手稲山 (1024m) (道央)  2007.6.16(土) 晴れ



2007.6.16(土)
平和の滝登山口 0835
布敷きの滝 0935
ケルン 1035
手稲山山頂 1055
1130
ガレ場 1145
布敷きの滝 1215
平和の滝登山口 1310
手稲山は札幌周辺の何処からでも、山頂に大きなアンテナが立ち並んでいる山として知られている山。
電波を送受信すると言う事は、それだけ視界も広がっているということなのでしょう。

山頂から麓にかけスキー場やゴルフ場、ロープウエイなどのレジャー施設が整備され、札幌オリンピック時にはスキー競技場として名を馳せました。

いかにも都会の山といった印象ですが、南側の発寒川から自然度の高い山道が整備されています。

私はこのような人の手が入り過ぎた山は余り好きでは無いので、これまで手稲山を訪れたことはありませんでした。
登りもせずに思い込みや偏見は良くないと、晴れた一日訪れてみました。

札幌の小林峠から盤溪を通り平和の滝に向かう車窓からは、赤と白に派手に塗られたアンテナ群が立ち並ぶ手稲山が見えてきます。
「やっぱり止めようかな?」と言う気持になりかかりましたが、南側の崖とも言える険しい地形に目を奪われました。

登山口である平和の滝のは大きな駐車場があり、トイレもあります。
発寒川の左岸沿いに付けられている登山道は、一昨年発寒川を遡った時に歩きましたので見覚えがあります。
この道の両側にはタニウツギが多く沢山咲いていましたし、落葉樹の林の中を歩くだけでも気持が良い道、オニグルミの花も沢山落ちていました。


新緑の美しい沢沿いの道を行く

標高450mで発寒川本流から別れ、北に延びる支流沿いに道は付けられています。
さすが札幌の山、歩いている人の多さに驚かされます。
グループやカップル、単独の人達が連なって歩いています。
このような光景は昨年、大雪の旭岳で経験した以来です。


沢沿いの道を多くの人達と御一緒に

やがて「布敷きの滝」、なかなか立派な滝ですが残念なことに大きな倒木が美しさを損ねているようです。


布敷きの滝

滝を過ぎると道は右手の斜面に取り付いていきます。
これまでとは打って変わった急な岩混じりの斜面が標高差150mほども続きます。
ギンリョウソウがヒッソリと咲いているのを見つけました。


ギンリョウソウ

見晴らしの利かない岩混じりの斜面を登り切ると、次は城壁のように立ちはだかる岩礫が出て来ました。
「大したこと無い山だろう」と軽く思っていたら大間違い、トムラウシのコマドリ沢のミニ版、足を滑らさないよう注意しながらキツイ標高差約200mを登ります。
この斜面にはイワツツジが可憐な姿を見せてくれていました。


急な岩礫の斜面に一汗かく

急な岩礫の斜面を登り切ると様子は再び一変、ダケカンバと笹の緩やかな土の台地となり少し進むと北側を除く方向の展望が開け、立派なケルンが積まれている所に出ます。


ケルンの所で展望が開ける

西には迷沢山から奥手稲山に続く山並みとその向こう側に余市岳や無意根山、定山渓天狗岳が並んでいます。


無意根山(左)、定山渓天狗岳、余市岳(左)、手前は迷沢山

東側には180万都市、札幌が少し煙りながら大きく広がっています。


札幌市街地

ケルンのある所から少し行くと車道に出、テレビ局のアンテナ群が立ち並ぶ間を進むと山頂です。
手稲神社の立派なお社があり、参拝。
山頂は広く整備されていて多くの人達がゆっくり休んでします。


山頂の手稲神社

私達も一角に腰を下ろし、お昼にします。
陽射しが強く暑い、カミさんは日焼け止めを塗り無駄な抵抗を試みています。
オニギリよりトマトやグレープフルーツが美味しい。

標高1000mを越える山頂なのに西洋タンポポが勢力を広げ、我が物顔。
こんな場面はやはり都会の山ならではのことでしょう。

先程のケルンからは見えなかった羊蹄山が頭を出しています。


山頂から見る無意根山(左)、定山渓天狗岳、羊蹄山(右)

余市岳の残雪模様も美しい。


余市岳

直ぐ南側には烏帽子岳、百松沢岳の姿もハッキリ見えていました。
神威岳は烏帽子岳の影になるのでしょうか、見えません。


烏帽子岳(右)と百松沢岳(中央)

遥か南には恵庭岳、風不死岳、樽前山が浮かぶように見えています。


遥か遠くに恵庭岳(中央右)と風不死岳・樽前山(左)

この冬に訪れた奥手稲山は山頂展望台からは見えにくい位置にありましたが何とか確認し、思いを新たにすることが出来ました。


山頂広場で

帰路もガレた岩礫の急斜面がありますので気を抜くことは出来ません。
緊張を維持しつつ「布敷きの滝」まで降りて、後は道端に咲く野草達を眺めながら平和の滝登山口へ戻りました。

今回は図らずも多くの人達と前後しながら歩く山旅となりました。
楽しそうなグループを見ているとこちらまで愉快になり、このような山行も良いものだと思います。
一方、手稲山は羆も棲みますので皆さん熊避けの鈴やラジオを鳴らしながら歩いていました。
気持は分かるのですが、大勢の人が列を作って歩いているのを気付かない羆はいないと思うのです。

常にチンチンと鳴り続ける鈴の音、大音量でオチャラケたディスクジョッキーの声を撒き散らしているラジオ、静けさや小鳥のさえずりをを楽しむことは出来ません。
滅多に人にも会わない山では必要かも知れませんが、人だらけの山では迷惑なことになります。
山でも普段の生活同様、TPOを考える事が必要だと感じた次第です。

GPSトラック
Homeへ Page Topへ 次に進む

inserted by FC2 system