佐幌岳 (1059.5m) (日高)  1007.6.3(日) 晴れ



6.3(日)
狩勝峠登山口 0635
桜山(950m) 0745
佐幌岳山頂 0830
0930
桜山 1005
登山口 1105
佐幌岳は日高山脈の北の端、と言っても日高の山々が持つ厳しさはすでに無く、日高山脈と十勝連山の間に位置する優しい姿の山です。
山の東側はサホロリゾートとして開発され、スキー場やホテルがある一大観光地となっています。

佐幌岳から南に延びる稜線は狩勝峠に降りていて、登山道はその稜線通しに狩勝峠から付けられています。
全般に緩やかな登りで十勝平野や北日高の山々を見つつ足下に咲く花々を楽しみながら歩け、山頂からは大雪、十勝、夕張、日高の山々の大展望が堪能出来るお値打ち感のある山です。

この日私達は北日高を歩こうと思っていました、ですが目指した山の麓近くまで行くと濃霧、視界は2・30m、車を運転するのも怖いぐらい、霧というより雨のように降っています。
すっかり怖じ気づいて北日高は諦め北へ転進、狩勝峠付近まで来ると霧も晴れてきたので急遽、佐幌岳を訪れることにしたのです。

峠の駐車場で準備を整え、ドライブイン横の登山口を歩き出しました。
周囲は晴れているものの、霧の余韻を残していて雲海が美しい。


十勝平野は雲海に隠れている

登山道は稜線通しに緩やかに登って行きます。
所々小さく雪が残っている道をまず839mPへ向かいます。


839mPへ残雪を辿る

道端にはエゾイチゲやミヤマスミレが点々と咲いています。
839mPを越えると目指す佐幌岳と前峰である桜山の全景が見えるようになってきました。


佐幌岳(右)と桜山(左)  緩やかな稜線が続いている

東側には遠く東大雪の山々がシルエットのように浮かんでいます。
ウペペサンケの大きな山容が印象的。


東大雪の山々が浮かんでいた

前峰とも言える桜山への登りに掛りました。
ここが佐幌岳登山の一番の頑張り所、焦らずゆっくり登りましょう。
桜山山頂は木があって見晴らしはあまり・・・です。


桜山山頂

道は桜山からいったん下り、佐幌岳へ緩やかに登っていくようになります。
この下り斜面にはエゾキスミレが黄色の絨毯のように沢山咲いていました。


エゾキスミレ

霧はすっかり晴れ、陽射しが強く暑くなってきました。
シャツ一枚でも暑い、カミさんは小さな残雪の雪をタオルに包んで額や首筋を冷やしています。


遠くの山々を見ながら残雪で身体を冷やす

佐幌岳への稜線にはミツバオウレンが点々と咲いていて可愛い。


ミツバオウレン

のんびり歩いていくと緑色の鮮やかな佐幌山荘が建っていて、山荘を過ぎると直ぐに山頂です。
佐幌山荘は覗いて見ると薪も充分用意され、奇麗にされていました。
急な悪天時などには、ありがたい存在ですね。


奇麗に整頓されていた、佐幌山荘

佐幌岳山頂に着きました。
歩き初めて2時間弱の気持ち良いお手軽登山です。
それなのに、この大展望は何なのでしょう?


十勝連山と大雪に続く山並み

北側には富良野岳から十勝岳、美瑛岳、オプタテシケと続く十勝連山、その山並みが大雪のトムラウシへと続いています。
トムラウシの東側にはニペソツ、ウペペサンケなどの東大雪の山々。
奇麗だね〜! 凄いね〜! とウットリと眺めていました。

昨年の印象が忘れられないのでしょう、カミさんはトムラウシを見て「やっぱりすてきな山よね」と嬉しそう。


佐幌岳山頂

南側には北日高の山々がこれまた凛々しい姿を惜しげも無く見せています。


北日高の山々もズラリと姿を見せた

「わあ〜、こんなに晴れるのだったら諦めず予定通り妙敷山に行けばよかった」と悔やんでも後の祭りです。
暖かい山頂で寛ぎながら、山座同定に興じます。
そして南東には広大な十勝平野が広がっています。

北西方向には夕張岳から芦別岳、富良野西岳にかけての夕張山地の山々が並んでいます。


夕張岳(左)から芦別岳(右)に続く夕張山地の山々

まだ午前9時前、マッタリした静かな時間を過します。
陽射しの強い山頂、グレープフルーツやトマトなどが染み入るようです。

東側のサホロリゾートは冬季の営業を終え、これまた静かに佇んでいます。


昼寝でもしたい気分

1時間ほど山頂でのんびり過しました、素晴らしい大展望を充分堪能しました。
もう一度十勝連山を一望し、佐幌岳って良い山だな〜との印象を強くして下山することに。


富良野岳(左)から十勝岳、美瑛岳、オプタテシケ山へと続く十勝連山

下山途中、何組ものグループの人達3・40人とすれ違いました。
きつい所も迷うような所も無いし、手軽に花や大展望を楽しめる佐幌岳、人気の程も判るというものです。

濃霧で妙敷山を諦めた自分の判断の甘さを恨めしく思う気持と、思わぬ大展望を見せてくれた佐幌岳に感謝する気持が複雑に入り交じった今回の山行でした。

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