします。
直ぐ北には伏美岳と歩いてきた稜線が横たわっています。


伏美岳

妙敷山山頂で45分も大景観を堪能し、再び稜線を辿って今度は伏美岳を目指します。
来た時のトレースを利用しますが、小さなアップダウンもあり雪を繋ぐのに結構時間を要しました。
伏美岳の山頂直下まで雪を辿ると夏道に出合います、後は一登りで頂上、そこには見慣れた景色が広がっていました。


伏美岳山頂の展望

時間は1100。
山頂の岩に腰を下ろし昼食を摂りながら、妙敷山とは一味違う景観を眺めます。

僅か1時間ほどの距離なのに見える角度が微妙に違い、山々の姿が異って見えるのが面白い。


幌尻岳と戸蔦別岳

戸蔦別岳北東のカールや神威岳に通じる稜線がハッキリ見えています。


チロロ岳

北側にはチロロ岳が大きな山容を見せ、そこからルベシベ、芽室岳に続く稜線上の山々がズラリと並んでいます。


北日高北部の山並みが連なる

重畳と重なる山並みを誰も居ない山頂で一人堪能する贅沢、何という幸せ。
十勝幌尻岳をバックに妙敷山が「良かったろう、またお出で」と言っているようでした。


十勝幌尻岳と手前に妙敷山

残雪を繋げるだろうかと少し不安を持ちながらの山行でしたが、何とか目的を果し、素晴らしい大景観も見ることが出来ました。

心から大満足、機嫌良く姿を見せてくれた山々に感謝して下山です。
下山は足下に咲く花々と会話しつつ、のんびり降りました。

妙敷山を訪れるのは今回よりもう少し早い時期、5月下旬頃が楽に稜線を歩け、良いと感じました。

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